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ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅤ(勇者編)
19/43

19.ぱふⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ

ぱふぱふ(`・ω・´)シャキーン

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。




「おーい、ぱふぱふ居るかー?」


 家(洞窟)の入り口の方から声が聞こえたので行ってみますと、そこには勇者さんが居ました。


「ぱふぱふ?」


 どうしたのですか?


「おう、いつもの野菜の届け物だよ」


「ぱふぱふ!」


 ありがとうございます!


 わぁ! どれも美味しそうです。


 キャベツ、ニンジン、キュウリ、ゴボウ、ピーマン、イモ、シイタケ、マツタケ・・・こうしてみると五十鈴さんの畑も種類が豊富になってきました。


「あと、これ。武田さんのところからと美濃さんのところから」


 豚さんのお肉と牛さんのミルクです。


 武田さんはプリントンの他にもホークポークやイベリ・コトンと言った品種の豚さんも育てています。


 前に鑑定で見た時はこのようになってました。



 品種:ホークポーク

 詳細:鷹のように翼を持った豚。空に昇るような美味さ



 品種:イベリ・コトン

 詳細:果実のような甘みがある豚。特にドングリの味がする



 美濃さんでもジューシージャージーと言う品種を増やし、酪農だけじゃなく肥育牛もやるようになりました。


 品種:ジューシージャージー

 詳細:絞り出されるミルクはジューシーな味わい



 尤も肥育牛はお肉用の牛ではなく、お乳の出なくなった乳牛を肥育しているのでお肉の味は普通です。


 まぁ、前世の記憶にある牛肉よりは美味しいですけど。


「ここの食べ物ってどれもこれも美味いんだよなぁ」


 勇者さんは持ってきた野菜やお肉・ミルクの入った箱を家(洞窟)の中に運んではそれを見て涎を垂らしながら呟いていました。


「ぱふぱふ!」


 そうです! どれもこれも美味しいものばかりです!


「何か俺、実は魔王を倒すのじゃなく、ここの食べ物を食べる為に異世界召喚されたような気がする!」


「ぱふぱふ!?」


 そこまで!?


「いぁや~、ぱふぱふには感謝だな。五十鈴さんのところを紹介してもらって。

 日本に居た頃は惰性で生きていたけど、ここにきて今一番充実しているよ」


「ぱふぱふ・・・」


 でも本当は日本に帰りたいんじゃないのですか・・・?


「ん、どうした、そんな悲しそうな顔をして。

 ま、帰りたくないかと聞かれれば帰りたいよ。でも俺はこれで良かったんだと思う」


 勇者さんの目はどこか遠くを見つめている。


 多分、日本に居た頃のことを思い出しているのでしょう。


「俺さ、実は虐められていたんだ。それで誰も助けてくれない周囲の人間を恨んでさ。

 だから勇者として召喚された時は俺凄く嬉しかったんだ。遂に俺が主人公になる時が来たんだって。

 でも現実は甘くは無かった。実は王様は俺を騙して利用しようとしてた。

 それを知った俺はまた人間を恨んだよ。何で俺ばっかりって」


 ・・・思ったよりもヘビーな話でした。


 それは勇者召喚された時は言い知れない喜びだったのでしょう。


 力なく虐められていたのが、勇者召喚で力を得たのですから。


「けどさ、ぱふぱふが紹介してくれた五十鈴さんは魔物なのに俺に優しくしてくれたんだ。

 あ、仕事は厳しいけどね。

 五十鈴さんだけじゃない。ウルスさんや又子さん、武田さんや美濃さん達も俺に優しくしてくれた。

 人間より魔物が優しくしてくれるって何か笑っちゃうけどね。けどそれで俺の心に溜まっていた鬱憤はどっかに消えちゃってさ。

 なんか五十鈴さん達の善意に触れていると人間の悪意なんか馬鹿らしくなってね」


 そう言った勇者さんの顔は晴れ晴れとしていました。


「あ、いけね! あんまり遅くなると五十鈴さんに怒られる!」


 そう言えばそれなりに時間は経ってますね。


「じゃあ、ぱふぱふまたな!」


 私の思い付きで武田さんに勇者さんを紹介しましたけど、思ったよりもいい方向に転がっていったみたいです。


「ぱふぱふ!」


 またね!




 ぱふぱふ!








ぱふぱふ(´・ω・`)ノシ

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