7.山賊になったらしい。
いきなりバディになれと言われたのだった。
「バ、バディ?どういうこと?」
俺は女性に聞いてみる。
「あ?バディはバディだよ。相棒!仲間!そんな感じよ。」
いやいやいやいや、そんなどや顔で言われてもわからないんだけど……
山賊になる……ってことなのか?
そういう体で払うだったか……
「バディにするのはいいけどよレミィよぉ。そいつは使えんのかい?ずいぶんなよなよしいが……」
幼女は女性に聞いた。
「多分使えるはずだよ。よく知らないけどね。」
「感、かい……まあレミィの感はよく当たるからね。いいだろう!そいつを一家に迎えることを認めよう!」
その言葉とともに周りがギャーギャー騒ぎ始める。
「いや!てか、山賊って……ッ……」
話している最中に男どもが集まり俺を囲み騒ぎ始める。
俺は男の波に溺れ気を失ってしまった。
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気が付くと見覚えのある天井があった。
村の我が家の天井……ではなくあの女性の家の天井だ。
「おはよう。やっと起きたかい。根性なしが。ほら準備しな!行くよ。」
彼女はそう言ってドアのほうに歩いていく。
「ちょ!待って待って!行くってどこへ?」
「はあ?どこって仕事へさ!当たり前だろう?」
「当たり前って、まだ俺はやるなんて一言も……」
「うだうだうるさいねえ。自分で言ったんだろう?身売りでもなんでもーって」
確かに言ったな。
とはいえ自分が山賊になるなんて思いもしないだろうて……。
「ほら!行くよ!時間がないんだ!」
不服ながらも俺はうなずきついて行った。
「てか、仕事って何をするんですか?」
「そりゃあ、盗みさ」
「盗み!?犯罪じゃないですか!」
「何を馬鹿なこと言ってるんだい。山賊なんだから当たり前だろう?盗みに殺し、何でもやるさ。」
そうだった。
すごくきれいな人だから忘れがちだが、この人は山賊だったんだった。
「最低だな……」
「まああんたももう同類……同じ山賊だけどね。」
「そうだった。」
「まあ、うちは他よりだいぶましだけどね……」
ほんとにこれからどうなるのだろうか。
先行きが不安だ。
そうこう話しながら森を歩いていると町が見えてきた。
「さあ、到着だ。仕事をするよ。」
そう言って町の中に入る。
入り口には衛兵がいたが行商人と言ってあっさりスルーし、ある大きな家の前まで到着した。
「さあ入るよ。」
そう言って女性は窓を割り侵入する。そして慣れたようにすたすたと歩いていく。
(ちょっ、早い早い)
俺もそれに必死でついて行く。
そうしてばれずに金庫のようなところまで到着した。
そして慣れた手つきで金庫も明け中に入り袋を取り出しお金を詰め始めた。
「ほら!急いで!手伝いな!」
その声で俺も手伝い袋に詰め、そして何事もなく屋敷を脱出し、そして小屋まで帰ってくることに成功した。
「盗みってこんな簡単にできるもんなんですね……」
「簡単?そんなことないよ俺がうまいだけさ。」
そう言って彼女は荷物を降ろしベットに寝転がった。
「明日は何をするんですか?」
「明日は基本は狩りかな?まあ今日よりは楽さ。」
「なるほど……そんなこともするんですね」
「まあ、飯は自分たちで用意しないといけないからね。」
「お金で買わないんですか?」
「まあこの金の使い道はそんなのじゃないからね。」
「じゃあ何に使うんですか?」
「じきに分かるよ」
そんな話をしてこの日は眠りについた。
その後も何度か仕事をこなして言った。
そして次の仕事がまた決まり、それはある人物の殺害だった。
遅くなりました!