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あれ?裏取引じゃないですか?

「おー本当にいた……って!デカ!?」


ミキ君、私、ルウちゃん。の3人でビューネさんに会うためにフローリア家の庭にいる。

それにしても……相変わらず無駄に広いっすね!このだだっ広い庭の木々や花はフレアさんが手入れしているらしい、フレアさん、一体どんな手入れをしてるんですか……?


「そう言えばリリアちゃん様。そんな包帯ぐるぐるでよく庭に出してもらえましたねー」

「それは言わないで、壮絶な戦いだったから!」

「そうぜつ?」

「何との?あぁご主人ですか。」

「それもあったけど……」


どちらかと言うと自分の羞恥心との。

いくら庭と言えどやはり外は外、そして私はサイドテールをしていない無防備な姿、この家の人に見られるのでさい避けたいのに……でもルウちゃんに誘われたのなら行くしかないですよ!


「アルトさんにはまた怪我しないように気をつけるならいいと言われたし。」

「ご主人も甘いっすねー……」

「はい?甘い?」


何が?


「びゅーねさん!」

「エエエェェエエ!」

「キュウ!」


ルウちゃんはビューネさんを見つけると走って飛びついた。…………って、飛びついたぁ!?



がんっ!


「……」

「うわぁ……」

「ル、ルウちゃん……?」


そりゃあビューネさんに飛びついたらあのデッカイ甲羅で頭も打っちゃうよねぇ。『がんっ!』ってすっごく痛そうな音だったけど、大丈夫?


「……痛…ぃ……くない。」

「おぉ…!」

「ルウちゃん凄い!」


ギリギリだったけど、ルウちゃんが持ちこたえた!痛くないって言った!半泣きだけど!

すると、ルウちゃんがぶつかった事に気がついたビューネさんがルウちゃんを心配するように顔をルウちゃんに近ずけた。


「エエエェェ…」

「びゅーねさん……」

キラキラ。

「あのぉ…リリアちゃん様。」

「ん?何?」

「なんかルウちゃん様とあのカメからキラキラした光が見えるんですが……」

「見えるね。」


それがどうしたの?いやいや、だってビューネさんだよ?そりゃあキラキラの1つや2つ出しますよ。

て言ううか、そろそろその『リリアちゃん様』って呼び方どうにかなりません?どっちか一方にすればいいのに。逆に呼びづらいでしょ?


「カメ……キラキラする物何ですねぇ……」

「そうだね。」

「ミキくーん!」


なんとか泣くのを止めたルウちゃんは(半泣きだったけど)子ガメを手に抱えて連れてきた。可愛いもんね、紹介したいんだね。


「シルビアだよ。」

「随分本格的な名前ですね。」

「可愛いでしょ!」

「そうですね。」

「フレアとどっちが可愛い?」

「フレア。」


真顔だ、真剣な顔でノロケやがった。セリフと顔が合ってないよ。


「でもフレアは綺麗だよ。」


確かに、フレアさんは可愛いって言うより綺麗って言葉の方が合ってる。ドジッ娘の時はある意味可愛いですけど。


「いいえルウちゃん様。フレアは可愛いと綺麗を両方兼ね備えているんですよ!」

「へー」

「フレアの怒った顔はとっても可愛いんですよ!」

「ふーん」

「ルウちゃん、自分からその話題を振っておいてその反応は酷いよ。」


まぁ、可愛いかもしれないですけどさぁ……そう言えば。


「ミキ君が使用人としてフローリア家にいる目的って……」

「フレアのそばにいる為ですが?」

「うん、だろうね。」


予想はしていたよ。即答してくれるとは思ってなかったけど。


「フレアとミキ君よく追いかけっこしてるもんね!」

「そうだねルウちゃん。」


あからさまに一方的な追いかけっこだけどね。完全に逃げられ続けてるけどね。


「頑張ってねミキ君。」

「頑張ってね。」

「なんで二人してそんな可哀想な物を見るような目で応援するんですか!?」

「いゃあ、だってねぇ……」


顔も見てもらえてないじゃないですか。フレアさんの気持ちも分からないでも無いですけど。


「ルウちゃん様、少しは協力して下さいよ!」

「嫌」

「なんで!?」

「ルウは最近ちょっと忙しいのです。」

「5歳の子が言うセリフじゃないなぁ。」

「じゃあ、リリアちゃん様!協力して下さい!」

「えー…」


ちょっとなぁ……ルウちゃんが速攻拒否するような事には私だって関わりたくないし、朝の事もあるし。


私も忙しいし、最近私はある計画を密かに実行しようとしてる。そう、『お風呂製作計画』を。やっぱり最初はこっそりとドラム缶風呂を作ってみる所から始めようかなぁ。この世界にドラム缶があるかどうかが一番の問題だよなぁ。うーん……


「あぁもう僕の事なんてこれっぽっちも考えて無いですね。」

「うん、まぁ私にも色々あるし。ごめんなさい、嫌です。」

「そんなはっきり言わなくても!」

「エエェエエェェ…」

「慰めないで。カメに慰められるとか……」


それにしても、確かにフレアさんの態度も明らかに変何だよなぁ。あの告白の連発をザクッと断るのは分かるけど、だからって人の顔も見ずにあんなにはっきりと嫌いって言うのはフレアさんらしくないし。


「協力して下さいよ!協力して頂ければ僕役に立ちますよ!」

「役に立つ?」

「リリアお姉ちゃん、あてにしない方がいいかもですよ。」

「ほら!僕魔法使えます!成功したらなんでも協力しますよ!」

「…………ルウちゃん。」

「?なんですか、リリアお姉ちゃん?」

「ビューネさんが有り得ない程の格好良さで光り輝いてるよ?遊ばないの?」


私がそう言うと今はちょっと遠くにいるビューネさん目掛けてルウちゃんは走り去って行った。よし、ルウちゃんには悪いけどこれからの取引を聞かれる訳にはいかない。

私はにっこりと微笑んでミキ君に話し掛けた。


「ミキ君、やっぱり私協力するよ。」

「えぇ!?本当ですか!」

「うん、本当。でも協力したら私にも協力してくれる?」

「もっちろんですよ!」


よっし!契約成立!ミキ君とフレアさんとの事を協力したらミキ君にお風呂製作計画を手伝ってもらおう。流石に私一人じゃこの世界の事や知識も足りないし、何よりミキ君の魔法があればどうにかなるかもしれない!


「あぁ、そうだ。私の事をリリアちゃん様って言うのもどうにかならない?」

「はい?いえ、それは別にいいですが。ならなんて呼びましょう?」

「普通にリリアでいいけど?」

「…………僕の命が危うくなりそうな呼び方ですねぇ……」

「はっ?」


なんでミキ君が私をリリアって呼ぶだけで命が危うくなるんだろ?別にミキ君ならいいけどなんとなく男性に思えなくて怖くないし。どっちかというとイア君達みたいな感じ?


「じゃあ、これからはリリアと呼びます。」

「うん、よろしくね。えーとミキ?」

「はいぃ!?」

「いや私だけ呼び捨てってのもどうかと思って。あっ、ダメだったかな?」

「僕の寿命がさらに縮んだ事を覗けば問題ないです。」


……なんでちょくちょくミキに命の危機が感じられるんだろう?なんですか、誰かに狙われる予定でもあるんですか?


「なんか裏取引みたいですねぇ……」

「もうそうなんじゃない?」

「まぁ、とにかく頑張ります!」

「うん!私も頑張るよぉ!」


なんたってお風呂製作の為だもん!勘違いしないで下さいね!私の欲望の為だけに立てたお風呂製作計画じゃないですよ!フローリア家の皆さんにあったかいお風呂に入って貰うためですからね!


「頑張ろうねミキ!」

「よし!頑張りますよ、リリア!」


「何を頑張るのですか?」

『わぁああ!?』


びっくりしたぁ……ルウちゃん心臓に悪いよ、いきなり話し掛けて登場するなんてエルさんに似てるって言われちゃうよ!


「びゅーねさんが森に帰ったので戻って来たのですが……お二人共怪しいです。」

「き、気のせいだ…よ。じゃ、じゃあそろそろもど…戻ろっか……?」

「(……リリア嘘が下手過ぎるよ。そんなんで騙される人の方がおかしいよ。)」

「む~……」


とにかく!これで私とミキとの裏取引が成功!さぁ、部屋に戻りましょう。



     ※



フローリア家、庭から屋敷までの道のりにて。

(どんなお風呂にしようかな……いやいや、まずはミキとフレアさんの事だな、どうしようか……)


(フレア、フレア!リリアなら何とかしてくれるかも!)


(む~……リリアお姉ちゃんもミキ君も怪しいです。どうしたものかですね。)


三人の思惑は複雑に交差していった。




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