第三話 この荷物は爆発します
「うーん」
異世界に来たはいいけど・・・
「何をすればいいのかわかんねーーーー!」
理不尽な穴から落とされた俺は、気が付くと草原の真ん中にいた
「魂を探せって言ってもどうやって探せばいいんだよ…」
そもそも魂がどんな形をしてるかすら知らない
こういう場合、村の人とか、偶然通りかかった商人が情報をくれるものなのだが…
突然ヒューンという不思議な鳴き声に上を向く
そして大きな荷物が見上げた俺の顔面に直撃した
第三話 この荷物は爆発します
「さて、中身を確認するか」
どうやら空から落ちてきた風呂敷包みの中身はウインからの支給品のようだ
包みを開けると一番初めに出てきたのは俺宛の手紙だった
【あれから三十分ほど経っていますがまだご健在でしょうか?
もう分かっているとは思いますがこの袋は私からあなたに送るせん別です 活用してください あ、ちなみに支給品専用アイテムは持ち帰れませんので注意してくださいね】
「モン○ンかよ!」
とりあえず突っ込んどく
そもそも寝ている病人の横に突然様々な異世界アイテムが出現したら色々とやばいだろう
気を取り直してアイテムの物色にかかる
次に出てきたのは冊子だった
表紙を見ると【コピードールの説明書】と書いてある
これもその場で広げて呼んでみる
【コピードールは人間の器を複製する機械です
使用用途:一時的に肉体をなくした人間の入れ物になります
使用方法:魂をこの人形の中に入れます。すると人形は体に馴染みます 以上で魂の定着は完了です 剥がす際は別紙を参考にしてください
使用上における注意:この魔道具は神以上の階級の方の同伴が無ければ着脱はできません
口に入れないでください
電子レンジに入れないでください etc 】
つまり、ここから分かることは今の俺の体はこのコピードールというものということ。そしてウインにまた一つ弱みを握られたということだ。
「というか別紙をつけろよ!すげー気になるんですけど!」
次に出てきたものは腕時計だった
どうやらこれにも説明書が付いているらしい
【チゴト標準時用腕時計 電池50年保障 バックライト機能付き】
・・・これだけ?
そこにあるのはただ電池が恐ろしく長い腕時計だった
とりあえず貰わない理由は無いので腕につけておく
もう一度説明書を見ると文の下に別の文が浮き出てきた
見てみると先ほどのウインと同じ筆跡で次のことが書いてあった
【二秒以上間隔を開けずに時計の右上のボタンを二回押せ】
・・・中に死神のノートでも入ってるのか?
とりあえず言われたとおりに二回ボタンを押す
周囲の地形とレーダーが時計の針の下に表示される
再び説明書を見るとこの機能についての説明が浮き出た
【あなたの魂を感知できるようにこちらが改造を施しました
そのレーダーは10キロ圏内にあるあなたの魂の場所を把握し、その場所を表示し、ついでに周辺地図を表示します】
なるほど、これは役に立つな
【ただし、このモード中は太陽光によるソーラー発電に電源が切り替わるので太陽が無いとつかえません】
つ、使えねー
どちらかというとこういうアイテムは洞窟体験のときとかに真価を発揮するものなのにそのタイミングでは使えないのかよ!
時計のモードを通常モードに戻し物色を再開する
今度は小さな財布が出てきた
中を探ると一枚の小さな紙があり、表には【必要の財布】と書いてある
裏を見るとやはり説明が書いてある
【食事、宿等に使うお金はここから必要に応じて現れます
ただし武器、酒、家等の代金は出ないのであしからず】
ふーん 生活費はこれのおかげで当分は困らないのか
某RPGで勇者は食費をどうしているのか?と思ったことがあったが恐らくこれをもっていたのだろう
これは使えるアイテムだ
俺はこれをポケットの中に入れる
ちなみに俺の服装だが制服のズボンとTシャツというラフな格好だ
ここに来たときはこれの他に学ランとワイシャツを着ていたのだがそれは暑いので今は脱いである。
は!そういえば武器も防具も無いぞ!
さっきこの世界にはモンスターが出るとか言ってなかったけ?
慌てて包みの中身を漁る
が、それらしきものは出てこない
結局その後に出てきたものはナップサックとおにぎり4つだった
ちなみにナップサックの中にはここから半径20キロほどの地図が入っており、三時間ほど歩けば町につけるということが分かった
ということはこのおにぎりは昼飯ということになる
最後の支給品を取り出すとその包みから、一枚の紙が現れた
【一般人の目に触れるのを避けるためこの包みと紙の資料は30秒後に爆発します】
「いきなり!?」
そうこうしている間に三十秒が経過し・・・
ちゅどーん
大きな爆発が森のはずれにある草原で起こった
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作者のテンションとやる気が飛躍的に上昇します




