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転生者派遣会社の9時~18時(残業含まず)

転生者派遣会社の9時~18時(残業含まず)

作者: 零一九丸

R15は保険です。

異世界転生物大人気なので、転生者を派遣するジャンルもあっていいかなと思い

軽い感じで続けて行きたい所存。

プロローグ


木製の落ち着いたオフィスになり響く、ちょうど昼食時のため、他のスタッフは休憩室か、近場の飲食店に出てしまっておりオフィスは閑散かんさんとした雰囲気に包まれていた。

だが、呼び出し音に反応し、一人の男がサンドウイッチをコーヒーで胃に流し込み、地球では珍しくなった黒電話の受話器を手にとった。

「はい、こちら転生者派遣のアースフォレ・ホールディングス第三管理部、係長アーカンテでございます」

いつもの様に応対をすると、受話器から漏れ響くような声で相手ががなりたてた。

「おいおい、メランス界最高神クデラ・イス・メランスだけど、先週おたくから派遣してもらった異世界人、あれチートスキル足りないじゃないか」

「ああ、これはメランス様いつもご用命ありがとうございます。データーを確認いたしますので、少々お待ちいただけますか?」

黒電話の保留ボタンを押し、しばし、天井に目をやり依頼内容を思い返した。

メランス界は、地球が存在する宇宙とは二階層ほど物理法則や、能力進化が異なる世界だ。

地球から転生した場合、馴染みのある魔法や、近未来的な兵器が存在する世界と目に映るだろう。

メランス界は前者で、典型的な剣と魔法のファンタジー世界だ。

アーカンテは、木製フレームのLEDモニターを見やり、派遣した転生者の人事データーを呼び出した。

「……また、日本からの転生者ですか、ここ最近需要が多すぎるのは困りものですね。なになに、イケダマコト、二九歳、ニート歴8年、VRPG総プレイ時間約13000時間ですか。

ごく標準的な転生者ですね。特殊スキルはモテチートレベル90、魔法強化レベル32、ラッキースケベレベル152……」

おおよその、履歴、スキルを確認したアーカンテは電話の保留を解除し、再びメランスとの通話を再開した。

「お待たせいたしました、こちらでデーターを確認いたしました所、ご要望のスキルは満たしていると存じますが? どの点がご不満でしょうか?」

「モテチートレベル90ってところだよ」

「レベル90ですと、ご要望のシートにあるレベル80以上を満たしていると思うのですが?」

「いや、特記事項を見落としてるか、伝達ミスじゃないのか? 担当はミケス君だったと思うが、彼女は時たまやらかすだろ?」

ミケスは、入社半年の新入社員であり、現在、アーカンテが実習監督をしている実質的な部下だ。

たしかに、彼女はそそっかしいところがあり、これまで何回かクライアントと小さなトラブルをおこしていた。

直ぐに、メランスからの依頼書ファイルを呼び出し、特記項目を確認した。

「……両性に対してモテチートレベル80以上」

「そうだ、だが送られて来た転生者は、女性に対してはモテチートレベル90だが、男性に対してはモテチートレベルそのものを持っていない」

ケアレスミスといえばそれまでだが、高スキル保持者の派遣ミスはクライアントとの信頼を損なうだけでなく、大きな損害を伴う。

他の、案件を満たすスキルだった場合、無駄に人員を稼働させ、あまつさえ売上は0なのであるから。

数瞬、対応策を幾つか考えたアーカンテは、どちらにしろ上司である課長の決裁が必要と判断した。

「これは、弊社の全面的なミスですので、早急に上司と協議し3時間以内に対応策を提案させて頂ければと存じますが如何でしょうか?」

「ほう、そんなに早く可能か? 昨今はモテチートレベル転生者の需要が高く、人材も不足気味なのだろう?」

「メランス様、転生者派遣のリーディングカンパニーであるアースフォレ・ホールディングスの人材バンクをご信頼ください。ご希望の人材を必ずご紹介いたします」

「アーカンテ君がそこまで言うならば、長い取引相手だ待とうじゃないか。よろしく頼んだぞ」

「必ずやご期待にそいます」

メランスが通話を終えたのを確認し、アーカンテは黒電話の受話器を置いた。

この時点で、ミケスが犯したであろうミスのあたりはついていた。

スキルにはそれぞれ、固有のコードが割り振られており、転生者を送り出す際にそのコードに従いフィルタリングされ派遣されるのだか、今回のような特殊スキルには、コードに補足記号が付いており、それの入力忘れだと考えられた。

「さて、課長が定食屋から戻るまでに稟議書、経過報告書をあげちゃいますか」

ラフな黒髪、茫洋とした瞳、どことなく諦観ていかんさえ漂わせる、アースフォレ・ホールディングス第三管理部、係長アーカンテ・ミズノはモニターパネルをタッチしながら呟いた。

彼もまた、100回以上の異世界転生を繰り返した、転生ベテラン、そこを見込まれヘッドハンティングされた『異世界派遣判断士一級』のスキルを持つ人間だった。

短編で登録してしまいました……。

シリーズものとして、更新時再度登録します。

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