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第6話 寝る前に少しだけDTOにログインしよう

 家に帰った後、冬馬は秋葉の部屋に行き、機械オンチの秋葉に代わってダイバージェンスギアのセットアップとDTOのインストールとアカウント登録をした。


「お兄ちゃん、ありがとー。これであとはログインするだけなんだよね?」

「ゲーム内で簡単なキャリブレーションがあるから、それが終わったらキャラクタークリエイトだな」

「なるほど」


 秋葉はダイバージェンスギアを被り、ベッドに横になった。


「それじゃあ行ってくるね」


 そう言って、秋葉はDTOのクライアントを起動させて仮想世界にダイブした。


「秋葉?」

「…………」


 ダイバージェンスギアを被り、目をつぶった状態の秋葉に声をかけるが返事はない。

 試しに秋葉の頬をつついてみるが無反応だ。

 ログイン中の身体は無防備で、外部から接触を受けるとセーフティー機能が働くようになっているのだがあまりに感度が良すぎても強制ログアウトしてしまうのでつついても反応がないくらいが丁度良いとされている。

 どうやらダイバージェンスギアとDTOは無事に起動したようだ。


「さてと――」


 時間は午後10時。自分も寝る前に少しだけDTOにログインするか……

 冬馬は自分の部屋に戻りDTOのクライアントを起動させた。


 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 ログインしたアックスの目に最初に映ったのはログアウトした場所――宿屋の天井であった。

 ベッドから身を起こして立ち上がったアックスは自分の装備がボロボロになっていることに気づいた。

 ログアウト前は疲れ果てていて気に留める余裕がなかったが、インスタンスダンジョンのボスと12時間も戦闘をしていたのだ。よくあの長時間の戦闘を持ちこたえたものだ。

 ちなみにアックスが冒険者広場で羽織っていたマントはダンジョン攻略の途中で耐久度がゼロになり消滅してしまっていた。


「ステータスオープン、防具耐久度チェック」


 アックスが音声入力すると空中にステータスウィンドウが浮かび、視界にシステムメッセージが表示される。


『タウラスホーンヘルム 耐久度2%』

『タウラスレザーキュイラス 耐久度1%』

『タウラスアームガード 耐久度1%』

『金牛宮のベルト 耐久度4%』

『タウラストラウザー 耐久度2%』

『タウラスブーツ 耐久度3%』


 続いてアックスは武器耐久度の確認を行った。


『ロックヴァイパーアクス 耐久度5%』

『フリージングラブリュス 耐久度4%』

『ブレイズバトルアクス 耐久度8%』

『テンペストバルディッシュ 耐久度3%』

『トールハンマーアクス 耐久度6%』

『断罪者の斧 耐久度7%』

『ミノタウロスホーンアクス 耐久度9%』


 インスタンスダンジョンのボス部屋にたどり着くまでに使いつぶした斧の数が3本、ボス戦で使いつぶした斧の数が4本の合計7本――


「あっぶなっ! 耐久度1%ってなんだよっ!」


 武器も防具も耐久度が一桁の消滅寸前であり、危うく高級素材を使って製作した防具をロストするところであった。

 これは早急に修理する必要があると思ったアックスであったがこの世界で装備を修理する方法は三つ。

 レアアイテム「妖精の粉」で耐久度70%まで修理。

 NPC修理屋に修理を依頼して耐久度99%まで修理。

 プレイヤーに修理を依頼して耐久度100%まで修理。

 このどれかなのだが……

 妖精の粉はダンジョンで使い切ってしまっていた。

 残るはNPCかプレイヤーに修理を依頼するしかないのだが……もちろん修理は無料ではない。

 アックスは自分の所持金を確認した。


「511シュテル……」


 それがアックスの全財産であった。

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