稀有
あなたのお子さんは稀有よ。
よく母が言われていたが、僕は泣きたかった。
結局、弾かれものだから。
でも平板に、バレないようにはしたくなかった。
ただ臨月の妊婦みたいに、自分自身の個性を愛した。
だれにも愛されなくても、目立っていたい。
アンチが掲示板で、喚き始めたら、笑えた。
結局、個性に対しては、実直で、純潔でありたい。
それが分かると自分自身が絵になる。
稀有なんて言われなくなり、普通のおじさんでも、
稀有を謳って、目立っていたい。
行き違いの恋みたいな純朴な節操を、
歌舞いて、見損なった丁で、
また愛なんですねなんて言いたい。
だから稀有で居られる気がする。
早熟のダンサーが、最終的に娘婿に選ぶのは、
突拍子もなく、穏やかなフリをしているアイツ。