1/10
1〜思考〜
“もし、今、オレが死んだら、悲しんでくれる人はいるのだろうか?”
ふと、考えることがある。
家族?友達?恋人?
どれを挙げても、いなかった。
誰も悲しんでなんてくれないだろう。オレが死んでも、その前の生活となんら変わりはないのだろう。オレが死んだことなんて、いや、“オレ”がいたことさえ知らずに。
そんなことを考えてしまうという事は、観的にみてもろくな生き方をしていないんじゃないか?
いや、していないのだ。
そんな生き方で中学を過ごしたオレは、友達と呼べる奴は作れなかった。それもそうだ。自分から作ろうとしなかったんだから。
クラスメイトとは一線を引き、適当な関係でい続けた。授業も遅れない程度にやって、はっきり物申す担任に言われた言葉が“事なかれ主義”。
うまいな。と思った。まさにオレにふさわしい。
それでいいと思う。感情的になりたくない。もし、それで大切なモノなんか作ってみろ。
…また失うんだ。壊れて、二度と元に戻らない。
だから事なかれ主義でいいんだと思う。
……いや、思ってたんだ。