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ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅢ(悪役令嬢編)
7/43

7.ぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ

ぱふぱふ ヾ(o゜ω゜o)ノ゛

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。




 今日は新しく出来た家族を紹介します。


 悪役令嬢さんです。


 いえ、本名はアーマリン=クヤック公爵令嬢さんですが、訳ありで国を追い出されてしまったのです。


 森の中を彷徨っていたところを保護して家(洞窟)に連れてきました。


「いえ、ね。そりゃあ私もユーリ男爵令嬢に意地悪はしましたよ?

 でも人様の婚約者に色目を使って、あまつさえ婚約解消まで誑し込むなんてどう思います?」


 悪役令嬢さんは今だ気持ちが修まらないのかプリプリ怒ってます。


「しかも他愛もない悪戯程度で国外追放だなんてあんまりだと思いません?」


 この悪役令嬢さん。前世のWeb小説とかでよくあった乙女ゲームの悪役令嬢さんみたいなんです。


 婚約者であった王子様が、市井生まれの男爵令嬢さんに奪われて婚約解消、あまつさえ男爵令嬢さんに意地悪したと言う事で国外追放となったみたいです。


 これが乙女ゲームだとああ、ヒロインさんお幸せに、悪役令嬢さん、ざまぁとなるところですが、実際現実だと悪役令嬢さんの仕打ちが酷過ぎますね。


 と言うか、婚約者がいるのにコロッと他の女性に恋に落ちる王子様もどうかしてます。


 悪役令嬢さんの国は将来大丈夫なのでしょうか?


「聞いてます? ぱふぱふちゃん」


「ぱふぱふ」


 あ、はい、聞いてますよ。


 酷い王子様や男爵令嬢さんがいたものですね。


「ふふふ、ありがとう。ぱふぱふちゃん」


 そうだ! 気分が落ち込んでいる時は美味しいものを食べるといいですよ!


 私は落ち込んでいる悪役令嬢さんに元気になってもらうべく、外へと駆け出します。


 突然の私の行動に驚いた悪役令嬢さんは慌てて追いかけてきます。


「ぱーーーーふーーーーぱーーーーふーーーー!!」


 私は家の外で思いっきり声を上げます。


 そうして暫くすると大きな影が差しました。


 バサッバサッバサッ! ズン!


 ドラゴンさんです。


「ひぃ!? エンシエントドラゴン!? 何でこんなところに・・・!」


 悪役令嬢さんはドラゴンさんの出現に驚いています。


「ぱふぱふ」


 ああ、大丈夫ですよ。このドラゴンさんは優しいドラゴンさんです。


「グルゥ・・・」


 ドラゴンさんは口に咥えていたメロンを私たちの前に差し出します。


 そして長い爪でメロンを真っ二つ。


 私はその半分を悪役令嬢さんの前に持っていきます。


「ぱふぱふ!」


 さぁ! 食べてください! 美味しいですよ。


 私ももう半分のメロンを食べます。


「ぱふぱふぱふぱふ」


 相変わらずドラゴンメロンは美味しいです。


 私の食べている姿を見て悪役令嬢さんも恐る恐るメロンを食べます。


 シャク


「おいしい・・・」


 悪役令嬢さんは必死になってメロンを食べます。


「う・・・ひっぅ、おいしい・・・ううう・・・おいしいです・・・」


 今まで我慢していたのか、悪役令嬢さんは泣きながらメロンを食べてます。


 私はそんな悪役令嬢さんの姿を見て見ぬ王子様に怒りを覚えました。


 おのれ、王子、許すまじ!


 そんな怒っている私にドラゴンさんが恒例となった舐めまわしが。


 ベロン!


「ぱふ!」


 ぴぎゃ!


 そんな私の姿を見て悪役令嬢さんはポカンとした後、笑い出しました。


「ふふ、うふふふふふ、あはははははは」


 悪役令嬢さんも元気になってよかったです。




 ぱふぱふ。






ぱふぱふ ヽ( ゜ω゜ )ノ

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