とある妹達の解答
解答、リリアお姉ちゃんは雲は雲でも浮き雲でした。ふわふわしながらどっかに行っちゃうのです。
「リリアお姉ちゃんが帰って来たら問い詰めてやります」
とりあえず今はお絵描きで時間をつぶしてますが。
自分のクレヨンでぐるぐると紙に書いていきます。書くのは、フレアにビューネさんに、お兄ちゃんにあとはリリアお姉ちゃんを……
「あれ?黒色が無い?」
最後にリリアお姉ちゃんとルウを書こうとしたのに黒色のクレヨンがありません。といううか、普通のクレヨンのセットには黒色はないです。誰も使わないから別にいらないのです、本当に大きなセットにしか黒色はありません。
けど、リリアお姉ちゃんを書くには絶対黒色のクレヨンがなくてはかけないです。
「ミキなら持ってるかもしれない……」
ミキは魔法使いなのでいつもいろんな色のマークを書きます。それで大きな魔法を使うのです、だから多分みんなが持っていない黒色のクレヨンも持っているかもしれません……が。
「しばらくミキには会いたくないですね」
抜け駆けさんは嫌いです。でも普通のペンはルウはうまくつかえません。仕方ないので、違う方法で探す事にしましょう。
そしていったんお絵描きを止めると、ルウは自分のお部屋のドアを開けて廊下にでました。
バンッ!ガンッ!!
……ガンッ?
バンッはルウがドアを開けた音、じゃあガンッは?
おそるおそる開いたドアをゆっくり閉めていくとドアと廊下の壁の間で頭を抱えながら座り込んでいるあの白い女の子がいました。
涙目です。おでこが真っ赤になっていて、半泣き状態でした。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、大…丈夫……です。」
完全にやってしまいました。
※
「ダメダメダメ!駄目ですお嬢様!」
「いーいーのっ!」
白いメイドの女の子、シノに痛い事をしてしまった後。シノはルウにご挨拶に来たらしく誤った後、さっさと歩き出したルウの後に付いてきていたけど、ルウがあるお部屋のドアを開けようとしたらルウの手を引っ張ってダメダメと言い出しました。
さっきとは違う意味で涙目です。
「いくらなんでも、ご主人様のお部屋に勝手に入るだなんて駄目ですよ!」
「ちょっとなら大丈夫なの!」
ちょっとだけ!ちょっと覗いて入って借りるだけですから大丈夫ですよ!きっとリリアお姉ちゃんもいいって言ってくれるかもしれないかもしれないです!
「リリアお姉ちゃんが大丈夫って言ってくれ……るといいな!」
「そ、それでは希望と言うのですぅうう!」
シノがぐいぐいと引っ張って一歩も動かしてくれません。そこでひらめいたルウはおもいっきり前へかけていた体重をタイミングを見計らうと一気にシノのいる後ろに切り替えました。
力いっぱい引っ張っていたシノは突然ルウが進む方向を変えたのでぺちんっと廊下に倒れてしまいました。
そのうちにルウは一気にリリアお姉ちゃんのお部屋の中にだっしゅです!
「あぁ!?お嬢様!」
「残念でしたね!お嬢様ではなくルウはルウなのですよ!」
というわけで止まらないのですよ!
バンッ!
ドアを開いてお部屋の中に入るとさっきまでルウにダメダメと引っ張っていたシノは急に気が小さくなってルウの後ろにいます。
「あうっ……」
なんでルウがリリアお姉ちゃんのお部屋に来たかと言いますと、この間リリアお姉ちゃんがお勉強している所を見た時。リリアお姉ちゃんの持っていた小さな袋みたいなやつにたくさんの見たことのないペンがあったのを覚えてたからです。
たしかその中にルウでも使えた黒色のクレヨンみたいな物があったのです!
「あの……ここ、ご主人様のお部屋なのですよね?」
「?そうですよ、リリアお姉ちゃんのお部屋です」
けど、リリアお姉ちゃんのお部屋にはほとんど物がありません。もともと、お部屋にあったベッドと机、鏡付きのクローゼットと、あとは椅子があるだけです。リリアお姉ちゃんの物はクローゼットの中に全部入っているらしいので家具以外お部屋には物が見えないです。ちょっと寂しい感じがするのです。
「や、やっぱり早く出ましょう!」
「もうっ!ちょっとクレヨンを借りるだけですよ!」
ルウはシノを振り払ってクローゼットの方に行きます。パカッと開いて中に入っているあの袋みたいなのを取り出します。
「あれ?」
……どうやってあけるの?
ボタンではないです。紐でもないです。全く開ける所が見あたりません、隙間がないのです。なんか変な銀色の穴が開いた金属みたいなのが付いてますが……開かないです。
「……」 ぐっ…
「おじょ……ルウ様?」
「……」 ぐぐっ…
「開かないのですか?」
いや、開きます。開くはずです。ひ…らく……開かないです。
「開けて…ください」
今度はルウが涙目でじっとシノを見るとリリアお姉ちゃんの袋を手渡してお願いしました。
「えっと、こう……ですか?」
後ろにいたシノがゆっくりと銀色の金属みたいなのに触れてそれをゆっくりジーと引っ張っていくとリリアお姉ちゃんの袋が開いていきます。
「あ、あの……ルウ様?」
「……ありがとうございます」
ルウはそう言うと涙目のままシノから開いた袋を受け取ります。
するとルウは頭の中でふと考えました。
黒いリリアお姉ちゃんと白いシノ。
そんな少し似ているシノがルウはうらやましくてシノに冷たくしてしまいました。
それからルウはリリアお姉ちゃんの袋から一本のペンのような木炭みたいな物をだしました、リリアお姉ちゃんはこれを『えんぴつ』と言っていました。これだと普通のペンと違ってルウでも簡単に使えたのを覚えてます。
そして床に座り込んで持ってきたお絵描きの紙にぐりぐりと書いていきました。
「あ…えっと……」
「できた」
ちょっと上手に書けました。それをシノに渡します。
その紙にはさっき書いたビューネさんにフレア、お兄ちゃんそこにリリアお姉ちゃんとルウ、そしてシノを書きました。
「それあげます」
「は、はい!ありがとうございます!」
頭を下げたシノに笑いかけるとリリアお姉ちゃんの袋を片づけると立ち上がってクローゼットにしまいます。
「あと、特別にビューネさんを紹介してあげます」
「ビューネさんですか?」
そう言ったシノの手を引いてリリアお姉ちゃんのお部屋から出ました。
「シノの白い髪がビューネさんもきれいだって言うかもしれません」
「きっ――!?」
シノは突然真っ赤っかになってあわあわしながらついてきます。
ルウもシノの白い髪がきれいだと思ったのは秘密ですよ。絶対言いません。
※
「イアのバーカ!」
「イア君のバカァア!」
「だから俺が悪かったっての!」
鉄格子をガチャガチャと鳴らしながら必死に手を伸ばす子供達。その手の遥か先には赤いボールが転がっていた。
「だいたいミリーがこんな遠い所で遊ぼうって言ったんじゃん!」
「だ、だってもしかしたらお姉さんに会えるかもって思ったんだもん……」
「たく、無茶な蹴りして飛ばしたのはイアだろう」
「ちげーよ!あれはサイのパスが悪かったんだ!」
そう言い合いながらどうにかボールを取ろうと試行錯誤する3人の子供達。
「お前、あれ無くしたらミリーに泣かれるぞ」
「分かってるっての!」
「……なにしてるの?」
すると鉄格子の向こう側から1人の小さな女の子がやってきていた。その後にテトテトとまたもう1人、さっきの子より大きな女の子が追いついた。
「あの……」
「「「ボールとって!」」」
3人一緒にボールを指差してお願いした。すると1人の金髪の小さい女の子がボールを拾って鉄格子の向こうにいる3人に柵越しにボールを手渡した。
「はい、どうぞ。もうお屋敷に入れちゃダメですよ」
「はっ……屋敷?」
「森じゃなくて?」
疑問に思っている3人に白い変な女の子が小さな女の子の後ろに隠れながらおどおどと答えた。
「はい、ここはフローリア家のお部屋のお庭です……」
「庭ぁあああああ!?」
どこかで聞いた事のある名前の、有り得ない庭への真っ当な絶句が響き渡った瞬間でした。




