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扉を開けたら…

フローリア家の大きな玄関の扉をたまたま一番前にいた私がゆっくりと少しだけ開くと、中を見て直ぐにある人物を見かけた。


「あれ、ミキ?とフレアさ……!」

「あっ、リリアおかえりー。随分早かったねー」

「リ、リリア様……」

「……」


とりあえず、今すぐ「お邪魔しました」って言いながらこの扉を閉めたいんですけど……

この2人に一つ質問があります、なんでミキとフレアさんは手を繋いでるんですか?

いや、ただ手を繋いでいるだけなら別にどうってことないんだけど……うん、今の2人がただ手を繋いでいるだけじゃないのは明らかだね。

フレアさんは片手をミキにがっちり、且つ優しく手を取られていて。ミキは膝を付いて地面に座りフレアさんの手を両手で掴んでる。

なんと言ううか、どこぞの西洋風の映画やドラマの『ぷろぽーず』シーンにそっくりなんだけど……

ねぇ、本当に何やってたのこの2人?スッゴく疑問だよ。あとフレアさんが助けてと言わんばかりに私を見つめてるんだけど、どうしろと言ううんですかこの状況。まぁ、とりあえず……


「えっと…ミキ。お客さんが一緒だからとりあえず立ってその手を離そうか」

「?…お客様?」


そうだけ言うとミキは私の言った通りとりあえず立ち上がった、手は離す気ないみたいだけど。すみませんフレアさん、私に出来るのはここまでみたいです。


「なんじゃリリア、一体何があるんじゃ?」

「あぁ、多分もう大丈夫です」

「……」


私があの状態のミキとフレアさんを見た瞬間扉を開くのを止めたので後ろにいるネリさん達には今の事は確認できなかったとは思う。とりあえず今は多分…大体?そこそこ大丈夫だと思うので再度扉を開いてみんなを中に入れる。


扉を開けながらふと気付いた、さっきまでフレアさんに微笑んでいたミキが、今はなぜか汗だくだ。もう直ぐ日の月も終わるかもしれないこの季節には明らかにおかしい状態ですよ?しかも顔も引きつってる感じだし、何かあったの?


「リリア…お客様ってまさか……」


ミキがそう言った瞬間、私の直ぐ後ろにいたネリさんがお屋敷の中に入った。それと同時にミキがビクッ!と反応して顔色が段々真っ青になっていった。

ネリさんはそんなミキを見るとニヤリと怪しく笑ってミキの前にゆっくり歩み寄った。


「にゃあ、久しいのぉミキ。まさか儂を忘れているなんて事はないじゃろうな?」

「お、お久しぶりですね……師匠」


師匠?……師匠ぉおおお!?

誰が誰の師匠ですって!?いやまぁ、さっきの会話からそれぐらいは私だって読み取れるけど。でもあまりの衝撃的事実だったからとにかく確認したんですよ!


「本当に久しいのう、お主は相も変わらずそんな事ばかりに魔法を使っとるのか」


素晴らしいぐらいごもっともな発言です。

ネリさんの言った通り、ミキが日常で魔法を使う事って大体フレアさんをストーキングする時か、フレアさんを付け回す時か、フレアさんにストーカー行為を働く時だもん。少なくとも私が見た中ではそれがダントツだよ。


「で?師匠は何故ここに?」

「勿論、お主をいじる為じゃ」

「違いますよネリさん!?」


いつの間にそんな事になってるんですか!なんか凄い笑顔ですけど、ネリさんの目的はシノちゃんですよ!さっき馬車の中でただの異端者じゃないとか、同類だとか明らかに話しを深くする言葉を連発しておいてそのまま放置ですか!最悪ですよ!放置プレイもいいとこです!


「にゃあ、そんなにはっきり言わずともよいじゃろう。どの道いじめる気ではあったのじゃから」

「いじるからいじめるにより悪くなってますよ」


ネリさんがいじめるって言った瞬間ミキがビクッ!?ってなってましたよ。あのミキがあぁなるのなんてサリアさん以外で初めて見だよな。


「で、ネリさんの知り合いってミキだったんですか」

「そうじゃ、奴は儂のダメダメな弟子じゃ」

「どこまでも子供扱いなんですね……」


ネリさんの年齢を知らないからなんとも言えないけど、見た目的にはネリさんよりミキの方が年上に見えますよ。魔術に付いてはよく分からないですが。


「まぁ、何はともあれネリさんにシノちゃんを紹かっ――……」

「お前がシノか。で、こっちの金髪の子は……」

「あ…あう……」

「はいはーい!ルウですよ!」

「のぉおおおおおお!?」


何してるんですかファイさん!?

えぇ、今何が起こっているのか説明しますよ!説明しますとも!

私の後から入って来たファイさんの両手にはそれぞれ右手にシノちゃん、左手にルウちゃんと女の子2人を軽々と片手ずつで持ち上げてました。おそらくお庭から帰って来た所でばったり会ってしまったのでしょう。


そしてファイさん、あなたまたですか!

私が初めてファイさんに会った時を似たようなことを私にもしてましたよね!なんでこの方は初めて会った女の子をとりあえず持ち上げるんですか!

しかし、相変わらずの素晴らしいほどの力でファイさんに片手一本だけで持ち上げられた2人は全く違うリアクションをしてます。

右手で持ち上げられているシノちゃんは……目が死んでました。

真っ青な顔色で涙を浮かべているシノちゃんは、「あうあう」言いながらも最早限界のようだ。あぁ!シノちゃんの魂が!ソウル的なものが抜けかかってますよ!ヤバいです!


だが、そんなシノちゃんとは真逆で左手に持ち上げられているルウちゃんは……素晴らしいぐらい、見事なまでの可愛らしい笑顔、超笑顔。

多分ルウちゃんより大きいシノちゃんはさらに怖いんだろうけど(魂抜けかかってるし)、けどいくらなんでもルウちゃんのそのリアクションは楽しみ過ぎだと思いますよ!

高い高い~って奴じゃないからねルウちゃん!


「ファ、ファイさんとりあえず2人を下ろしてあげてください!」

「……えー…」


えー…じゃないです!少なくともシノちゃんだけは今すぐ下ろしてあげてください!死にかけですから!瀕死状態ですよ!


「ではリリアが私と何か勝負して勝ったら――…あぁっ!邪魔するなアルト!」

ファイさんが前にも聞いた事のある台詞を言ようとしたその時後にいたアルトさんがルウちゃんとシノちゃんをひょいとファイさんから取り上げるようにそれぞれ抱えた。

えぇ、ファイさんみたいに片手だけで持ち上げる不安定な持ち方じゃなく。ちゃんと2人を抱っこするような感じです。


「邪魔するなじゃないですよ、人の妹とメイド使って何してるんですか」

「おぉー!お兄ちゃんの方が高い!」


まぁ、ルウちゃんはさて置き、さっきまで死にかけていたシノちゃんはちゃんと安全な体勢になったのでシノちゃんのソウル的なものが戻って来ました。

……人間の魂って薄い青色なんですね、初めて知りましたよ。


「ご、ご主人様ぁ……」

「はいはい、もう大丈夫だよシノちゃん」


私が手伝いながらシノちゃんを下ろす。ルウちゃんはまだ楽しんでいるようでアルトさんに抱えられたままだけど……

この2人、完全に真逆なんですね。


「おい、リリア。其奴そやつがシノと言う娘じゃな?」

「はい。ネリさん、シノちゃんに付いて何か分かりますか?」

「……」


私がそう聞くと、ネリさんはシノちゃんに近づいてそのままじーっとシノちゃんを見た。

シノちゃんには既にネリさんの事を話しておいたので、あまり驚かずに落ち着いてネリさんの言葉を待った。


しばらくすると、ネリさんはシノちゃんの前でしゃがんでそしてゆっくりとシノちゃんの目を見ながらその体に触れた。

それと同時にネリさん目が淡く光る、ネリさんが私を視た時に見た光と同じだ。

ネリさんが魔術を使ってシノちゃんを視ていると、そのまま何も言わずにそっとシノちゃんから手を離す。


「アルト、儂らだけで話しをしたい。どこかひと部屋使えるか?」

「えぇ、分かりました」

「シノじゃったの。来い、お主の正体儂が教えてやろう」

「――はい」


そして私達はこの後、シノちゃんの正体とネリさんの秘密を知ることになる。




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