エピソード5 マーメイド
魔王城・湖
魔王城の湖のある場所、ここにはとある魔物が存在している。
魔王エヴォルを守護する《魔王軍四天王》の一人にして人魚のマリーベルが現れた。
「お久しゅうございます。エヴォル様」
「久しぶりだなマリーベル」
マリーベルは右腕の手を胸に置き、雄麗な動きをしてエヴォルにお辞儀する。
あまりにも美しい動作にエヴォルは「ほう」っとため息を吐いてそう呟く。
「相変わらず美しいなマリーベル」
「お褒めのお言葉感激にございます。
本日はどのようなご用件で?」
「いや、久しぶりに貴様の歌を聴きたくてな
我の癒しの時間なのだ」
「それは……大変名誉なお言葉を……
このマリーベル…人魚族の誉にございます。」
「そのような言葉は要らぬ
我に貴様の美しい歌声を聴かせておくれ」
「〜〜〜〜〜〜!!
もちろんでございます!」
マリーベルの美しい歌声が湖に響き渡る。
あまりにも綺麗な歌声に小鳥やダークホースなどの魔獣などが現れて聞いている。
エヴォルもその歌声を聴いてかなり癒しになっていた。
先日、エリーゼ姫との会話をした際にかなり疲労してしまった部分と、人間相手の頃を思い出した苛立ちのせいで、かなり癒しになっている。
歌が全部終わるとエヴォルは微笑みながらいった。
「変わらずいい歌だ。
歌姫の異名は伊達ではないな」
「お褒めのお言葉感激にございますが私など、先代に比べればまだまだでございます。」
マリーベルはそう呟くとエヴォルは「そんなことないぞ」というが、それでもまだ、自分はまだだと本気で思っているのか、少し暗い顔をしていた。
「何か悩みでもあるのか?
マリー」
「……私は先代を越えるために様々な魔法や歌を練習してきましたが、全くといっていいほど、追いつくことができません……
あの美しかった歌を……私はまだ会得できていないのです……」
マリーベルの話を聞いてエヴォルは初めて聞いた。
そして、自分が《魔王四天王》のことの事情をしっかり理解していないことが嫌でもわかってしまったのだ。
「人魚の誇りにかけて道具などに頼らずにマスターしたいのです!!」
そういってマリーベルは意気込んでいく。
エヴォルはその姿を見て眩しいと思ってしまった。
そして、力を貸したいと思っている。可愛い部下のためだ。
そういってエヴォルは紙に何かを書いていく。
「マリーベルよ。この配合のものを飲んでみるといい。
声が透明感になり、響きやすくなる。それを繰り返せば、マリーベル……
お前は先代を越えることができると我は信じている。」
そういってマリーベルにそのレシピを渡す。
マリーベルは感激したような顔をする。
「私のような雑兵のためにありがとうございます!!」
「何を言っている。
我は貴様らを雑兵などと思ったことなどない。
我にとって大切な部下であり、家族のようなものだ。
我こそ、玉座でふんぞりかえるだけで、貴様らの苦労を理解しておらんなんだ
すまんな」
「!!!そのようなことを思うなど誰もいないです!!
魔王様が我々の生存のために一生懸命ガルム殿たちと作戦を練っていることを我々は知っております!!」
マリーベルはエヴォルにそういうとエヴォルは微笑んで感謝を言った。
「貴様ら部下の言葉が我にとっていい労いだな」
そういってエヴォルはそのまま湖から離れていった。
マリーベルはそのままエヴォルを見送っていくが、魔王がいなくなるまで、そのまま見送っていた。
今回はマーメイドでした!
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