エピソード3 ガーゴイル
今回は少しシリアスです^^;
魔王城
それは魔物たちと魔王の本拠地。この本拠地では城内には魔物たちがおり、街にも強力な魔物たちが蔓延っている。
しかし、この魔物たち以外にも魔族領の入り口には複数の銅像らしきものがあるのだ。
今回は俺はその近辺の所に向かって行っていた。
「久しいな。ガーゴイル」
『魔王閣下か……』
銅像だったものが動き出したのは魔族領の門番の《ガーゴイル》
その中でも最古のガーゴイルと言われるものだ。
「なんだ?気力が感じないが…?」
『某は……このままここを守っているだけでよろしいのでしょうか…?』
「何を言うか、貴様がここを守っているからこそ、魔族領は無事なのだ。」
魔王は本心を伝える。
彼の存在がいなければ、セレスタイト王国だけでなく、そのほかの各国からの攻撃を受けてしまい、魔王領が壊滅する寸前するかもしれないレベルかもしれないのだ。
それほどまでに彼のやっていることはかなり素晴らしいものなのだ。
『ですが………』
ガーゴイルはそう言って魔王を見る。
魔王はガーゴイルの肩に手を置いて労いの言葉をかけた。
「お前はよくやってくれている。
それは俺たちがよくわかっている。
そんなに思い詰めるなガーゴイル」
ガーゴイルは魔王の顔を見る。
その顔は穏やかなものだった。ガーゴイルはその顔に驚いていた。
「お前はしっかりやってくれている。
自信を持てガーゴイル」
『魔王閣下……ありがとうございます。』
ガーゴイルは魔王からの評価はかなり嬉しいものなのか、感情が込み上げてくる。
表情がないから判断が難しいが、なんとなくそんな気がした。
そして、ガーゴイルは何かを思い出したかのように言った。
『魔王閣下、最近魔王閣下以外の魔王様の行動が気になります。
故にお気をつけくださいませ
御身に何かありましたら、我等の領地が他の魔王たちの手によって滅ぼされる場合だってあるのです。
人間だけではないのです。我等の敵は……』
ガーゴイルはそういうと、魔王は軽く笑みを浮かべていった。
「我はそう簡単にはやられない…
お前たちのような優秀な部下たちがいて、お前たちのように我のことを思ってくれる民がいるのだ。
我は負けぬさ……!!」
魔王がそう言うと
『「《パッシブスキル・■■■■■が起動しました》」』
魔王の脳裏に謎の声が響き渡った。
そして、魔王の体に赤黒い魔力に紅の稲妻のようなものが纏い始まる。
その魔力を見て、ガーゴイルは驚愕した。
『!!!!!!?(……な、なんという魔力だ……!!?
い、今まで感じたことのない……)』
ガーゴイルだけでなく、これには魔王は驚愕していた。
「(なんだこれ……頭ん中で変な声が聞こえたと思ったら……!!?)」
落ち着け……落ち着くんだ……
ふぅ〜………
魔王は深呼吸をして、この謎の魔力を押さえ込んでいた。
「すまないな。驚かせてしまって」
『い、いえ……(魔王閣下のあの魔力……なんだったんだ……)』
ガーゴイルはそう呟き、どこかに行く魔王を見ていたのだった。
魔王のこの力の正体を知るのはすぐのことになることを、まだ誰も知らなかった。
魔王エヴォルは自身の領地に戻ると、他の魔物たちが騒いでいた。
今までにないほどの騒ぎように魔王も驚いていた。
「どうしたんだ?」
「ま、魔王閣下様!?」
近くにいた魔物である《リザードマン》に声をかけると、リザードマンは驚いたような顔をしていた。
「じ、実は……《エリーゼ姫》が魔王様と面会したいといっていて……」
「なんだと……?」
そう、この時誰も知らなかったのだ。
これから起きるであろう、姫との話し合いで、自分たちの在り方が変わると言うことを……
次回はお姫様との相談です!