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高専の常識は世間の非常識  作者: シャバゲナイト老婆
メインエピソード
34/37

エピローグ


 よく「高専の常識は世間の非常識」という言葉を聞く。

 僕はこの言葉をあまり実感していないのだが、それは僕が今なお変化し続けている高専生だからで、実感するのは僕の周りにいる一般人だろう。そのため、高専生は自分が世間とずれていることに気付かずに変化していってしまう。 それは5年間を高専で過ごして、大学生なり社会人なりになった時、その事実に初めて気づくのではないのだろうか。

 それともこんなものは、どこかの誰かが考えた、ただのでまかせで、本当は高専の常識と世間の常識は別に大差ないのかもしれない。僕個人としてはそれの方が何倍も良い。だが、間違いなく1つ言えることとしては、この部活は、世間の常識からはずれている部活だということである。


「能登先輩、かえりますよ」

 叡智が部室の前で僕に話しかける。

 この季節になると、5時にもなれば外はだいぶ暗くて、今よりもさらに寒くなると、雪によって一面真っ白になり、雪の白のお蔭で夜になってもあまり暗くならないので、北海道ではこの時期が1年で一番暗い時期かもしれない。

 気温も下がってきて、もう少しで雪が降るのではないかと思ってしまう気温だ。

 僕は叡智と下野が先に行ってしまったのを確認してから、まだ部室にいた先輩に聞いた。


「先輩」

「どうした」

 先輩は片付けをしたまま僕の問いかけに答える。


「先輩が留年したのも、本当は叡智を守るために留年したんですよね」


「……ただの欠席日数超過だよ」


 開け放たれたドアからは、秋の終わりを告げる冷たい風が入って来た。きっと、もう数週間もすれば、外は一面雪景色になるのだろう。そうすると、今度はこの部室に石油ストーブでも設置されるのだろうか。それとも、コタツが設置されるのだろうか。それともどっちも導入されるのだろうか。

 それはその時の叡智の気分によって決まる。


 僕と先輩は部室を出た。


 部室には優しさだけが残った。



また来月の今頃になんか新しいの書くかもしれません。

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