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6.絶望

竜に追い詰められたレオは父の魔道具で逃がされた。

目が覚めるとそこは薄暗い森の中だった。

火によって燃え朽ちた村ではなく、ただの森……


俺はただただ絶望していた。

生き延びたことへのうれしさよりも、すべてを失い生き延びてしまったことへの罪悪感、喪失感のほうが勝っていたのだ。


俺はその場に座り込みただただ呆然としていた。

何もする気力がわかなかったのだ。

そりゃそうであるすべてを失ったのだ。

こうもなる。


そうして少しすると俺の頭の中には一つの言葉が浮かんだ。

(もういいや、死のう。)

俺は自殺を考えた。


コミックの主人公ならまた立ち上がり復讐を誓うかもしれないが、俺は普通の男性。

また立ち上がることなどできるわけがなかった。


そしてそうなってしまえば生きる意味も何もかもなくなっていた。

生きてるほうがつらいと考えたのだ。


そうして俺は近くにあった鋭利な石に手をかけた。

そして首元に持っていき、それを勢いよく……


刺すことはできなかった。

もう何もない、生きる意味も、大事な人も、帰る場所も。

でも死ねなかった。

父の最後の言葉が死ぬことを許してくれなかったのだ。


かと言って何もする気力はわかないから俺は多々座り込み空を眺めた。


そうして俺はただただ呆然として時を過ごした。

朝が来てまた夜が来て、それを繰り返し気づくと3日ほど月日が流れていた。


腹は当たり前に減るが、食べる気も起きず、睡魔はくるが寝ることもできず、気づけば俺は気を失ってしまっていた。


目が覚めると見慣れない天井が目に入った。

天井?

森の中にいたはずなのだが?

なんで小屋に……?


そんなことを思いながら横を見るとひとりの女が隣に座っていた。


その女は俺を見るなり話しかけてきた。

「おお、起きたか?じゃーさっさと出ていきな。」


状況が理解できなかった俺は無言でただその女を見ていた。

その女は、女といっていいのかわからないほど野性味が強い見た目で、所々砂や血の跡があり汚らしい見た目をしていた。まさに山賊という感じの見た目だった。


「おい?何をジロジロ見てんだ?というか早く出ていきな。お前がいると寝場所がとられてたまったもんじゃないんだよ。」

「ここは?どうしてここに……?」

俺は何も分からなかったので女に聞いてみることにした。


「ああ?死にそうな顔で森に倒れてたから拾ってやったんだよ。金目の物持ってそうな身なりだったしな。」

「なるほど、助けてくれたんですね。ありがとうございます。」

「礼はいらないから早く出ていきな。あ、金目のものは置いていけな。」


女はけだるそうにそう言って椅子から立ち上がった。

どうやら俺はこの女性に助けられたらしい。

ベッドも貸してくれて、そのおかげでだいぶゆっくり休めた。

心なしかさっきよりは気持ちも軽くはなったか、多少だが……


とはいえさすがに長居するわけにもいかないからどこか行かないとな……

「助けていただきありがとうございました。お礼したいのは山々なのですが先日すべて失いまして何も返せませんので…すいません…」

「すべてって…家もか?」

「はい、家も親もすべてなくなりました」

「そ、そうかい。なんかわるかったね」

「いえ。こちらこそ。では、お世話になりました。」


そうして俺は立ち上がりドアのほうに歩いていく。


「まちな!」


俺はその声に立ち上がる。


「あんた何かできることはあるかい?」

俺は振り返り女を見る。


「見てわかるかと思うがあたしゃ賊さ、何もなしで帰すなんてそんなことするはずがないだろう?」

「じゃあどうしろと…?」

「そうだねぇ…何も持ってないんじゃ体で返してもらうしかないね」


体で返せか……

身売りか何かか……

まあ死のうと思ってたくらいだしまあそれでもいいか……


「わかりました。身売りでもなんでもどうぞ。」

「残念ながら身売りなんてそんなことしないさ。顔は悪くないが男は安いからね。」

「じゃあどうしろと?」

「ついてきな」


そう言って俺は森を歩かされ、違う山奥の小屋に連れてこられた。

そうして女性はその小屋のドアを勢いよく開けそして叫んだ。


「頭ぁ!ちょっといいかい!」


その小屋の中には、女性と同じく小汚い男どもがわんさかといた。

酒を飲んだり、剣を研いだり、走り回っていたりいろいろだ。

そしてその奥に座っていた男が立ち上がりこっちに歩いてきた。

がたいがよく眼光は鋭くまさにお頭という見た目をした男だった。


「朝っぱらから何んだあ?」

「いや頭に話があってな……」

「どんなだ?」

「それは、こいつについてだ」

「ほう?」


そんな話をしていた。

いやッてかすげえ貫禄だお頭さん。

殺されそうだなあ。

食われたりしちゃうんかな…はは


「だそうだ。頭ぁ、話聞いてやってくれえ」


その男の口から頭という言葉が出てきた。

ん?頭って呼んだ?こいつが頭じゃ……?

そういうと後ろから小さな女の子が出てきてしゃべりだした。


「ふぁぁ…んだよ。寝てたのに。つまんねえ話ならぶっ殺すぞ?レミィ」


その幼女は眠そうにしながらそう告げた


「ああ、すまねえお頭」


そう言いながら俺は前に出される。


「こいつをさ、俺のバディにしようと思うんだ」

「…は?」


そうして俺は山賊一家に入った。

相変わらず文章はつたないですがペース早く書けてます!頑張ります!

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