おはよう魔王様
妾はわらわなのだ。
何気ない朝。
妾はふかふかぬくぬくのベッドの中で、セバスに呼ばれて目を覚ます。
髪は妾が朦朧とする意識の中にいる間に侍女たちが梳かしてくれて、視界が晴れてきたら、セバスの淹れたあつあつの紅茶で一気に目を覚ます。
セバスは最近茶葉にもこだわってて、毎日妾の気分に合うようにオリジナルのブレンドをしてくれるデキる執事。
朝食は母様と父様と一緒に、豪勢かつヘルシーなものを食べて。
それが終わったら、妾は母様とお散歩に。
母様は歩くのが少し遅いから、妾の方から歩み寄って、手を握って。同じ速度で、同じ景色を見て笑って。
帰ってきたら、いつも一緒に行けなくていじける父様を慰めに書斎に立ち寄って、いい子いい子をしてあげて。元気が出た父様は書類の山に飛びつくから、それを見届けたら、次はペットの様子を見るために中庭に足を運ぶの。
中庭には小さめの池と、もっと小さめの林があって、そこにペットのカエルたちと、子鹿と蛇がいる。
なんだか複雑な関係になりそうな皆だけど、ここの皆は仲良しで、食べ合うどころか喧嘩のひとつもしないわ。だから妾もついつい長居しちゃって、いつもセバスが探しに来てくれるの。お昼ご飯ができましたよ〜って。
そういう朝を、妾は生きてる。
そういう、幸せな、朝をーーー、妾は。
生きたかった。
「寒いのじゃ。」
幸せな夢から覚めた妾を出迎えたのは、肌が凍るような冷気だった。
*この作品は多方面への配慮を夢の中に忘れてきました。筆者が頭空っぽで書けるように用意した箸休めの場であることを理解した上でお楽しみください。




