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中二病を極めた私、異世界魔法を凌駕する  作者: 氷高悠
第1章 第3話「異世界でちやほやされてる私、一方的にライバル視される」
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05 ラウンジでのプチバトル

 そして午後の授業も終わって。

 私はリーリカ・ユピと一緒に、女子寮のラウンジに帰ってきた。


「おかえりなさい、アリスさん?」

「げ」


 思わず変な声が出ちゃった。


 ラウンジの椅子に腰を掛けて、こちらを見つめているのは――チェリル。

 そしてその傍らでニコニコ笑っているのは、ミルミーだ。


「明後日の放課後! 明後日の放課後に、いよいよわたくしたちの決着がつくというわけですわね!!」

「そ、そうだね……」


「言っておきますけど。わたくしは負けるつもりなんて、これっぽっちもありませんからね? 必ずや貴方を倒して、見届け人であるカンナ様に、わたくしの実力を認めていただくのですから!」


「チェリルはとっても、やる気満々だよー。アリスちゃんも、気合い入れてねー」


 気合い……入んないよ、そんなの。

 争い事が好きじゃないから、すっごく後ろ向きになってるんだもん。


「いい加減にしなさいよ、チェリル」


 そんな私の前に立ちはだかって、リーリカが腰に手を当てた。


 うわぁ、ありがとうリーリカ!

 私の心を代弁してくれようとしてるんだね。


 やっぱり持つべきものは、理解のある友達――。


「アリスが負けるわけ、ないじゃない! だってアリスはあたし史上、最高の存在なんだから!!」


 リーリカぁぁぁぁぁぁ!?


 私の心を代弁するどころか、火に油を注ぎはじめちゃったよ!?


「ユ、ユピだって! アリスが負けるわけないって、思ってるの!!」


 ユピまで!?

 どうしちゃったの、私の理解ある二人の友達!?


「……言いますわね。リーリカさん、ユピさん。わたくしがアリスさんに負けると、そうおっしゃいたいんですの?」

「そうよ! アリスの実力は、並大抵のものじゃないんだから!!」


 ラウンジに響き渡るほどの声を上げたかと思うと、リーリカはそっと、自分の胸に手を当てる。


「……あたしはアリスの第一人者。アリスのことならなんだって知ってるんだから。虫が嫌いで、虫を見ると大声を上げちゃうことも! ボーッと考え事してるときは、ニヤニヤしちゃうところも! 眠ってるときはちょっとだけ、口を開けちゃう癖があることも!! みんな、みーんなっ! 知ってるんだから!!」


「リーリカぁぁぁぁぁぁ!?」


 私は思わず友人の口をふさぎ、その場に押し倒した。

 あおむけに寝転がったリーリカ。その上に覆いかぶさった私。


「あん! もぉ、アリス。人前でこんな……恥ずかしいよ」

「恥ずかしいのはこっちだよ! なんで私のプライバシーを暴露してるの!! 試合と関係ないじゃない!?」

「あ……あはは。つい、カッとなって」


 カッとなって――じゃないよ!

 こっちは顔から火が出そうなほど恥ずかしいんですけど!!


「大切な試合の話をしているのに、いちゃいちゃと……随分と、余裕たっぷりですわね。アリスさん?」


 くすくすと、ラウンジ中から漏れ聞こえる笑い声に紛れて。

 不機嫌そうなチェリルの声が、響いてきた。


「まぁまぁ、チェリル。チェリルにはボクが、いちゃいちゃしてあげるから!」


 そう言って、後ろからギューッとチェリルを抱き締めるミルミー。


「ちょっ!? 何をしてるんですの、ミルミー!?」


 顔を真っ赤にして、バタバタと両腕を振るうチェリル。

 そんな彼女をいたずらな目で見て――ミルミーは、はむっと。


 チェリルの二の腕を、甘噛みした。


「に――にゃああああああああ!? ミルミー、何するんですのぉぉぉぉぉ!?」

「えー? なんか柔らかくておいしそうだったからぁ……お腹空いてきてたし」

「わたくしの二の腕は、食べ物じゃありませんわ!!」


 はむはむ攻撃を繰り返すミルミーに、ぷるぷると身体を震わせるチェリル。

 何やってんだ、この人たち。


「大切な試合の話をしてるのに、いちゃいちゃと……随分と、余裕たっぷりだね。チェリル?」

「あ、貴方に言われたくないですわリーリカさん!」

「……ユピは、どっちもどっちだと思うの」


 私たちの戯れをジト目で見ながら、ユピが至極まっとうなツッコミを入れる。


「ねぇねぇ、どっちが勝つと思う?」

「やっぱりアリスさんじゃない? ドラゴンを倒したり、校舎を一瞬で消し去ったり、すごい魔法を使えるんだし」

「いやいや、チェリルも負けてないよ。なんたって、魔法に関する知識量は折り紙付きなんだから」


 ラウンジにいた女子生徒たちが、私たちのドタバタ騒動を見て、好き勝手なことを言いはじめる。



 ああ……もう。

 事態がどんどん、大きくなっていくんですけど!

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