私の存在を言うのなら…
「よっ!アルト!」
「あぁ、エルか……なんでリリアがそこにいて、しかもなんでそんなにぐったりしてるんだ?」
「色々あったんです……」
「はあ……そうか…」
そうなんですよ……本っ当に色々あったんです……はぁあ
「それでアルト、俺に用って何?」
「あぁ、騎士団の事とリリアの事なんだが…リリアがいるなら丁度いいかもな。」
「私ですか?」
ん?私、他に何かあった?おかしいなぁ…私はアルトさんを呼びに来ただけのはずだったのに、なんで私が話しに入る事が確定してるのかな?
「まず騎士団の事だが。リリアが入る事を誰が決めたのか忘れてないよな、エル」
「んー、俺的には忘れてもらえると嬉しいんだけど…」
「そうか、なら今すぐ思い出させてやろう。」ニコッ
「はい!俺です!」
折れるのはや!エルさんとアルトさんの間ではその手の会話は日常茶飯事なんですか?
「そうだな、だったらお前があそこでリリアが働ける環境を明日までに作っておけよ。」
「はっ?ちょっ、アルトそれって俺にあれをどうにかしろと?」
「や・る・よ・な?」
「……やらせていただきます。」
「そうか、それは良かった頑張れよ。」
な、何なんですかこの会話!?『あれ』って何!私が騎士団で働くに何かあるんですか!
あと……アルト怖いです。顔とか言葉とかじゃなくて、雰囲気が。黒いオーラが見えるんですけど……
「リリアちゃん、どうしよう……俺このままだと確実に殺られる」
「はぁ……そうですか。すみませんエルさん、私にはどうする事も…しません。」
「しません!?」
いや、だって私だって怖いですもん。今すぐこの場から逃げ出したい位に。それにさっきの仕返しですよ!
すると、アルトさんはさっきまでの怖い感じから真剣の表情で私に話しかけました。
「リリア」
「はい?」
「君の、この世界での事なんだが……」
「……私がここにいる理由ですか?」
「そうだ」
※
私は異世界から落ちてきて、アルトさんに引き取ってもらいました……なんて普通に言えるはずがない。
私の本当に素性を知られる訳にはいかないらしい。
「精霊様召還の儀式で私みたいな人がやってきたなんて、知られたら大変ですもんね。」
「すまない、きっと大きな事件になってしまうと思うんだ。」
「リリアちゃんみたいな黒い子が来るだけでも事件なのに、来た方法が大罪だからね…」
私はこの世界で生まれ、生きてきた人間。
そう言って行かなければならないが……それには問題がある。私はこの世界ではありえないような、日本人らしい黒髪に黒い瞳…これでは何を言われるかわからない。
「それで……私はどんな存在になればいいんですか?」
この黒髪であっても何を言われる事の無い存在。私はそれに薄々気ずいていた。
「……異端者だ」
「そうですか…」
「まぁ、ソレが一番いいんだろうけどさ……やっぱ…ね」
異端者。つまり正当でない者、私は始めから普通じゃない者になるわけだ。まぁこの世界で普通じゃないのか、始めから普通じゃないのかの違いしかないんだけど。
「リリアは表では『フローリア家に引き取られた者』となり、その裏では『精霊様召還の儀式に巻き込まれた異端者』と言う事になる」
「その裏と表で本当の事を隠す訳ですね。」
「一度裏までたどり着いた人間はその裏があるなんて考えないからね。」
「ごめんね、こんな風にしか出来なくて……」
「いいんです、謝らないで下さい。異端者でも何でも私は気にしません。」
大丈夫、それに異端者と言う所まで知る事の出来る人も多くはないだろうし。
「ひとりは慣れてますし……」
※
アルトさんにテナさんが呼んでいた事を教えて、部屋を出た私はあの池のお風呂の中にいた。
「ふぅー…」
寒いな。1日そこらで慣れるだなんて思ってはいなかったさ!だが、昨日よりはなだマシかもしれない。
「慣れる……か」
なんで……あんな事言っちゃったんだろう私。




