21.ぱふⅩⅩぱふ
ぱふぱふヾ(*´ω`*)ノキャッキャ
吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。
今日の食事は久々に海鮮尽くしです。
それと言うのも久々に行商人さんが訪れたからです。
勇者さんに呼び出されて五十鈴ファームに来てみればケンタさんが居ました。
ケンタさんは名前は男の人っぽいけど立派な女のケンタウルスさんです。
名称:ケンタ
種族:ケンタ売ルッス
性別:♀
ケンタさんはケンタウルスの体を生かして自ら荷馬車を引いて各地を行商しているお姉さんです。
それにしても、ケンタウルスってウルスさんやケンタさんみたいに色んな種族に分れているのでしょうか。
「お、ぱふぱふー! 元気してたか? 今日はお前さんの希望で海の幸を届けに来たぞ!」
「ぱふぱふ!」
ありがとうございます!
そう言ってケンタさんは色とりどりの海の幸を並べてくれます。
品種:サバサバ
詳細:食べると細かい事を気にしなくなる鯖
品種:サンサンマ
詳細:とにかく明るいサンマ。気持ちが明るくなる。因みに出っ歯
品種:トロマグロ
詳細:文字通り蕩ける様な身が取れるマグロ
品種:イカン
詳細:食べたらいかん! 余りの美味さに漁が制限されるほど。
品種:アッサリ
詳細:あっさりとしたしつこくない味。
品種:シンジミ
詳細:逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ。食べると逃げなくなるシジミ
「おお! イカンがあるだか!?」
五十鈴さんがイカンを見て喜んでいます。
以前一度食べたことがありますが、前世のイカとは比べ物にならない程美味しかったです。
五十鈴さんと武田さん曰く、特にお酒を飲みながらの一杯は堪らないそうです。
これを仕入れて来るとはケンタさんは中々の腕前ですね。
私たちはケンタさんと物々交換をしていきます。
え? 私には交換する物がないだろうって?
大丈夫です。私の場合はぱふぱふの毛と交換になります。
ケンタさんによるとぱふぱふの毛一本でも十分交換する価値があるようです。
こんな毛の何処に価値があるんでしょうかね。
因みに私の体は不思議な体で、幾ら毛を取ろうと抜こうと刈ろうと決して途切れる事はありません。
ふわふわもこもこの毛の中に手を入れてもずぶずぶ入って行くだけでそこがありません。
最初は手を突っ込まれて飲み込まれていく様を見ては自分でも驚いていました。
今はもうそんなもんだと慣れてしまいましたけど。
多分そのような体の毛だから価値があるんでしょうね。
「ぱふぱふ・・・」
「どうした? なんか不満そうだな?」
私の溜息をケンタさんは耳聡く聞きつけます。
いえ、最近食が充実した所為か、ある物がどうしても食べたくなってきたんですよ。
「ぱふぱふ」
ケンタさん、ある物を取り寄せることが出来ませんか?
「んーー? 聞いた事があるような無いような・・・」
五十鈴さんの通訳の元、ケンタさんに欲しい物を伝えました。
でもどうやらそれは不可能なようです。
「ぱふぱふ・・・」
やっぱりケンタさんでも駄目ですか・・・
それを聞いたケンタさんは激怒します。
「オレに手に入れられないものはない! 待っていろぱふぱふ! 絶対手に入れてやるからな!」
そう言ってケンタさんはバックに炎を滾らせ荷馬車を引っ張っていきます。
私が頼んだ食べ物、それは日本人のソウルフード――お米です!!!!
ぱふぱふ!!!!
ぱふぱふ ∑ъ(`・ω・´)グッ