表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅤ(勇者編)
17/43

17.ぱふⅩぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふ

ぱふぱふ ∑(・ω・|||)

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。




 今日は久々に悪役令嬢さんが遊びに来ています。


「それでね、ユーリ男爵令嬢様ったらまた花嫁(王妃)修業をさぼって市井に繰り出しているのよ? そりゃあ私も彼女を立派な王妃にする為厳しく当たりましたわ。ええ、決して国外追放された仕返しではありませんわ。なのにユーリ男爵令嬢様ったら私の事を鬼だの悪魔だのって・・・大体王子様も王子様ですわ。私一度ならず二度も三度も何度もユーリ男爵令嬢様に生活を改めるよう強く仰って下さいって注意していますのよ? それなのに王子様ったらあまりユーリ男爵令嬢を虐めないでくれって言う始末ですわよ!? 王子様がそんなんだからユーリ男爵令嬢が調子に乗って・・・! 貴方は将来国を背負って立つ人物なのにそんな弱腰でどうするんですか!!」


 どうやらかなりご立腹のようです。


 王国に戻った悪役令嬢さんは転生ヒロインの教育係として立場を得たようですが、流石腹黒転生ヒロイン。悪役令嬢さんの教えもなんのその。


 しかも王子様も惚れた弱みなのか転生ヒロインに強く言えない模様です。


 どうやら悪役令嬢さんを迎えに来た時のことをすっかり忘れているみたいですね。


 これはお仕置きをしなければ・・・!


 取り敢えず今は悪役令嬢さんを宥めなければいけません。


「ぱふぱふ」


 私はそっと悪役令嬢さんの前にお芋を差し出します。


 串に刺して焚火で焼いたほかほかの焼き芋です。


「あら、これは何ですの?」


「ぱふぱふ!」


 焼き芋ですよ!


 私も焚火から1つ焼き芋を持ってきます。


「ぱふぱふ! ぱふぱふ!」


「これはこのまま食べるんですのね」


 私が食べるのを見て悪役令嬢さんも焼き芋を食べました。


 あ、熱いから気を付けてください。


「あら、美味しい。流石ぱふぱふちゃんのお勧めする食べ物は美味しいですわね」


「ぱぷぱふ!」


 そうでしょう! 何せ五十鈴さんが育てたお芋ですから!


 最近の五十鈴さんはユニコーンニンジンが成功したのを機にエメラルドキャベツの他にもいろいろな作物を育ています。


 このお芋もその内の1つです。



 品種:殺魔イモ

 詳細:魔を殺す聖なるイモ。食べると心の中の負の感情が浄化される

 状態:焼き芋



 そう、何もただ何の意味も無く焼き芋を悪役令嬢さんに出したわけではありません。


 このお芋は食べると嫌な気分が無くなり晴れやかな心になるのです。


 あ、そうです。ぽちぽちにも持って行ってあげないと。


 焚火の火を着けるのにぽちぽちから協力してもらったのです。


 流石に最初の頃は家(洞窟)の中で火を着けるのは苦労しました。


 煙が充満して燻製ぱふぱふになるところでした。


 五十鈴さんにお願いして家(洞窟)の中でも火を着けても大丈夫なように囲炉裏のようなものと煙が外に流れるように煙突を作ってもらいました。


 そうして出来た初めてコンロ(囲炉裏)で焼いたのがこの焼き芋です。


 そして丁度そこへ悪役令嬢さんが遊びに来たのです。


 早速ぽちぽちにも焼き芋を持っていこうと刺さっている串の1本を咥えます。


 ですがその前にどうやら家(洞窟)の外が騒がしいようです。


 何やらぽちぽちが吠えているような・・・


 私は慌てて家(洞窟)の外へ走ります。


 気になった悪役令嬢さんも付いてきます。




「くっ! 流石魔王の手下! だが俺は負けない! 勝って世界に平和をもたらすんだ!」


「ガルルルルルッ!」


 外ではぽちぽちと剣を持った男の人が睨みあってました。


『主!? 来てはいけません! 侵入者です!』


 私が来たのに気が付いたぽちぽちがサッと私の前に庇うようにして立ち塞がります。


 どうやら向こうの男の人も私に気が付いたようです。


「出たな、魔王! 世界平和の為お前を倒・・・す?

 ・・・魔王?」


 私のラブリーな姿を見て男の人は首を傾げます。


 どうやら私を魔王と勘違いしているみたいです。


「ぱふぱふ!」


 私は魔王じゃないよ!


 そして今度は隣の悪役令嬢さんを見ます。


「えっと、お前が魔王・・・か?」


「いえ、私は魔王じゃありませんわ。このぱふぱふちゃんも魔王なんかじゃありません」


「えーーーーーっと・・・それじゃあ魔王は何処に・・・?」


「さぁ? ここ数十年魔王が現れた話なんて聞いた事がありませんわよ?」


 悪役令嬢さんの答えに男の人は困ったようにまごまごしていました。


「貴方・・・どこかで見たことがあると思ったら勇者じゃありませんこと?」


 どうやら突然の訪問者は勇者さんのようです。




 ぱふぱふ。








ぱふぱふ ∑(゜ω゜;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ