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中二病を極めた私、異世界魔法を凌駕する  作者: 氷高悠
第1章 第5話「一躍有名人になった私、パーティを組む」
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04 お買い物に行こう!

 そして、放課後。

 私はリーリカとユピを連れて、ルミーユ学園の敷地から十分ほど離れたところにある、小さな街へとやって来た。


「早く練習しないといけないのに……」

 なんて、リーリカはぼやいてるけど。


「はぅ……人がいっぱいなの」

 なんて、ユピは私の後ろにこそこそ隠れてるけど。


 私は気にせず、街中へと向かっていく。



 ――私がユピを励まそうと、思いついた作戦。

 それは「三人で仲良く買い物をして、親睦を深めよう作戦」だ!


 元ぼっちの私の勘だけど、ユピはゴーレムが怖いってだけで、こんなに嫌がってるんじゃないと思うんだよね。


 人見知りが一番恐れるのは、「自分のせいで足を引っ張ってしまう」こと。

 そして――「そのせいで相手に嫌われてしまう」こと。


 足を引っ張って嫌われちゃうくらいなら、最初から参加しない方がいい。

 私が常々、体育の時間に感じていたことだ。


 そんなトラウマを思い起こしながら考えるに……。


 ユピは多分、ゴーレムが怖いのと同じくらい。

 私とリーリカの足を引っ張って、嫌われちゃうことを恐れてるんだと思う。


 ……私とリーリカが、そんなことでユピを嫌うわけ、ないのにね。


 そのことをユピに分かってもらいたい。

 私たちにとってユピは、そんな簡単に嫌いになれないくらい――とっても大切な、友達なんだって。



 ……というわけで、思いきって三人で買い物に来たんだけど。


「きゃあ! ちょっとあれ見て、アリス! ユピ!!」


 私とユピの袖を引っ張って、目をキラキラさせてるリーリカ。

 視線の先には、色とりどりな服がたくさん飾られている。


「超かわいいっ! 絶対アリスにもユピにも似合うよ!」


 リーリカってば、さっきまでのぼやきが嘘みたいに、はしゃいじゃってるなぁ。

 まぁ親睦を深めるためなんだし、テンション上がってくれるのはいいんだけど。


「はぅ……ユピには、こういうのはちょっと、なの」

「なーに言ってんの! ユピは素材がいいんだから、何を着たってさまになるよ!」


 ちなみにユピの普段着は、いわゆるゴスロリ風の黒いドレス。

 さらさらの銀髪ツインテールに、透明感のある肌をしているユピには、とてもよく似合っているのだけど。


「私も見てみたいなぁ、ユピがイメチェンしてるところ」

「な!? アリスまで、リーリカに合わせないでなの!」

「いいじゃない。減るものでもないし」

「さぁ、話は決まったわね! ユピ、行くわよ!!」


 そんなこんなで、私たち三人は服飾店に入っていった。

 ユピは最後まで、抵抗を示してたけど。


 そしてリーリカの提案により……私たちはそれぞれ、いつもと違う格好をしあってみようということになった。


 試着室に入って、私は着慣れたセーラー服を脱いでいく。

 いきなり異世界転移してきた私は他に服を持っていなかったので、私服のときは当時のセーラー服を着てる。


 ちょっとダサいかな……なんて最初は思ってたけど。

 セーラー服ってジャンルがオルタナギアでは物珍しいらしく、割とみんなから好評だったりする。それに気をよくした私は、そのまま着続けているってわけ。


 だけど、たまには――ちょっとおしゃれするのも、いいよね。


「アリス! ユピ! 着替え終わったぁ?」


 隣の試着室から、リーリカが声を上げる。

 テンション絶好調だなぁ。リーリカらしいっていうか、なんていうか。


 私は急いで背中のチャックを締めて、試着室のカーテンを開ける。

 そこに立っていたのは――白いワンピースを身に纏った、リーリカの姿だった。


 普段は銀色の胸当てのついたプレートアーマーという、剣士らしい格好をしているリーリカだから、こういうフェミニンな格好は珍しい。


「どう、アリス? あたしも満更じゃないでしょ?」

「う、うん」


 満更じゃない、どころじゃないっていうか。


 すらりとしたスタイルのリーリカに、ノースリーブの白ワンピの取り合わせは、正直刺激が強すぎる。

 セクシーな妖精、って感じ。


「きゃああああ!! アリスってば、何その格好!?」


 一方の私はというと。

 ピンクのふりふりなコスチュームに、ブーツを履いて。

 ゆるふわ金髪の上には、ティアラを装着している。


 気分はそう――お姫様!


「うふ……うふふ。あたし史上、最高だわ……最っ高のかわいさだわ!! ちょっとアリスさん、あたしのお嫁さんになりません?」

「ちょ、ちょっとリーリカ! 血! 鼻血が出てるって!!」


 ぽたぽた鼻血を垂らしはじめたリーリカの顔に、慌てて手を当てる。

 真っ白な服着てるんだから、まずいって!


「二人とも、なんだか盛り上がってるの」


 シャッと、試着室のカーテンが開いて。

 いつもと違う服に着替えた、ユピが出てきた。


 ――――服?


 服って言うのか、これ?


「きゃああああん! ユピも超絶、かわいいっ!! ねぇ、アリス。アリスもそう思わない?」

「う、うん。かわいいけど……なんで熊?」


 ユピが着ているのは、いわゆる着ぐるみ。


 クマ。ベアー。


 頭から足の先まで、薄茶色のもこもこした生地のクマ着ぐるみを着込んだユピは、童顔と合わさって――お遊戯会に出る予定の、子どもみたいだった。


 つまるところ、めちゃめちゃかわいい。

 庇護欲をそそる、圧倒的な愛らしさだった。


「ほ、ほら。熊も人のこと、噛むの。だからユピに似てるかなって」

「いやいや。熊は噛むってレベルじゃないよ。食べられちゃうよ」

「むしろあたしが食べちゃいたいくらいだわ、この熊さん!」

「リーリカは何を言ってるのか分かんないよ……」




 そんな感じで、リーリカは終始ご機嫌で。

 私もみんなと盛り上がれて楽しかったんだけど。


 やっぱりユピは――まだ浮かない顔。


 うーん。どうにかしないとなぁ。

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