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作戦開始!

「全員隠してはいますけど武装してますね団長」

「長剣2人短剣1人と槍が1人か……」

「しかも黒と白の修道服ですか、それに…」

「鴉のマーク……」


全員で今まさにこの廃墟の前にいる男達の情報を述べていく。

いや、てか私とシノちゃんはまだしもアルトさんとアードさんよくそんな事がここから分かりますね、二階ですよ?


「こっちの武器は俺の長剣一本だけですよ?」

「地の利もないしな」


つけられたのか、ただ単にこの廃墟を見つけて探しに来ただけなのか分からないけど、私とシノちゃんがさっき出会った男達4人がこの廃墟にやってきてから数分、まだ入って来ようとはしないけど……


「なかなか入ってこないですね」

「なら、今のうちに何か作戦でも考えときます?」

「うん。まぁいざとなれば全部切る」


うっわー…怖すぎる位頼もしい……

確かにアルトさんなら出来そうだからさらに怖い。全員じゃなくて全部という言い方からすでにヤバいです……

するとアードさんは腰に差していた剣を鞘ごと抜くとアルトさんに手渡した、アルトさんもそれを受け取る。


「言っときますけど団長。俺は弱いんですからね」

「あぁ、知ってるよ」

「知ってるの!?」


てか王宮騎士団の人何ですよね!?さっき自分でそこそこな人って言ってたけどそれはもう凄い騎士団…(らしい)なんですよ!それなのに自分で弱いだなんて……いくらなんでも自分を低く言い過ぎです!王宮騎士団の人、みんな強いんですよ!私以外!


そんなツッコミを心の中でぐだぐだとやっていると、いつの間にか隣りにいたはずのシノちゃんが少し離れた所から私を呼んだ。


「お姉さん……」

「なぁに?シノちゃん?」

「穴…」

「穴?どこに?」


シノちゃんに手招かれてそっちの方へ行くとそれはもう素晴らしい大穴が空いていた。まぁ、こんな廃墟ならおかしくないけど。


「これまたおっきな穴だね。ここから一階に行けそうな感じの」


確か私達がこの二階に上がって来る時はおっきくて長い階段を上ったんだっけ。怖かったなぁーあれ、今にも崩れそうで…崩れそう……


「ふぅうん…穴ねぇ……」

「お姉さん顔が凄く怖いですよ!?」

「何言ってるのシノちゃん?笑顔だよ?」

「お姉さん私…どっちが笑顔のか分からなくなってきたんですが……」


気にしない事だよシノちゃん。大体私なんかより断然素敵な黒いオーラの笑顔を振りまく人だっているんだよ。それが誰かなんて私はまっったく知らないけどね、けして金髪碧眼の団長さんなんかじゃないからね。

ともあれ、私は振り向くと近くにいたアルトさんに言う。


「アルトさん。私、面白い事思いついちゃいました!」

「?」



     ※



「本当に…ここなんですか……?」

「いいから早く行くぞ!今度はもう見失うわけにはいかないんだからな!」

「あ、あぁ……」


 静かに歩みを進める4人。門を開き、扉を開け、部屋に入りゆっくりと進んで行く。

暗い室内は誰が付けたのか、小さな灯りが灯っていた。


「ほらな、やっぱりここで間違いないんだ」


ガタンッ!!


「!?」

「上か……」


薄く笑みを浮かべると全員を引き連れ階段へと向かっていく。階段を一段、一段確認しながら震える者、笑う者、考えぬ者達が上へ、上へと上がっていく。


ガタン!ダンッ!


「な、何の音なんでしょう?」

「あいつが逃げ回っている音かもな」


そしてしばらくすると何かが頭に当たった衝撃でその歩みを止める。


「壁?…いや棚か……」

「なんで棚が?」


 それに気づいた後、目の前の棚の隙間から一瞬、黒い人影が通ったと認識出来たのは一番前にいた男だけだった。それを認識した彼は、数秒遅れて気づいてしまった。その人影が何を意味するかを。


「罠だ!全員逃げ……!!」

「「せーのっ!」」


次の瞬間、大きな音と同時に足場が崩れ、階段が落ちた。



     ※




数分前……


「階段ごとまとめて落としちゃいましょう!」

「はっ?落と…す?」

「階段ごとか、あれだけの大きさだと少し大変だが、まぁできなくないな」

「いやいやいや!何普通に解析し始めてるんですか団長!おかしくないですか!?」


私があの大穴と階段を見て思いついた作戦。

 あいつらが階段で上がって来たら上を棚で塞いで止まった所を下から階段ごと落としてまとめて気絶でも何でもしてもらいましょうということだ。

初めから一階にいたら何かあった時に困るのであいつらがあの長い階段を上がっている間に、あの穴を使って一階に降りればいい。


 けど、そんな咄嗟に思いついた作戦だったから、アードさんの反応を見ていると少し不安になってきた。


「おかしくないんだよ、アード」


その不安をかき消すかのように、アルトさんははっきりと言ってくれた。その顔は心なしか、少し笑っているような気がした。


「橋を落とすのと一緒だ、敵をおびき寄せてその足場ごと落とす。よくある作戦だろ?」

「それをあのでっかい階段でやるだなんて聞いた事無いですけどね……」


私は、最後に私の中に残っていた小さな不安を消して欲しいかのようにアルトさんに小さく聞いた。


「無理…ですかね。この作戦……」

「出来るよ!幸いここは廃墟でおそらく階段の木も腐っていて脆い。落とす事は出来る」


……あれ?何だろ、これ。アルトさんの一言で凄く自信が出てる来る。


「分かりました。ここまで来たら、やってやりましょう!」

「作戦をもう少し足してみていくか」

「はい!やります、頑張ります!」

「わ、私も!手伝います……!」


隣りにいるシノちゃんも、おー。と手を上に小さく上げて意気込んでいた。

大丈夫、出来る。凄く出る気がするんだ。

 みんなでシノちゃんの敵を討ちましょう!!



     ※




そして今……


バキャッ!

「あっ……」


私の目の前で見事に大破されていく棚。蹴りが入った所を中心にバキバキと壊れていく。

そして壊れた上の部分が向こう側の階段下へと落ちていった。


「あれ?意外とボロ過ぎたかな、この棚」


おもいっきり蹴って棚を丸ごと下に落とす予定だったんだけど、腐りに腐っていたようで…まぁある意味とってもいさぎいいけど。


「団長ー!そっちはどうですか?」


 アードさんが下にいるはずのアルトさんに大きな声で聞く。


「あぁ、ちゃんと落ちたようだ」

「ごめんなさいアルトさん、棚ボロ過ぎてほとんど壊れちゃいました!」


うー…せっかくアルトさんが考えて足してくれた作戦だったのに、まさか壊れちゃうなんて。

そんな風にちょっとへこんでいると、足元から声がした。


「ぐっ…てめぇ、あの時のフード女……」

「うわぁ!まだいた!?」


手が見えたと思ったら、さっき落としたはずの男の一人が二階の残っている床を両手で掴んでぶら下がっていた。


「アードさん、まだいましたよ!」

「ですから俺弱いんですよ。適当に蹴り落としておけばいいんじゃないですか?」

「……そういえばそうですね」


 うん、ここで軽くあの時12歳に間違われた屈辱でも晴らしておくのも悪くないですし。

その事に関しては私しつこいくらい根に持ちますよ、なんせそのままにしておくと後々面倒な事になったことが多々あるんですから。


「なんだよてめぇらは!そのガキがどうなろうとお前らには関係ねぇだろ!!」

「……はぁあ?」


よくもまあ、そんな言葉をこの状況で口走れるものですね。ここまでしている人に、シノちゃんとは関係ないなんて。

それに、私やアルトさんはともかくアードさんに至っては騎士団の服も着てるのに……


「あんた達はシノちゃんの心を傷付けた、恐怖を与えた。少なくとも私は、私の友達にそんな事をするようなひと許すとは思いませんよ?」


まぁ、シノちゃんがどう思ってくれてるかは分からないけど。


「うっせぇ!そのガキの事なんて俺はどうでもいい!俺達には俺達の都合があるんだよ!」

「……ひとつ教えてあげます。

私は自分達の都合を人に押し付けて誰かを傷つける人間が大っっ嫌いなんです!!」


そう叫ぶと同時に私はこの男を蹴らずにそいつが掴んでいた床ごと蹴り破った。

粉々に砕けた床は当然掴みどころなどあるわけもなく、男はそのまま壊れた床ごと下に叩きのめされた。

 その落ちた男を見ながら私は小さくつぶやいた。


「本当に嫌いなんですよ、あいつみたいな人間」


少し嫌な事を思い出し過ぎたかな……




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