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逃げます、探さないで下さい。

「どこなの…ここは?」


しまったぁあああ!やっちまったぁ!

逃げるのに必死で色々大変な事になった!


まず始めにここは何処だ!完全に迷子状態になってしまった。街の中で迷子なんて小学校以来だよ!なんか暗い裏道みたいな場所ににいるよ私!

次に私は今、異世界にいる、なのでお金も地図も持っていない……

いや、それ以前に私には帰る場所がない。


「ど、どうしよう…」


あぁ、こんな事になるんだったら、騎士団から逃げ出さなきゃ良かった。

あまりのショックでつい飛び出しちゃったんだよな…



私の居た世界にはきっと帰れないんだろう。異世界への移動手段があるなら、アルトさんが言わなかった訳がないからね。


「別に帰っても何かある訳じゃないけど。」


あっ!そう言えば、読みかけの小説がまだあったなぁ、しかも最終巻が…それは嫌だなぁ…。

私が居なくなって困る人って居たっけ?家族は…残念だが既に他界している、叔母さん達はきっと、どうでもいいとか言うだろうな…私を誰が引き取るか、くじ引きで決めるような人達だったからな、あれは、ある意味一生忘れられない出来事だよ…。


私はそのまま、地面にしゃがみこんでうつむいた。


「ハァ…」


ため息が出ちゃいました。私やっぱり何か取り憑かれているんだろうか…。


グゥウ~


…お腹減ったなぁ。

そう言えば私お昼から何も食べてない、ついでに喉も渇いた。今日1日なぜか叫びに叫んで喉カラカラです…


「お茶…は無いか、せめて水が欲しい…」





「あるよ、紅茶だけど。」


えっ…?

声は、うつむいた私の前から聞こえた。


「だから帰ろ?」

「アルトさん…?」


なんでアルトさんがここにいるんだろう?幻覚なのか?

わからないので触ってみました。

ぺたぺた…


「……何かな?」

「にゅぅわぁああ!」


っ!!本人でした!びっくりしたよ!まさか本当にいるなんて思ってなかったよ!て言うかアルトさん騎士団の服着ているって事はやっぱり男性じゃないですか!

私は、また下にうつむいて言った。


「私に帰る所なんて、ありません!」

「騎士団に行けばいいよ。」

「そこは、私の場所じゃないです、それに私はこの世界の人では無いですから、騎士団には行けません。」


「……泣いてるの?」

「っ!、違います!」


私は泣いていた。私の居た世界に未練なんて、読みかけの小説位の物だ、それでも、いきなり全く知らない場所に落ちて、悲しくなった。寂しくなった。辛くなった。

まるで……迷子になった、子供みたいに…。


「……俺の前では泣きたくない?」

「……」

「じゃあ、これなら?」


そう言うとアルトさんはまとめていた髪を下ろして、上着のベルトを外した。すると長めの上着がワンピースみたいになって、アルトさんの綺麗な髪が暗いこの場所でも輝いて見えました。


「な…んで?」

「これなら、君も我慢しなくてすむかなって。」

「そうじゃありません!何で私にそこまでしてくるんですか!?」


私はただの小娘で、アルトさんに何もしていない…。


「理由なんて聞かれても、私にもわからないよ。私がしたかったからしただけだ。」

「私…これからだって何もできませんよ?」

「構わないよ、君がまた笑えるのなら。」


私の顔はもう涙でいっぱいになっていた。


「私、寂しくなったんです…一人ぼっちになったみたいになって、私の居場所なんかどこにも無いんです……だから…」

もう、前も見えない位涙がこぼれてきて、そして私叫んだ。


「私に生きる場所をください!」


「うん、この世界は君の居た世界ではないけど…今日からこの世界が、君の生きる場所だ。」

「うぅ…あぁぁあああああああ!」


私はそのまま、アルトさんに優しく撫でられながら、ずっと泣いていた。


    ※


「落ち着いた?」

「……はい…」


……いつまで、撫でられればいいんでしょうか?

今、私はアルトさんに抱かれて撫でられ続けている、つまりは、『よしよし、いいこいいこ』の状態だ。

……なんか、逃げ出さないよいに、がっちり捕まっているような…


「あの…アルトさん?そろそろ離して下さ…」

「そう言えば、さっき聞きそびれた事があったんだった。」


スルー!?このままの状態ですか!


「君の名前。探す時に、わからなくて気ずいたんだ。」

「……私の名前ですか?」


そう言えば名乗っていませんでしたね…


「教えてくれる?」


私の名前は…



「…りりあ」

「リリア?」

晴上(はるうえ) 璃々愛(りりあ)です…。」


『愛にあふれる子に…』

そう願いの込められた私の名前はお父さんが付けてくれた名だ。


「リリアか…君の方が可愛いい名前じゃないか。」

「君の方が?」

「私の名を可愛いいと言っただろう?」


……あの時か!

いや…ほら、あの時はアルトさんの事、女の子だと思っていてつい…


「そこまで、女顔か、私は……」


はい…スッゴく女の子です。ちょっと高めの背も少し低い声も大人っぽいで言いきれそうです。

あの時みたいにギャップが無ければ、ほとんどの人が女の子だと思うでしょうね。

!、大人っぽいで思い出した。


「アルトさん、私の事何歳位だと思ってます?」

「……12くらい?」


……私この世界でも色々、苦労しそうだなぁ…



やっと主人公の名前が出ましたが、意味が意外と無理矢理です…つっこまないで下さい。


そしてリリアは若干、ツンデレのようです。

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