9.ぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ |ω・`)ノ ヤァ
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
今日は五十鈴さんに連れられ悪役令嬢さんと一緒に荒杵さんの所へ向かっています。
モリノ森の奥、さらに奥に進みます。
蜘蛛の巣だらけです。
「本当にこんなところに衣類を用意できる方が居るんですの?」
悪役令嬢さんは不安に辺りを見回しながら付いて行きます。
まぁ、ここまでくれば誰が居るのか私には分かりましたが。
「大丈夫だべ。彼女にかかれば最高級の衣類が貰えるだ」
「ふーん」
「さぁ、着いただ。ここに荒杵がいるだ。
おーい、荒杵ー! 居るかー!?」
五十鈴さんは大きな樹木に向かって声を上げます。
そうすると大きな樹木の洞から1匹の蜘蛛・・・もとい、アラクネが現れました。
「んー? あれー? 誰かと思ったら五十鈴じゃん。めっずらしー。どうしたのこんなところまで」
やっぱり、蜘蛛のモンスター、アラクネでした。
名称:荒杵
種族:はぐれアラクネ
性別:♀
はぐれアラクネ・・・倒すと経験値が大量に貰えるのでしょうか?
「あれー? 人間とぱふぱふがいる」
荒杵さんは私たちに気が付きました。
「ああ、このぱふぱふの頼みで今日はこの嬢ちゃんに衣類を作ってもらいたくて来たんだ」
「ああ、今森の噂のぱふぱふね。そうね、ぱふぱふの頼みだったらいいわよ。
人間、良かったわね。あたしは滅多に人間に衣類を作らないんだよ」
「あ・ありがとうございます」
悪役令嬢さんは荒杵さんに睨まれながらお礼を言います。
「ぱふぱふ!」
荒杵さん! 悪役令嬢さんは私の家族です! そんな目を向けちゃ起こりますよ!?
「ああ、そんなに怒らないでよ。散々人間に言いように使われたからちょっとした意趣返しだよ」
むー、アラクネの作る衣類は最高級品になりうるからそれは狙われるのは分かりますが・・・
「まぁまぁ。落ち着けぱふぱふ。荒杵は人付き合いが苦手なんだ。勘弁してくれるといいだ」
・・・ぼっちなのですか。ぼっちなのですね!
すみません。私言い過ぎました・・・
「ぱふぱふ・・・」
「何か失礼な事言われているような気がする・・・
まぁ良いわ。人間、何か欲しい物を言いな。あんたの望む服を作ってやるから」
「あ、はい。僭越ながらまずは下着を数着・・・」
悪役令嬢さんは荒杵さんに色々注文をします。
荒杵さんは悪役令嬢さんに注文された衣類を次々編み上げていきます。
その間、私と五十鈴さんは暇を持て余してボケーと待ってることになりました。
「暇だべな、ぱふぱふ。
人間の女の買い物は時間がかかると言うだが、こんな感じなんだべかな?」
「ぱふぱふ・・・」
はい、そうですね。男の人って待っている間こんな感じでいるのですね。
何時間もかけて衣類を作ってもらった悪役令嬢さんは大変満足した顔をしてました。
ぱふぱふ。
ぱふぱふ(´・ω・`)ボケー