17.革命
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王城裏門側広場
「潜入完了だな。この後は……?」
「そうね。作戦通りすぐに城門の開門に向かいましょう。『同化布』を使っているとはいえ、王城にいる騎士は精鋭揃い……油断せずに行くわよ。」
レミィたちはお互いうなずき合い城門のほうへと駆け出した。
城門に着くとそこには四人程度の騎士が監視役として立っているようだった。
「敵は4人か……予想通りね。」
「だな。じゃあ作戦通りあいつらをとっちめて門を開放……でいいんだよな?」
「そうね。それで大丈夫よ。でも、ばれたら元も子もないから、慎重に……ね?」
全員は視線をかわし静かにうなずいた。
「よしじゃあ。散開……!」
レミィ含む4人は、マイルーンの命令と同時に一斉に騎士に向かい走っていった。
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同時刻 王城門の前
「まったく、今日も平和だねぇ……」
「おい!気を引き締めないか!仕事中だぞ!」
「そんな、かっかしねえでくれよ~先輩!」
門の前で座り込み、だらしない態度を立っている兵士に向かって先輩兵士は注意をしていた。
「まったく……なんで左門とは違い、私の後輩はこんなにちゃらんぽらんなのだ……」
「おいおいおい!それはあんまりじゃねえか先輩!あんなお堅い左側の連中と比べるなんてよ!!」
後輩の兵士はそう言って地団太を踏んでいる。
「そんな言い方をするな!!大きいからこそ門の左、右で分けられてはいるが、この偉大なる大きな王城の門を任せられている仲間なのだぞ!?見習いこそすれど、そんな言い方はよしなさい!」
「ちぇっ。もうほんとうるせえなあ……」
「うるさいとはなんだ!」
先輩騎士はだるそうにしゃべる後輩騎士を大きな声で怒鳴りつけた。
「っ……ぅっせ!てか、大体そんなまじめにやんなくても、うちの王城に攻めてこようなんて命知らずはいないだろって!?実際配属されてから毎日立ってるだけでほとんど何もないんだからよお」
「それでも大事な仕事に変わりはない!何かあってからでは遅いのだぞ!」
「なにもねえって~。」
「くううう……その腐りきった態度……それにさすがにそのセリフは看過できん!!教育してやる!来い!」
そう言って後輩騎士は先輩騎士に耳を引っ張られる。
「いてててっ!ちょまってよ先輩……!いてててっ!ちょちょ。先輩が仕事放棄するんすか~!」
「うるさい!」
そう言って、後輩の言葉も気にせず、先輩騎士は後輩の耳をもち引きずるようにどこかへ連れて行こうとした。
「がああああああああ……!」
しかし突然左側から叫び声が聞こえ、そしてその足を止めた。
「な、なんだ……」
その声のほうを見てみると兵士が血を流し、そして倒れていた。
それと同時に俺の耳から先輩の手が離れ俺は地面に頭をぶつけた。
「いってぇっ……。いきなり離すなよお……って……。せ……先輩、あれ……。やばくねえか……?」
「…………」
「あいつら……た……たおれて……それに血も……」
「…………」
「ちょ……絶対やべえよ……。どうすれば……。先輩!どうすればいいっすか……!?」
「…………」
「ちょ……先輩。なんで何も言わないんです……?先輩……?せんぱ……」
振り返るとそこには誰もいなかった。
さっきまで先輩が立っていたはずの場所には何もなかった。
それを確認したのと同時に俺の手に生暖かい感覚を感じた。
「…………」
「あ…………」
下を見るとそこには首を一突きにされ、血を流し倒れる先輩らしきものがあった。
いきなりのことで後輩騎士は状況が理解できなかった。
(な……なんだ……何が起きたんだ……。先輩は……?死んだ……のか……なんで、いつ……どうやって……。)
数秒考えてすぐある考えが頭に浮かんだ。
(そんなことより、敵襲だ……。ここにいたら俺も殺される……。急いで逃げねえと……!)
そう思い、急いで逃げようとして、立ち上がろうとした。
しかしそうしようとしたのにも関わらず俺の視界はなぜか地面に向かった。
そして、抵抗できないまま俺は地面と激突した。
(次はなんだ……一体何が起こって……?…………っ!?)
地面にぶつかった痛みに耐えながら、何が起きているのか知るために目の前を見てみると目の前にはなぜか首のない俺の体が倒れていた。
突然の出来事に最初は戸惑ってしまったが、目の前の光景にすぐに俺は理解した。
俺は首を切られたのだと……死ぬのだと……
そうして俺の意識はどんどん遠のいていった。
「よし……。こっちは完了だ。」
「こっちもよ。作戦完了ね。早く門を開けちゃいましょ。」
「ああ……。」
そうして完全に意識が遠のく間際に、そんな話声が聞こえ、そしてすぐにその声は遠ざかっていった。
(くそ……。敵襲……ほんとに攻めてくるやつがいたなんて、馬鹿なやつもいるもんだぜ……。絶対にすぐに制圧されるだけなのによぉ……。くそっ……。最悪だな……。こんなで死ぬのかよぉ……ああ……つまんねぇ……。せめて…………もし、叶うなら俺を殺したくそどもに凄惨な結末を……)
そうして後輩騎士は…………騎士たちは息を引き取った。
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ほぼ、同時刻、王城門の前森の中
そこには武装した、ゾフと山賊たちが隠れていた。
「よぉし……てめえらぁぁ…………!準備はいいなぁぁ……?」
ゾフの呼びかけに山賊たちは次々に手を上げ答えた。
ゾフもそれを見てうなずいて答えた。
「よおぉぉしぃ!じゃー作戦通り俺らぁは入ったらぁ全力で暴れるぞぉ!そんでもし死にそうになったらすぐに全力でにげろぉ……!先陣はぁ俺がきるぅ!だからおめえらぁは門が開き次第全力でぇついてこおおおい!!」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
山賊たちはまたもゾフに合わせて雄たけびをあげ、うんうん、とゾフはうなずいた。
そして、そのタイミングでタイミングよくいきなり門が開き始めた。
ゾフたちはそれを確認し、そして一斉に立ち上がり隠れていた森から出た。
「よおぉぉぉぉぉし!時間だぁ!おめえらぁぁぁ!!!行くぞおおお!!!」
「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
そして、その掛け声とともにゾフたちは王城の中へと一斉に駆け出した。
門の前には先発隊の5人が出迎えていた。
そしてゾフたちが門に着くのと同時にそこに合流し、門を抜け全員で城に向かい走り始めた。
「な……何事だあああ!!」
そのタイミングで異変に気付いた他の兵士たちが城の中から出てきた。
そして倒れている兵を見つけ「敵襲だ!!」そう叫びをあげ、すごい早さで兵士たちがさらに現れ山賊たちを包囲しそして構えた。
「一瞬で包囲されたな……」
「そりゃそうよ……王城だもの……本当なら王門をくぐる前にこうなっていたはずよ。
「くそ、マジかよ……改めてやべえなあ……どうすんだよ。」
「どうするも何も戦うしかないわよ!」
「こんな人数を相手にか?無理だろ……」
「……」
レミィとマイルーンは兵士たちの対応の早さに驚きそして萎縮していた。
そしてそれは他の山賊たちも例外ではなく、みな兵士の動きに圧倒され動きを止められてしまった。
そして、武装した兵士にじりじりと詰められ、どんどん動きずらくなっていた。
「おめえらぁ……このくらいで弱音なんて吐いてんじゃぁねええ!」
萎縮している山賊たちに向かいゾフがいきなりそう叫びだした。
そして背中に背負っていた棍棒を手に取りそして振りかぶった。
「ちょ…………ゾフ!?」
「行くぞおおお!!」
そしてそのままゾフは棍棒を振り下ろした。
振り下ろされるのを見た兵士たちは警戒し守れるように全員して武器を構えた。
「おおおおおおおおおおおお!『巨大棍棒』おおおおおお!!!」
そしてゾフは振り下ろしている最中にそう叫んだ。
棍棒はどんどんと大きくなりそして、「ドゴォオオオオオオン!」という大きい音とともに体制を整えていた兵士ごと棍棒で叩き潰した。
「す……すごっ……」
「粉々じゃねーか……」
レミィたちはその光景に驚いた顔をしてみていた。
「おめえらぁ……ぼーっとしてんじゃねぇぞぉ……」
そう言って城外の兵士を全部倒した後、ゾフは王城の壁も『巨大棍棒』で壊し中へと入っていった。
「ほんと……すごいわね……ゾフもあの|遺物も……」
「ほんとだねぇ……鬼に金棒とはこのことだね……」
その後、ゾフを追ってレミィたちも城内へと入っていくのだった。
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同時刻、城内の王の間
中央の最奥には椅子があり、扉からその椅子までの道には騎士が柱のように立ち並び、その大きな椅子に王が一人座り、その隣には騎士長が立ち、前には何人かの大臣が立ち話し合いをしていた。
そしてそこに一人の兵士が入ってきた。
「なんの騒ぎだ?」
王は兵士ににそう尋ねる。
「族が……攻め込んできました……見張りの城外の兵は壊滅……城壁を壊され族に侵入されてしまいました……」
「ほう……なかなかやりおる……」
「どういたしますか?」
隣に立っていた騎士長は王にそう尋ねた。
「わかっておろう?王城に入ったのだ。許されぬ……皆殺しだ。騎士団を出せ。素早く一匹残らず殺すのだ。」
「御意」
その命令を聞くと騎士長は王に一礼をし、目の前の騎士たちもとへといった。
「王命だ!素早く族を殺せ!行け!」
「「御意!!」」
そう言って、並んでいた騎士たちの半数が一斉に動き出し、王の間を出て行った。




