~目線の先と心の闇~
麗菜と勇は別々に行動し始めた。
それは、麗菜にとっては真実に近づく事、優にとっては計画を大幅に進めることと同じ意味合いを指しているが・・・・・・・・。
果たして、そんなに上手く計画はうまく進み真実に辿り着くのか?
――――――――【シルバーブラッドの地下アジト】―――――――――
勇と蓮はその中の『情報機密室』通称データ室にいるサラに会いに来ていた。
「サラ・・・・・・・・ホントにこんなところにいるの?」
と不安そうにいつも読んでいる本を大切にそして恐々と強く片手で握り自分に襲ってくる不安を抑えていた。
「いるなー。サラは基本的に静かなとこでないと集中できないらしいからなっ!」
といい入口より厳重そうな銀の扉の前に立つと両手を掌認証するらしく認証のボードに勇が置いた瞬間に上から檻が落ちてきそのまま部屋の中に引き込まれていった・・・・・・・・・。
すると、その掌認証の内マイクから、女の人の声と勇の声が聞こえた!
「蓮ここ来るの初めてだよね?認証するからそこに両手置いといてーこのバカみたいに檻は落ちてこないから!!安心して!!って無理・・・・・・・・・・かな?」
と不安そうに女の人が言うと、蓮が無言で本を胸にしまい両手を認証システムの方へ突き出した。
(会員No.7 桒村蓮【MN】『リトル』認証いたしました。)
と言う声が銀色の廊下に響き渡りそして檻が落ちてくることなくサラの【情報機密室】の扉が開いた。
「いらっしゃい。右にいてる怪物は気にしないで…。それで……蓮はどうして見学しにきたの?」
すると、蓮はサラに、
「どうしてサラはここにずっと閉じこもっているんだ?」
すると、サラは何かボタンを押すと檻の中にいる勇に向かって上から鍵が吊るされた。
「こういう悪い奴が来ないかを監視するためだよ。」
と言う言葉にお構いなしに勇は鍵を取るのに必死になっていた・・・・・。
すると、蓮がサラに、
「ふーん。そう……いや……何か別の理由がありそうな気がしたから。」
と蓮が言うと、サラの肩が見えないほどだが少し揺れたがそれを蓮は見逃さなかった。
サラは、話をとっさにすり替え勇を檻からだし、IDの話をし始めさっさと帰らそうとし始めると、勇はサラにIDを新しく作る話をし終わると、勇は蓮の肩を叩き広間へ帰ろうと呼びかけようとすると、蓮が勇に、
「『RD』俺にはまだやることがあるから先に戻っていてくれないか?」
といきなり蓮が勇のMNで呼び出したが勇は少し気にしたがそのまま広間に戻った。
「早く帰ってこいよー『リトル』久しぶりだなーこの名前で呼ぶの・・・・・・・ふふふっ!!」
勇が帰ると、蓮はサラの方を向くと、サラはそんな勘のいい蓮にびくっと怯えていた。
「何?!・・・・・・・・。」
すると、蓮がサラに、
「あまり聞きませんが・・・・・・・踏み入った質問なんで、MNで呼びますね!『芹』さんその心配事いつからですか?僕意外と勘が働くんですよ……ってバレバレですけどね……。」
というとびっくりしたようにサラが自分の頬を抑えた。
「嘘でしょ?そんなことないよ!!赤くなってないじゃない!!ってなんであんたにこんなこと言ってるのよ私わ!!・・・・・・・・・・・はぁ。しょうがないな・・・・・・・・・話さないといけなくなったじゃない……この心配事はもうずっと昔からだよ、だから…いまさらなんだよ……。」
というと、蓮がサラに聞いた。
「どういうことですか?」
すると、サラが覚悟を決めたように話し始めた・・・・・・・。
「私と勇は幼馴染なの……今回の計画の元は勇がある女を自分のものにするために練られた計画なの。蓮はなんて聞かされていた?」
すると蓮は、
「俺たちの世界に染めるための準備の最終段階の計画と・・・・・・・・・・・。」
すると、サラが、蓮にため息をつき頭を抱えながら、
「そう・・・・・。ホント皆ごめんなさい。巻き込んでしまって……たった一人の男のエゴの為に……でも、私はその女にどうしても皆の人生を賭けるほどのそんなに価値があるとは思えないわ……と思ってしまうのは私が勇の事を想ってるからなんだけど・・・・・・。
哀しいわね、幼馴染は一生幼馴染以外の見方しかできない……みたいね勇には・・・・・・最初から土俵に立つ前に負けているの私は……だから一人で葛藤するしかないだから、勇の顔を見ない様にこの部屋にこもった。
それと、勇がこの計画を立てたのにはもう一つ理由があるの、『兄 楓太』の存在よね……兄は見かけとは裏腹の性悪な人だったわ……勇の首筋・腕・ふくらはぎとわざと見えやすいところに傷を作って学校に行かせたその傷は日ごとに増えていき、勇は親戚の蓮舫時家に逃げ込み保護されたが、その他にも勇はされていたみたいだけれど口には絶対しないわよ・・・・・・・。
私が気付いたのはたまたまその現場を見てしまったからだった。そしてこの計画の始まりは、その兄への復讐からもきてるということ・・・・・・・。
そして、だれも、勇を止められないということ・・・・・・・・・。勇は多分…………。」
言葉に詰まったサラに蓮が、
「どうしたの?続きは?」
すると、サラが蓮に唇をギュッと噛みしめながら、
「言えない……………怖い……。そんなこと考えたら怖いわよ・・・・・・・・。いやよ…最悪の事態なんて・・・・・・・・・考えたくないに決まってるじゃ…………な………………い…っ。」
といいサラがポロポロと泣き出した・・・・・・・・・・・。
すると、蓮がサラに、
「いやーそんな最悪の事態を起こすような人じゃないですよリーダーはリーダーは『最悪の事態を上回ったことをしでかす人』ですよ。だから傍にいて飽きないのかもしれませんし、僕は『RD』となら死んでもいいとか思っちゃってるのかもしれないですねーでも多分みんなそうですよ?」
というと、蓮が大きな【情報機密室】の扉を開けると勇以外の主力メンバーが扉に耳を傾けながら揃っていた。
「いっ・・・・・・・いやー盗み聞きするつもりはなくて・・・・・・・ハハハッ・・・・・・。」
と月実と雅とバンと拳祥がサラと蓮に向かっていった。
するとサラが、思いっきり笑い出した。
「ハハハハハ!!!!!!そうだな。あいつには裏切る仲間はいなさそうだなバカだしな裏切るならあいつだけどその時は私たちがボコボコにしに行けばいい話か・・・・・・・・うん!もう考えるの止めた!!リーダー起す奇跡を見届けてみるよ幼馴染の私が一番信じないでどうするんだ!!よし!勇のID作らないと・・・・・・・。」
と言い作業に入りだしたので邪魔になりそうだったのでそろっと皆は広間に帰って行った・・・・・・・・・。
そんな勇の昔話がされているとは知らずに、肝心の本人は計画遂行の為に麗菜に会いに行こうとしていた・・・・・・・・・。
そんなT都のS街の交差点を勇は歩いていると、
「白銀の大天使がこんなところで何をしてるんだい?」
と耳元でささやかれた勇は振り返ると誰もいなかったが渡り切ったところで対面で手を振る黒髪の短髪の男が陽気に勇に手を振っていた・・・・・・・・・。
全く知らない相手なのに、勇の組織のシルバーブラッドの旗印白銀の天使の事を知っていたそしてそれをわざわざ勇の耳元で言ったということは相手は勇の素性を知っている・・・・・・・・敵?
と、思いながら勇は信号が変わるとその男を追いかけるとその男は空気の様に街中の人混みの中へと消えていった・・・・・・・・・・。
「今度会ったら・・・・・・・・・。」
勇はそう思い、麗菜のいる【浅枝総合医療病院】へと向かった・・・・・・・。
勇が去ると一人の男がビルの上から勇を見つめていた・・・・・・・・・・。
「キミは何故・・・・・・・・ボクではなくそちらを選んでしまうのだろう・・・・・?まぁいい……キミがボクを選ばないといけない様にしてあげるよ・・・・・・・・。」