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ぱふぱふ  作者: 一狼
ぱふぱふⅠ(転生編)
1/43

1.ぱふ

ぱふぱふ(・ω・)

 吾輩はぱふぱふである。名前はまだない。


 え? ぱふぱふは何かって? 私にも分かりません。


 華の女子高生なのに交通事故で死んで、テンプレで異世界に転生して覚えたての鑑定スキルを使って自分を鑑定したら表示されたのが種族:ぱふぱふである。


 訳が分かりません。




 犬? 毛玉? ふわふわもこもこの丸い毛玉に顔文字の(・ω・)を張り付けたような顔に、関節の無い短い4本足が付いただけの生き物。


 何ですか、この可愛い生き物は。


 肉球の付いた右前脚で歩けばぱふぱふ。


 左前脚で歩けばぱふぱふ。


 右後脚でぱふぱふ。左後脚でぱふぱふ。


 走るとぱふぱふぱふぱふ。


 とても可愛らしい足音を出します。




 鳴き声も


「ぱふぱふ!」


 威嚇の声も


「ぱふぱふ!」


 哀しい声も


「ぱふぱふ・・・」


 嬉しい声も


「ぱふぱふ♪」


 全てに於いてぱふぱふ尽くしです。




 取り敢えずこのままでは野晒しなので、雨露を凌げる場所を探すため歩き出します。


 ぱふぱふぱふぱふ。


 ぱふぱふぱふぱふ。


 キュートな足音を出しながら森を歩きます。


 鑑定スキルで森を見てみると、


 名称:モリノ森


 うん、何もわからないことが分かりました。




 しばらく歩くと大きな崖が目の前に現れました。


 この短い脚じゃ上ることも出来ないので迂回しようとすると、崖が動きました。


 ドラゴンさんです。


 崖だと思っていたのはドラゴンさんでした。


 ドラゴンさんはその長い首で上から低いうなり声を上げて私を見下ろします。


 私は精一杯の威嚇をします。


「ぱふぱふ!」


 駄目でした。


 可愛過ぎて威嚇にもなりません。


 ドラゴンさんは私に頭を近づけて


 ベロン!


「ぱふ!」


 ぴぎゃ!


 舐められました。


 私はドラゴンさんにそのまま食べられるのでしょうか。


 そうするとドラゴンさんは頭を持ち上げて何やら上の方でごそごそしています。


 再び頭を下げた時には口に何か食べ物を咥えていました。


 ドラゴンさんは私の目の前にそれを置いたので鑑定スキルで見てみるとメロンでした。


 名称:ドラゴンメロン

 詳細:ドラゴンが育てたメロン。宝石のように美しく甘いメロン。


 ドラゴンさんは長い爪を器用に操り私の前にメロンを転がし真っ二つに割りました。


 どうやら私への食べ物らしいです。


 せっかくなので頂きましょう。


 私の体の2倍もあるメロンを一口。




 う――――――――ま―――――――い―――――――!!




「ぱふぱふぱふぱふ!」


 私は一心不乱にメロンを食べました。


 食べ終わって満足すると、ドラゴンさんが再び


 ベロン!


 また舐められました。


 どうやらドラゴンさんの愛情表現見たいです。


 ドラゴンさんに気に入られたみたいです。




 ぱふぱふ。








ぱふぱふ(`・ω・´)

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