とある青年の悩み
リリアとルウが庭に行ったきりなかなか帰って来ないので探しに行こうと廊下を歩いていたら。
「ひゃぁあああ!」ガッシャン!
「……フレアだよな、絶対。」
また何か割ったらしい。フレアは目を離している内に一瞬で物を割る。本当に大丈夫だなと、目を離した瞬間割っているのだ。
それ以外はカンペキなんだがなぁ……。
いつもはミキがいるから大丈夫なんだが……あいつは今、父の視察に付いて行ったんだっけか?早く帰って来て欲しいものだ。
見るとフレアは今回割ったカップのセットをかたずけている。ちなみにフレアは誰かが見ていればけして物を割ったりはしない。……なぜだ?
「フレア…だい……」
「すみませんアルト様!またこのような不手際を本当に申し訳ありません!」
「いや、そんな事、今更気にしていないが……そんな高速で頭を下げないでくれないか…」
「す、すみません!もうすぐ終わりますから。」
「そうだフレア、リリアとルウが庭にいると思うんだ、後で探しに行ってくれないか?」
「お嬢様達ですね、わかりました!今すぐに行って来ます!」タッタタ…
フレアは、その場にあったカップをすぐにかたずけ走って行った。…何も割らないといいんだが
「あら、アルト様そんな所で何をなさっているのですか?」
「……メイド長か、いやちょっとね。そういえばメイド長、ミキは今父の所だったか?」
「ミキですか?えぇ…そうですが、もしかしてフレアの事でしょうか?」
「まあな、あいつがいないと家中の食器が割れそうなんだ。」
「でしたら、ミキだけでも帰って来るように手紙を書きましょうか?」
確かにミキには早く帰って来てもらわなきゃならないしな。あいつには悪いが帰って来てもらおう。
「あぁ、よろしくたのむ。それとメイド長、もう一つ頼みがあるんだが。」
「なんでしょうか?」
「リリアにこの国の文字、あと常識を教えてくれないか?」
「リリア様ですか……」
「やはり気になるか……リリアの事。」
いきなり見ず知らずの女の子を連れてきたんだ。しかもそれがリリアのような黒い髪と目、気にならない訳がないのだが。
「いえ、メイドとしてそのような事など絶っっ対にありません。」ニコッ
「そうか…流石メイド長だな。」
…メイド長、何でここでそんなに笑顔なんだ?わかった、わかった、そんな事は絶対にないな…それ以上その笑顔で近ずかないでくれ……
「そういえば……メイド長、夕方頃エルを屋敷に呼んで来てくれないか?」
「エル?……ああ…エルルク様ですね。お仕事の事ですか?わかりました至急連絡をいたします。」
「一気に沢山頼んでしまって悪いな。」
「そんな事ございません。それでは私はこれで失礼します。」
※
「はい、これで大丈夫ですよ。」
「ルウちゃん、痛くない?」
「うん!」
「ところで、リリア……」
「エエェエエ。」
「キュゥゥウ。」
『……』
「どうしたんですか、アルトさん?」
「フレアなんで固まってるの?」
……リリアとルウが帰って来て、フレアが来てくれと言うから来たが…
「フレア、これは一体どう言う事だ?」
「さ、さぁ…?私にも少しわかりかねます……」
高い岩?いや、カメ?リリアとルウが楽しそうにその(多分カメ)と遊んでいる。
「エェエエ…」
いやこの生き物(?)はたしか…
「ビューネタートル…だったか?」
「びゅーねたーとる?このカメそんな凄い名前だったんですか、アルトさん。」
「あぁ、このカメは……」
ビューネタートル、大精霊様の娘の一人『水の精霊ビューネ』の使いと言われている。
清らかの水のある所にいてとても頭のいい動物…だったか?
「確かそう本に載ってたな。」
「アルト様よくわかりましたね…」
「その本にビューネタートルはバカデカいカメのような生物と載っていたからな」
カメのような生物と言うより、カメそのものだなコレは……
「そうですかぁ、このカメさんはビューネタートルさんと言うんですね!」
「ビューネタートルって言う種類なんだけどねルウちゃん。」
「ところで、このカメは何処から連れてきたんだ?」
『あっち』
するとルウもリリアも家の庭にある森を指差した。……なんでカメがそんな所にいるんだ?
するとそこにいたカメはリリア達の指差した森へ戻って行った。
「カメさんまたね~!」ぶんぶん!
「今日はありがとう!」
「エエェェエエ!」
「キュゥウウ!」
「……アルト様」
「なでしょう、フレア」
「お嬢様達があのカメがかっこいいと言っていたのですが…」
「あのカメを?」
「はい。」
なんでカメがかっこいいんだ?
「それで私、あのカメと遊んでみたんです。」
「はぁあ?」
「あのカメ……かっこいいですね!」
「……………………っは?」
ついにフレアさんもカメの虜になってしまいました。実際カメはかっこいいですよ!




