4.ぱふぱふぱふぱふ
ぱふぱふ(´・ω・`)
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
念願の住処を手に入れました。
誰も住んでいない洞窟です。わーい。
入り口は人の背の高さほど。奥には何と小さな湖まであります。
湖を見つけた事で飲み水や体を洗う水が確保できました。
これ結構重要です。
これで衣食住の住が解決しました。
人間生きていくには衣食住が大事です。
・・・
すいません。私にとっては食住ですね。
ぱふぱふなので衣は要りませんでした・・
さて、住が解決したとなると今度は食が必要です。
・・・そう言えばぱふぱふは何を食べるのでしょう?
今まで食べた物はドラゴンメロン、はちみつ、クッキー。
後は森の中の木の実や山菜です。
ぱふぱふは雑食でしょうか?
取り敢えず前世に従って人間と同じものを食べても大丈夫だと思いたいです。
私は食べ物を探すため家(洞窟)の周囲を探索します。
ぱふぱふぱふぱふ。
ぱふぱふぱふぱふ。
ぱふぱふ鳴る足音で探索します。
暫く進むと森が拓けました。
何とそこで見つけたのがキャベツ畑でした。
辺り一面、綺麗な緑色のキャベツが整然と並んでいたのです。
鑑定してみますと、
品種:エメラルドキャベツ
詳細:宝石のように美しく深い味わいのあるキャベツ
とても高そうなキャベツでした。
「おや? ぱふぱふでねぇか。こんたらどっさ珍しいだな」
声のする方を振り向けば、そこに居たのはゴブリンさんでした。
「ぱふぱふ!」
キャベツ畑凄いですね!
「おお、このキャベツ畑が珍しいだか? これはオラが丹精込めて作ったキャベツだだ。
メチャクチャ美味いべ」
何と! このキャベツ畑を作ったのはゴブリンさんでした。
名称:五十鈴
種族:ファーマーゴブリン
性別:♂
ゴブリンさんを鑑定してみると名前は五十鈴さんでした。
女の人の名前みたいですがれっきとした男の人です。
「ぱふぱふ!」
キャベツ美味しいのですか?
「食べてみるだか? ほら、食ってみるべ」
そう言って五十鈴さんはキャベツ一玉私の前に差し出しました。
「ぱふぱふ!」
ありがとうございます。
早速キャベツを頂きました。
う――――――――ま―――――――い―――――――!!
キャベツなのに甘くてそれが野菜の匂いと上手くマッチしてシャクシャクして美味しいです。
「ははは、美味いべ? オラが作るキャベツは世界一だべ」
「ぱふぱふ!」
はい! 五十鈴さんの作るキャベツは世界一です!
「そうだ、お土産に一玉やるだ」
五十鈴さんは更に一玉私の前に差し出します。
「・・・」
「・・・」
そこでお互いが止まってしまいました。
差し出した五十鈴さんはキャベツをどこに置こうか手が止まってしまい、私は何処で受け取ろうかと止まってしまいました。
背中に乗せるにはキャベツと同じ大きさの毛玉体型なゆえ、転がってしまいます。
前足で持とうともキャベツが大きすぎる上、二足歩行で歩くことが出来ません。
「しょうがねぇだ。ちょっと待ってるべ」
五十鈴さんはそう言って何やら木材やら鉄の輪やら持ってきました。
トンテンカン
「ほら、これでいいべ」
出来上がったのはキャベツが収まるくらいの木の箱に、車輪と取っ手が付いたリヤカーでした。
凄いです! これなら私でも口で取っ手を咥えて運ぶことが出来ます。
「ぱふぱふ!」
五十鈴さんありがとうございます!
「また食べたくなったら来たらいいべ」
五十鈴さんゴブリンなのに男前でカッコいいです!
惚れてしまいそうです。
ぱふぱふ。
ぱふぱふ ∑ъ(`・ω・´)グッ