外国人さんの気分です…
「あっ!アルト、お嬢さん見つけて来れたんだ」
騎士団に戻って来た私とアルトさんにエルさんが言った。アルトさんは今は、騎士団の服はしかっりと着て、髪だけ下ろしてくれている。
「もう、大丈夫なのかな?…えーと、何て読むの?コレ」
あっ!私の鞄、こっちの世界にあったんですか!
「君の鞄らしき物が届いていてね、それにしても、凄いねコレ何で出来てるのかも解らなかったんだ。…あぁ、はいどうぞ」
「ありがとうございます!」
やったー、鞄だ、あの変態神の所で無くしたと思ってたけど良かった。おぉ!あの読みかけの小説がちゃんと入ってる。落とした手帳も入ってるし…もしかしたら、この鞄の中身って意外と使えるのかも!
と言う訳で、中身を確認してみました。
ゴソゴソ…
結果
・筆箱 ・教科書 ・お財布 ・手帳 ・ポーチ ・読みかけの小説 ・お弁当 ・防犯ブザー
…意外と少ないとか言わないで!ケータイもないのか、とかそんな哀れみの目を向けないで下さい!仕方ないじゃないか、電話するような人いなかったんだもん!
それでもアルトさん達はかなり珍しいらしく、色々と見ている。なさそうですもんね…この世界じゃ。
「本当に凄いな見た事の無い物ばかりだ」
「これ全部お嬢さんのなの?」
「えぇ…」
「あぁ、そう言えば、その鞄の横に書いてあるのは名前?全然読めなかったけど…」
…えっ?読めないの?私の鞄に書いてある名前が、漢字だから?
「はい…私の名前です。晴上璃々愛と言います」
そうだ…考えてみたら変だ。私は今、異世界に居るのに、何でみんな話してる言葉が日本語なの?この世界じゃ日本語が世界共通語なんですか?
試しにアルトさん達に教科書を見てもらいましたがアルトさんもエルさんも全く読めないそうです。
うーん、これは困った、会話は出来るけど私の居た世界とは字が違うから、この世界の文字が全く読み書き出来ない。つまり私はこの世界でまず文字を覚える必要がある訳だ。
私…英語の成績すっごく普通だったんだけど、大丈夫なのかな…。
「…!、そこの地図ってこの国の物ですか?」
「えっあぁ、これか、確かにそうだけど…」
すっごい見覚えがあるんですが…日本列島?
にしては大きいかな?でも形は日本だよね。
「私の居た国と形がほとんど同じなんです…」
でも、やっぱり大き過ぎる、日本って確か世界でもかなり小さめの島国だよね。だけど、この地図だと全く逆ですっごく大きいし、しかも島国じゃない、周りにいくつか国がある。
そう言えばアルトさんが言ってたな、確かこの国は世界で最も大きいんだっけ?
日本のようだけど、日本じゃないのかここは?
※
「ところで、アルトリリアちゃんってこれからどうすんの?」
リリアちゃん?
いや、それは私がし知りたいんですけど…。もう夜になっちゃってるし、紅茶は美味しいけどお腹は減ったままだしなぁ… このお弁当食べちゃおうかな…
食べちゃいました。大事な話なのはわかりますが…人間、空腹には耐えられないのですよ!
もぐもぐ…
「その事だが、リリアは俺の所で預かろうと思う」
ぐっ!んー!
ごくごく…ぷはー!
はぁあああああああ!?
なんでっ!?いつそうなったんですか!私はてっきり、騎士団でお世話になるとばっかり…
はっ!まさか私が一度断ったからですか!?あれは、だってほら!…あの…。ごめんなさい、私が悪かったです!だから私は騎士団で…
「そう、それならリリアちゃんも大丈夫そうだね。ここの騎士団に、女の子は居ないから」
「えっ?」
…そ、それは…
「それに比べたらアルトの屋敷なら、沢山女の子も居るし、リリアちゃんには、いいんじゃない?」
「…」
「リリアはそれでいい?」
「………………はい…」
「そう、良かったねぇアルト、嫌われなくて」
「何か聞こえたようだが、気のせいか?」ぎろり
「あー、気のせいなんじゃない?」
「そうか、良かったなエル、寿命が延びて」
「いや、むしろちじんだ気がするんだけどなぁ…」
…私を抜いて会話しないでくれません?て言うか私の話も聞いてくれませんか!
「それじゃあ、リリアちゃんの上への報告と社交界への言い訳だけどさぁ…」
「あぁ、それならもう既に考えてある。まずは…」
私の言い訳も聞いてくれませんかぁあああ!!