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ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅦ(迷宮編)
25/43

25.ぱふⅩⅩぱふぱふぱふぱふぱふ

ぱふぱふ |ω・`)ジーッ

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。




 私たちは五十鈴さんが求める伝説のゴボウを求めて只今迷宮を絶賛攻略中です。


 そして来たのが目の前にある封印の扉。


 勇者さんやキャロさんが押しても引いても叩いても開けることも壊すことも出来ない扉です。


「じゃ、ぱふぱふ頼むだ」


 そう五十鈴さんにお願いされたのですが・・・


 そもそもどうやって封印を解いたらいいのでしょうか?


 取り敢えず私はぽちぽちにお願いして扉の前まで進んでもらいます。


 扉を前脚でぱふぱふと叩きます。


 ガチャ


 すると何の抵抗も無く扉が開きました。


「おお、流石はぱふぱふだべ」


 いえ、私は何もしてませんが。


「ぱふぱふは何かの封印の鍵なのか・・・?」


 勇者さんはしきりに不思議がっていましたが、荒杵さん達が平然としていたのでこれがぱふぱふの標準能力なのでしょうか?


「さ、奥へ進むべ」


 再び奥へ進んだのですが、封印の扉と言うだけあって出てくる魔物の強さが上がりました。


 一言で言えばドラゴンさんが出てきました。


 メロンをくれるドラゴンさんじゃなく、普通のドラゴンさんです。



 名称:ドランコ

 種族:ドラゴン太



 ・・・訂正。普通のドラゴンさんではありませんでした。


 まず、ドラゴンじゃありません。


「ウゴウゴ!」


 次に鼻が赤いです。


 そしてなぜか黄色い麦わら帽子を被っているドラゴンさんです。


 何か工作のお手伝いをするのでしょうか。


 そんなことできるのでしょうか。


 そんな私の疑問を余所に、戦いは過熱していきます。


 キャロさんが単身ドラゴンさんに突っ込んでいき、それを勇者さんと荒杵さんが援護しています。


 そして五十鈴さんは武器として持ってきた鍬を振り回してドラゴンさんの攻撃の余波を防いでいます。


 ぽちぽちも動き回ってドランさんの攻撃の余波を躱し続けています。


 私はぽちぽちから振り落とされないように必死でしがみ付いています。


 激闘の末、ドラゴンさんは倒されました。


「ウゴウゴ・・・」


 最後までウゴウゴしか言いませんでした。


 そんなこんなで何とか目的地の地下5階にある伝説のゴボウの前まで来ました。


 そこには花壇のように豪華な柵に囲われて土壌豊かな土に刺さっているゴボウがありました。


 五十鈴さんはまるで宝物を見つけたかのように伝説のゴボウに駆け寄って引き抜こうとします。


「ふんぬ! ぬん! あれ? 抜けないだ?」


 必死になって伝説のゴボウを引き抜こうとする五十鈴さん。


 云とも寸とも抜けません。


「ちょっと五十鈴、何遊んでいるのよ。あたしさっさと帰りたいんですけどぉー」


「ぐぬぅ! あ、遊んでいる訳じゃねぇだ! どんなに引っ張っても抜けねぇだよ!?」


 それに触発されたのがキャロさん。


 五十鈴さんに変わって伝説のゴボウを抜こうとします。


「ちぇりゃぁぁぁぁ! どうぅりゃぁぁぁぁぁぁ!」


 それでも抜けませんでした。


「なぁ、別に抜かなくても周りの土を掘ればいいんじゃないのか?」


 勇者さんの一言で五十鈴さんはハッとします。


 そうですよね。別に抜く必要はないんですから。


 五十鈴さんは武器代わりに持ってきた鍬で掘ろうとしますが・・・


 ガキンッ!


 何故か伝説のゴボウの周りだけが掘れませんでした。


 流石にこれはおかしいなと思い、鑑定をしてみると。



 品種:エクス・ゴボリバー

 詳細:伝説のゴボウ。食すことが出来れば無類なき力を得る事の出来るゴボウ。選ばれしものにしか抜けぬ。



「・・・ぱふぱふ」


「え? 勇者に抜かせてみろって?」


 五十鈴さんに通訳してもらい、勇者さんに抜いてもらいます。


「あ、あれ? 簡単に抜けたけど・・・」


 そう、勇者さんが伝説のゴボウを手にするとあっさりと抜くことが出来ました。


 まるでアーサー王のエクスカリバーのように。


「で、伝説のゴボウ! オラにも触らせて欲しいだ!」


 そう言って五十鈴さんが伝説のゴボウを持とうとしますが、余りの重さに取り落としてしまいます。


 勇者さんは軽々持ち上げますが。


「ど、どうなっているだ!?」


 五十鈴さんは動揺しています。


 これを告げるのは酷ですが、私は真実を伝えました。


「は? この伝説のゴボウは食材じゃなく武器?」


 それを聞いた五十鈴さんは崩れ落ちました。


 まぁ、食べられない事は無いみたいですが、食べるのに途轍もない労力が必要なようです。


 何せ調理しようにも包丁は通らない、火も通らない、蒸してもいい匂いがするだけ。


 とてもじゃないですが、この伝説のゴボウは食べることが出来ません。


 意気消沈した五十鈴さんをぽちぽちに乗せ、私たちは地上へと戻りました。


 因みに、伝説のゴボウ――エクス・ゴボリバーは勇者さんの手によって武器として大活躍し他のは言うまでもありません。




 ぱふぱふ。










ぱふぱふ(´・ω・`)ショボーン

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