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お勉強と真実?

「ではリリア様、本日はこの国の階級についてお話し致しますね。」

「はい。」


あれから、ミキとルウちゃんとは別れルウちゃんと私はそれぞれ勉強に、ルウちゃんには別の家庭教師さんがいるらしい。ミキはフレアさんを追いかけながら仕事に戻った。

……大丈夫かなフレアさん?


サリアさんの授業では文字の読み書き、この世界の常識やあと神話なんかを習う。サリアさんの教え方が上手いのか今では、文字を単語で区切りながらなんとか読める事が出来るようになった。

そして今。


「この国の階級は星の輝きで表されます。」

「えっ?星?」

「えぇ、星と精霊様には深い関わりがあると伝えられています。精霊様は星の近くにいらっしゃると。」


そういえば、あの変人集団は空にいる精霊様を捕まえようとしてたけど……

まさかあの儀式は大気圏外レベルで行おうとしてたのか?無駄にスケールがデカいよ!宇宙にまで行かずとも神は空にいたから、空で大丈夫だよきっと。


「リリア様、この国で一番階級が高いのは誰だと思いますか?」

「一番ですか?それはやっぱり…王様だと思いますが。」

「はい、そうです。現在この国を統べる王の事を『王星』と表します。」

「王星……」


星の輝きどこいった。結構無理やりじゃないですか?


「王星は王を受け継ぐ可能性がある者全てに与えられる称号です。」

「受け継ぐ可能性……じゃあ王様の息子も王星なんですか?」

「はい、そうなります。それから王位を継ぐことは出来ないけれど王家と関わりの深い人達を『一等星』と言います。」


なるほど一番輝きの強い星のことを一等星と言うのを使ってるんですね。そしてそれから二等星、三等星…と下がって行くんですね。


「それから二等星から等星(とうせい)へと下がっていきます。」

「はい?等星?」


空の星なら代表的なのは確か一等星から六等星までのはずじゃ……?


「等星は家ではなく個人に与えられる階級です。一つの分野で活躍した者、戦場で活躍した者など様々ですね。」

「なるほど。」

「ちなみにミキは等星ですよ。」

「はい。……はいぃいい!?」


ちょっとサリアさん!サラッと言いましたけどそれかなり凄い事ですよね!個人的に与えられる階級ってをミキが持ってるなんて……ミキって意外と凄いんですね。

しかしフレアさんはある意味その上を行ってるのだが……


「まぁ、階級については後々また詳しくお話しする日があるでしょう。」

「えぇ、ありがとうございました。」


そして私は開いていた本やノートを閉じてサリアさんにもう一度お礼を言いお辞儀をした。サリアさんの授業が終わったら必ずしている一連の動作だ。

サリアさんに文字を教えて貰わなければ私はこの世界で出来ない事だらけになってしまうだろう、文字とは私達が感じている以上に大事なのだから。


「あっそうだ、サリアさん。ミキとフレアさんってどこにいるか知ってますか?」

「………」

「サリアさん?」

「あっ……いえ。ミキは知りましせんが、フレアでしたら今は客間の掃除かと。」

「そうですか。ありがとうございます。」


客間かあ、ちょっと遠いけど行っておくか。今のうちにフレアさんのミキへの考えとかを少しずつ調べておきたいし。


そういえばフレアさんはなんであんなにミキの事を毛嫌いしてるんだろう?顔も見ようとしないし。それについても考える必要があるなぁ。


「それではリリア様、失礼します。」

「はい」


サリアさんは他の仕事があるので部屋から出て行った。私も授業の後片付けをして数分後に部屋を出るとフレアさんがいるであろう客間へと向かった。






バタンッ。

ドアの閉まる音を聞き流しながら先程リリア様のおっしゃった言葉、頭の中で引っかかっている言葉を思い返す。


「(………ミキ?)」


いつもとなにかが違う気がしたのは気のせいなのでしょうか。



      ※



有り得ない。今私の目の前で起きている光景にただひたすらそんな感情を抱いていた。


いや、今の説明は少し間違っている。なぜなら私が驚いているのは今起きた事ではなく、今起きなかった事に驚いているのだから。

そうこんな事は有り得ない、有り得るはずが無い。こんな……



フレアさんが何も割ってない状況なんて。



「フレアさんがお皿どころか窓も割ってないなんて……」

「それは流石に失礼じゃないの?」

「いやまぁ、私も途中からちょっと失礼かなぁ?って思ったんだけどさ。」

「そっか。……ところで僕の登場に関しては完全無視?」

「あれ?ミキいたの?」

「始めっからいたよ!?」


おぉそうじゃん。なんで私の隣にいるの?ここ客間の入口のドアの陰だよ?フレアさんがいたから身を潜めて見てたのに。いつの間にかミキが隣りにいるよ、気ずかなかったよ。もー…びっくりしたなぁ。


「この差は何だろう?従兄弟なのに?」

「にしてもミキ。これはどう言うこと?フレアさんが何も割ってないこの状況は一体……」

「別に何も割ってないなら平和でいいじゃん。」


いやいや、そんな平和でいいじゃん。なんてセリフで丸く納められる事じゃないよ。あのフレアさんが一人で部屋を掃除してたのに、誰も見てなかったのに何も起こってないなんて……怪奇現象以外の何物でもないから。

私はここ数日でフレアさんが何かを割る瞬間を何度も見てきた。

ある日は皿を。

ある日は壺を。

ある日は扉を。

ある日は人を。


全てを私達が目を離した隙に叩き割ってくれた。


「一番最後のは明らかにおかしいような。」

「何があったらこんな事が起きるの!?」

「リリア、フレアは誰が見てたら何も割らないよ。」

「それは知ってるけど。でもフレアさんはさっきまでは一人でいたんだよ?」

「僕がずっと見てたから。」


……


「そっか、そっか。ミキがずっと見ていたならフレアさんが何かを割ることがなかったと。」

「そうだよーずっと見つめていたよ。」


私とミキの間に微妙な笑い声が飛び交っているが……落ち着け私。もしかしたら、もしかするかもしれない。きっと違うかもしれない。


「まさかフレアさんを見つめる為にフレアさんの後ををこっそり付けていたりしてー」

「うん、してるよ。」


……


「……それってつまり、ストーカ……」

「フレア!」


私がその単語を言い終える前にミキは扉を開きフレアさんのいる客間に走って行った。って!逃げるなぁああ!!まさか本当にそうなの!?ごまかす為にフレアさんの方にダッシュしたの!それに「ずっと見つめていたよ。」なんて一度は彼氏に言って貰いたい言葉の上位にありそうな言葉でごまかさないで。

発言がかなり危ないから!危ういよ色々と!!


「ミ、ミキ君!?いつからそこに!―――っ!リリア様も!?」

「フレアさん……あの…ちょっとお話しが……」

「フレア!大好きです!」

「嫌です!ってああ!?リリア様の事ではなくて。その…ち、違うんです!」


いつもの私ならここでフレアさん落ち着いて下さい。なんて言葉でもかけただろう。しかし今私は放心状態です。内心ドン引きですよ!フレアさんより先に私が落ち着くべきだよ!

嫌な汗がダラダラと出てきて微妙の笑顔のまま私はミキとフレアさんの会話を遠くから聞いているような考えで聞いていた。


「ミキ君、また付いてきたんじゃ……」

「それが?その方がフレアもいいでしょ?」

「私だって一人でお仕事出来ます!」

「物を割らずに?」

「で、出来ます!だからずっと付いてこなくてもいいです。」

「嫌」


……

まさか私……かなりヤバい約束をしてしまったんじゃ…。


「好きです!」

「嫌です!」

「……」


本日、いつもより暑いこの日。私はストーカーの手助けをしてしまったようです。



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