血清の鬼人3
話は最初へと戻る。洞窟内をさらに散策して一匹のゴブリンを見つけた。
ゴブリンの死角から石で撲殺し、その血を吸った。
[スキル【言語通訳(緑鬼)】【成長促進】【大器晩成型】を獲得した]
[レベルアップによりスキル【血肉搾取】を獲得した]
[【血肉搾取】は外界スキル【スキル強奪】に統合されました]
【成長促進】は成長が早くなる。
【大器晩成型】は種として弱いゴブリンへの慰めだと思う。
どちらも俺にとってなかなか良いのスキルだ。
【血肉搾取】は食ったものの能力を受け継ぐことができるらしい。今までは血を吸わないとダメだったがーーーというか種族的に血を吸った方が美味しいから試したことなかったーーーさらに使い勝手が良くなった。
さらに探索を進めて獲物を見つけた。またゴブリンだったが先端に黄色い石を付けた杖を持っていて、少し知性がありそうだ。
さっき殺したやつを普通のゴブリンとすれば、こいつはゴブリン・メイジだな。
【言語通訳】を使えば意思疎通ぐらいはできそうだが、話が破談し戦闘になった時を考えると不意打ちで倒したほうがリスクは少ないから。
・・・というのは方便で相手が意外にいい奴だったら殺して血を吸うのは気がひけるからだ。
じゃあ、殺さなきゃいいという手もあるんだが、魔法が使ってみたい。だから俺のエサとなれ!さらばゴブリン・メイジ、アーメン!
[スキル【魔法使いの才能】【魔力制御】【魔法耐性】を獲得した]
[【魔法使いの才能】と【火の加護】よりスキル【火魔法使い】が派生した]
なかなか強かったが(ウソです。石で撲殺の一撃でした)、レベルアップのおかげか、スキルのおかげか、俺自身も強化されている気がする。
身体が、動きが、感覚が、全ての身体能力が向上しており違和感なく動き慣れた感覚がある。
今日はこのくらいにして寝るとする。
血を吸ったゴブリン、ゴブリン・メイジの死体は内臓を取り出し保存食として貯めておく。さっきちょっと食ったが、まあ不味くはなかったから獲物が捕れなかった時の為の非常食だ。