赤い糸
掲載日:2012/04/30
私があいつと赤い糸で結ばれているという幻想を抱いていたのは、たしか中学校のころから。
恋する若き乙女だった私は、あいつに恋していた。
あいつが好きだったのは、私じゃない別の人。
でも、それでも、私はあいつに恋してた。
どうしてかなんて、私にわかるわけがない。
きっと小指同士を結んでいる赤い糸が視えたのだろう。
それが、幻想だとも知っていながら。
あいつが、好きになっても、告白する機会なんて訪れるわけがなかった。
別々の教室、別々の進路、別々の友人。
共通項は一つもない。
あるとすれば、同じ中学校に通っているっていうだけ。
だから、私は、彼をあきらめた。
彼が結婚したということを知ったのは、私が成人式で同窓会に参加した時のこと。
周りのみんなも、好いている人が、どこかにいるようで、それで私はどうするのと、よく聞かれた。
私はこれからどうするべきなのだろうか。
彼については、もうあきらめた。
だから、私はきっと、大学や社会人になってから、別の赤い糸が結ばれている相手を探すだろう。
それがきっと私の進む道だから。




