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2.調べ物が終了したらしい

転生した【田中 篤】は竜を倒すため、まずこの世界について調べることにした。そんなこんなで少し時が流れる。

そうして5年の月日がたった。

俺は5歳になり、歩いたり話せるようになった。


俺は計画通りこの五年間で色々なことを調べて、様々な知識を手に入れた。

知識のもとは父の部屋にあった。


実は、父は見た目だけではなく本当に学者であったためこの世界の色々な本を持っていたのだ。

なので、父の留守の時や眠っているときに着々とその本たちを俺は読み進め、この五年で父の本棚を制覇することに成功したのである。

(いや、ほんとにあれは大変だったなあ)


父の部屋はなかなかに広く。本の量も大量だった。

学校の図書館ぐらいの量はあったと思う。

俺はその本たちをすべて読破したのだ。


そのおかげで俺はいろいろなことを知ることができた。


まず本を読んで知ったのは俺が住むこの世界……【ユートフィア】のことだった。

このことが調べたなかで一番驚きの事実であった。


それはこの世界の名前に関してなのだが。

この世界の名前は【ユートフィア】ではなかったのだ。


この世界の本当の名前は【ドラゴニカ】といって、竜神【ファルフス】という竜が作った世界なのだそうだ。


この世界に初めて生まれ落ちたのがこの【ファルフス】という竜で、ファルフスは何もない世界は退屈だと思い大陸を創造し、海を創造し、人間やほかの種族をも創造し、そうして今のこの世界を作ったのだそうだ。

そして、作った生命を我が子のように愛し今も俺らのことを見守ってくれているそうだ。


そうして竜が作り見守るこの世界をいつしかみな【ドラゴニカ】と呼ぶようになったそうだ。


……


ずいぶん俺の聞いていた話とは違う。

竜は人類の敵で悪だと聞いていたのだが、この世界の常識では竜は神のような存在で人間を守ってくれているらしい。

本当はいいやつだったのだ。


まあ、とはいえほんとかどうかはわからないけどな。

実際俺は竜を恨んでいる人物に会っているわけだし…

この話は竜が作った作り話で。本当は悪者の可能性だってある。


(まあ逆にエルクトゥスが悪者で俺が騙されている可能性もあるんだけど……)


しかし、俺はエルクトゥスの部下だ。

転生した時点でもう裏切れないし、もとより恩もあるから裏切るつもりもない。

だから竜がどんな存在でも俺は立ち向かわなくてはならないのだ。


(でもハードルは確実に上がったな。)


神とされているものを殺そうとしているのだ。

それならば俺は間違いなく世界の反逆者として扱われるだろう。


要するに、たくらみがばれた時点でthe end。

すなわち死だ。

迂闊に動けなくなったな。


竜と戦うんだ。

できれば仲間も集めたかったが……

これも絶望的だな。

とんだクソゲーだ。


まあなんにしても、今後の動きは後々ちゃんと考えていかなければいけなそうだ。


そして種族についても情報を手に入れることができた。

それはこの世界には大きく分けて六つの種族がいるらしいということだ。


エルフ

ドワーフ

獣人

魔人

人間

そして竜


この六種族がこの世界にはいるらしい。

そしてこの六種族は大陸ごとに分かれて暮らしている


大陸ごとというのは……

この世界は一つの大きい大陸ではなく、離れた七つの大陸で構成されているらしい。


というのも、世界はもともと一つだったらしいのだが、戦争しかしない六種族を見かねた竜神が、大陸を七つに切り離し、一つずつを種族ごとに分け与えたらしい。


そうして、種族間の戦争もなく関わりもない今の世の中が出来上がったそうだ。


ちなみに、この世界は六つの大陸がドーナッツのように円になってならんでおりその円の中央に竜の住む本大陸があるという形なのだそうだ。


ついでに俺の住んでいる国は【リザドル王国】という国らしい。

人間の住む大陸の中で五大大国と呼ばれる大きな国の一つなのだそうだ。


この国の特徴は軍事力が非常に高く、竜神を信仰する宗教【竜信教】の強信者が多い傾向にあるそうだ。


まさに俺の天敵のような国である。

これはほんとに偶然なのだろうか。


まあとにかく、世界について知れたのはこんな感じだ。


次に能力についてだが……

未だによく分かっていない。


ゲームみたいにステータスもなければスキルもないしとびぬけた才能も今のところはない。

まあ、あるとすると翻訳くらいだ。


まあ翻訳は助かっているからいいのだが……

これが能力のすべてではないだろう。


(これじゃ竜とは戦えないからな。)


まあこれからも探っていこうと思う。

使いこなさなければいけないからな。

竜と戦うために…。


そういえば翻訳については一つ欠点を見つけた。


それは、会話である。


どう欠点なのかというと、相手の言葉は翻訳してくれるのだが、俺の言葉は翻訳されないという点だ。

要するに聞き取れるが話せないのだ。


これは大問題だと思い焦ったのだが。

本を翻訳しながら読んでいたおかげか言語の本質を理解していっていたため、勉強を始めるとすぐに話せるようになり、あまり問題にはならなかった。


まあ正直翻訳があったからいけたもののなかったらと思うとぞっとするほど勉強してみると難しかった。

まあ、本当に何もわからない言語が現れたわけだからな。


まあ何より大事にはならなかった。

ほんとに助かった。


まあそんな感じで、能力は使えるようにこれからも探っていくことにする。


そして最後に魔法だ。

正直最も知識を得たのはこれといってもいい。


まずさっきも言ったがこの世界には漫画でよくあるステータスも職業もない。

職業適性なるものはあるらしいが、それはまた別の話だった。


基本、魔法や剣は努力をすれば誰でも使えるというものらしい。

魔法には魔力というものを利用するらしく、総量に個人差はあるが誰でも少しは必ず持っているもので、だから誰でも使えるらしい。


まあ得て不得手はあるらしいし、魔力総量や、魔力操作技術次第で使える魔法も限られてはくるらしい。

まあ要するに、スポーツとかと同じで才能はしっかり関係するのだ。


ついでに、魔法には強さのレベルと種類があって

レベルは下から


初級

中級

上級

天級

竜級

神級


の六段階があり種類は



の五元素と呼ばれるものと特殊魔法がいくつかあるらしい。


基本適性などもなく詠唱すればだれでも使えるそうだ。


そして魔力の総量は生まれつき決まっていてふつうは増えることはないらしい。

ついでに魔力の操作技術次第では失敗する恐れもあり、失敗すると暴発してしまうらしい。


そのため怖くて今日まで実践はしてこなかった。

俺は何事にもセンスがないしな……


ついでに魔力とは何かということについては。

実は俺もよく分かっていない。


一応本には書いてあったのだが、よくわからない難しい言葉がつらつらと書いてあったため放置した。

まあ、要するに生まれながらに謎に持ってた不思議な力といった認識で問題はないだろう。


一応得た知識はこんな感じである。


そして、実はこんなにも調べているのだが俺はまだ魔法を実践したことがない。

一応、初級魔法教本という本を父が持っていたためやってみようと思えばできたのだが……

俺はちきっていたのだ。

チキンだったのだ。


まあでも怖いもんね。

失敗すると暴発するらしいし……

俺センスないし?

死にたくないじゃん?

仕方ないよね、うんうん。


でも……

(さすがに試してみるか…)


一旦調べ物もひと段落したし歩けるようにもなって鍛えられるようになったんだ。

ここからは竜と戦うために強くならなきゃいけない

鍛えなきゃいけない。


能力も、魔法も、剣も全部できなきゃきっと竜には勝てないだろう。

だから、いつかはやらなければいけない。


それにこんなのでビビッてちゃ、竜と戦えるわけないし……


(よしっ……)


だから試すことにする。

よしやるぞ。

やってやるぞ。


そう思いながら俺は教本を開いてみる。

中には、大量の呪文とその魔法の説明がイラスト付きで書かれていた。


そして、その魔法達の中に俺は見たことのある魔法を見つけた。

俺はそれを最初の魔法に決めた。


そして気合を入れ、俺は詠唱を始める。


「えーっと、迷える人を等しく照らす光となれ【ライト】」


体中がだんだん熱くなりその熱いものがまず心臓らへんに集まるのを感じた。

そしてその集まった熱いものが肩、そして肘を通って指先へと向かっていく。

そして指先に集まった途端徐々に熱さは消え、消えていくと同時に指先に徐々に小さな光が集まっていき、そして光の玉が完成した。


「で、できた……!よしゃー!」


初めての魔法は成功した!


そうそれは赤子の時初めて見た魔法。

母が俺に見せてくれた魔法だった。


そんなことより使えたのだ!

魔法が!

俺にも!


魔力だのなんだのよくは理解していなかったから使えるのか心配していたが、とんだ杞憂だった。

本当に良かった!


俺は大興奮だった。

「ん?なんだこの感覚……」


そしてなんといきなり俺の体に変化が生じた。


魔力?と思わしきものを感じられるようになったのだ。

いや、よくわからないんだが今までに感じたことのないものだから多分魔力だろう。


でもなんでいきなり感じられるようになったんだろうか……?

魔法を発動したことで、体の魔力を感じる感覚が活性化されたとかなのか?

何にしてもわからないがこれは……


(すごい!これが魔力!白い靄が体中に満ちている感覚だ!)


そういえば昔、異世界系漫画で魔力を感じられれば無詠唱で魔法が使えるとか見たことがある気がする。

ということは、もしかして今無詠唱できるんじゃないか!


「物は試しだ、やってみるか」


そうして漫画の内容を思い出し実践してみる。

さっきの魔法の形、光が集まって丸い形になる感じを創造してから、魔力を掌に集めるイメージで!


(くそ動かすの難しいな…)


お、来た!

これならいけるはず!


「よし!いっけええ!【ライト】!!」


掌に光が集まっていく、その光はどんどん集まり球状になっていく

そして気づくとさっきと同じ形大きさになった。


「よし、成功だ!……ってあれ?」


しかしそこから光は止まらずどんどん集まり大きくなっていく

そしてすごい大きさまでふくれ上がる

そして

「あ、やべ……」


その光はとどまり切れなくなり爆発しあたりを包み込んだ。


そして、俺を含めあたり一面が光に包まれた。













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