血清の鬼人17
太陽がもう少しで地平線に消えていく頃、ダンジョンから地上に戻った俺たちは、獲得した傀儡龍と傀儡人形はギルドで買い取って貰った。
ゴロツキAのランクでは受けられないクエストだったのでクエストクリアとはならなかったが、素材として売ることで多少額は減ったがそれでも十分な報酬を貰えたので良しとする。
金も入ったので宿を取って夕食にするつもりだったが、問題が発生した。
今夜泊まれる宿がないのだ。
何軒かの宿屋を回ったが、運の悪い事に全て満室だったのだ。
ゴロツキAにはギルド系列の宿屋も空きを調べてもらったが、あいにくすべて満室だった。
最悪だ。野宿になるかもしれない。
今まで普通に野宿していたので野宿自体に抵抗はないのだが、街にいるんだからせめて屋根のあるところでゆっくりと休みたい。
どこかいい所は無いものか。
ゴロツキAは野宿でもいいから一人部屋でも・・・あっ。
あった。
誰にも迷惑をかけず、むしろ喜ばれる場所が。
それはゴロツキAの本業。
そうだ、盗賊狩りに行こう。
盗賊団のアジトを奪いとってそこに寝ればいいや。
食い散らかしても構わないから、むしろ宿屋に泊まるよりも気楽。
ついでに盗賊が貯めた財産とかもいただいて一石二鳥。
ダンジョンで貰った操糸鉤爪の実用性も試せるので一石三鳥かも。
倒した盗賊を食って、いいスキルが手に入れば一石4鳥etc・・・
我ながらグッドな考えだと思う。
思い立ったが吉というので、さっそく俺はゴロツキAを連れて盗賊がいそうな裏道通りに入っていくのだった。