私に出来る事はありませんか?
私がアルトさんの家に引き取ってもらうと決まった時。その時にできた3つの条件。
あの日の夜
「私、働きます…」
「「?」」
「何もしないで引き取ってもらうなんて駄目です。働いてアルトさんに恩返しさせてください!」
私は生粋の日本人なんだよ。助けてもらって、引き取ってもらって……それなのに、なにもしないなんて……無理、何かしないと落ち着かない。そしてなにより、私と言う人間が腐っちゃうしね!
「……」
「くっくく……こりゃまた律儀な…どうすんのアルト?」
「どうしろと…」
「私、何でもします!」
私は一人暮らしだったから、掃除、洗濯、裁縫、料理……この世界だと違う事もあるかもしれないけど覚えてやれる自信はある。役立ってみせますよ!
「……わかった考えておこう。何かあったか?」
「それよかアルト、騎士団の手伝いをしてもらえば?」
「騎士団の…ですか?」
「そっ、うちの騎士団って、量より質で人選んでるから毎年人手不足なんだよ。だからリリアちゃんが手伝える事は沢山あると思うよ!」
「いや、それは……」
「わかりました。私に出来る事ならぜひやらせてください!」
「でもリリア、ほとんど雑用だから止めたほ……」
「頑張ります!」
雑用だってなんだってやってやろうじゃないか!
「……」
「まぁ、アルトそう言う訳だ。」
「お前は何を考えているんだ?」
「えー俺の場合、アルトが困っているのが見れればいいかなぁって。」
「斬る…」
見るとアルトが腰の剣を抜こうとしているのをエルさんが全力で止めていました。何やっているんですか?
「じゃあ、リリアちゃん騎士団の手伝いとしてこれからよろしくね~」
「はい!」
……あれ?何か忘れてないか?なんか、私が自滅した感があるんだがなぜだろう?
うーんとにかく『騎士団でのお手伝いをする事』これが1つ目の条件。
※
そして、2つ目の条件は、テナさんからのお願いでもある。『ルウちゃんと遊ぶ事』私としてはそんな事でいいかなぁ?って感じだけど、頼まれなくても遊びますし。でもまっ、それが2つ目の条件……ルウちゃんとの遊びがまともな物になれば少しはいいんだけど…
それで、最後の条件は……
「はじめましてリリア様、私はメイド長をしております、サリア・イリアンと申します。本日よりリリア様のチューター(家庭教師)をさせていただく事となりました。よろしくお願いいたします。」
「えーと……はい、よろしくお願いします。」
そう、これが3つ目の条件。『文字と常識を習う事』……確かに文字とかは覚える必要があるけど、そんな家庭教師を付けてもらうなんて。…と、アルトさんに言ったら…
「騎士団を手伝うのなら文字の読み書きは必須だし、それにゆっくり覚えるより短い時間でさっさと覚える方がバレにくいでしょ。」
とまぁ、上手く言われてしまった訳で、つまりアルトさんいわく、『1つ目の条件のための3つ目条件』と言う訳だ。
そして今…
「ではまず文字の練習から」
「はい。」
ちなみに、サリアさんはフレアさんより濃い茶色の柔らかいセミロングでちょっと鋭い目は金色、なんかもう、雰囲気がメイド長にぴったりです。フレアさんとは真逆な感じかな?
「はい、リリア様」
「……?あの…サリアさん、コレは?」
「紙とペンですよ、……気に入らなければ変えましょうか?」
そのペンはいわゆる羽ペンだった、私さすがに羽ペンは使えませんよ……いつかは使えるようにならなきゃ駄目なんだろうけど、今は無理です。
「あの、私の持っているペンでいいですか?」
「構いませんよ。」
「じゃあ…」
そして私は鞄から筆箱を出して迷った結果、鉛筆と消しゴムを出したバレませんよね?ちょっと珍しいペンで通りますよね?
「それでは初めましょう。」
……通るようです。




