kaori
この小説は作者の浅学のため誤字脱字、文法的な不備などがございます。予めご了承ください。
金木犀の香りより強く鮮明に覚えている・・・
雨上がりの臭いとアイツの香水。
雨の中走ってきた君の髪は滴を垂らし足元に小さな水溜りををつくっていた。
チークをさしたような頬に、息を乱し上下する肩。
媚びるような目に苛立ちを覚えたのは初めてだった。
「あなたが一番・・・」
その言葉がこれほどまでに白々しく聞こえるのも初めてだ。
ああ、なんてくだらないのだろう。
一番だというのならそれを証明してみせればいい。
俺がほしいのなら今この場で泣いて縋ってみせればいい。
そんなことすらできないのにアイツと会っていたのは君だろう。
この距離からでも香る君以外の香りに気持ちはどんどん萎えていく。
俺が考え直さなくてもどうせ君はさっきから香るこの香水の元に行くんだろう?
「最後だから言っておくよ。本気で人を愛せない君が愛されるわけないっていい加減気づけよ。」
目を見開く君の頬に、そっと別れの口づけをした。
「kaori」は香りと香織を捩ったタイトルです。
乱筆、失礼いたしました。