エピソード2 ゴブリン
ここは魔王城
ここでは魔王たちと魔王の配下がたくさん住んで、人間界を征服しようと画策していた。
そして今、魔王は城内を歩きながら考え事をしていた。
「うむ……ウェポンスライムがかなり頑張ってくれているようだな……」
いやマジですげえわ……
魔進化の水であんなにすげえスライムになるなんて誰が思うよ……
魔進化の水が魔王しか使っていけないのはこういうことになるからなんだなぁ……
魔王は己の行動を考えながらそう鑑定スキルを使ってウェポンスライムのステータス画面を見た。
ステータス画面
ウェポンスライム
ステータス
HP 45000
MP 50000
攻撃力 5000(+10000〜)
防御力 7500(+10000〜)
素早さ 10000(+10000〜)
スキル
忠義の武者
憑依
魔力伝導
魔力吸収
いや、本当にこれはすげえは、普通のスライムだった頃に比べたら倍以上の力を持っているし、四天王や部隊長クラス相当には劣るけど、それに匹敵するレベルの力を持っているな……
魔王は若干引きずった顔をして見ている。
すると
「魔王様……」
「ゴブリンか……どうした」
「実は、スライム……いえ、ウェポンスライム殿からお聞きしたのですが、魔王様は我らのような下等な魔物の相談に乗っていただけるとお聞きしましたので」
「そうか……いいだろう。」
そう言って魔王とゴブリンは魔王の執務室の方に向かっていった。
そして、部屋に着くと
「さて、ゴブリン
貴様の相談とはなんだ?」
「私たちゴブリンは女を攫い、繁殖したり、敵殲滅するために軍勢を率いて魔王軍のために戦うことが多くあります。」
「うむ、貴様らゴブリンは素晴らしい行動をしていると我も思っている。」
ゴブリンの行動は人間たちにとっては害悪でも今の俺にとってはかなり優秀な部下だ。
その行動のおかげで、敵国からの攻撃を最小限までに抑えることができているからな
にも関わらず、何を悩んでいるんだ?
こいつらの判断はかなり優秀だと《鬼人のオルガ》から聞いていたんだが……
「俺……人間の女と恋愛したいんです!!」
「…………はっ?」
今この小鬼は何を言っているんだ?
人間の女の子と恋愛がしたい……?なんの冗談だ……?
魔王の頭の中はかなり混乱していた。
スライムの時でかなり慣れていたと思っていたが、それ以上の斜め上行くような話が来るとは思えなかった。
まさに、混乱の極致だった。
「………………よぉくわかった……
だが、人間との恋愛と魔物との恋は難しいと思うぞ?
我々と人間たちは敵対関係だ。
それはわかっているな」
「それでも……私は……!!」
「我は貴様のことを否定しているわけではない
貴様の想いは誰も否定できるものではないからな
だが、現実的ではないことは否定するしかできない。」
いや、なんで魔物が人間に恋するのか意味がわからないけどね……
でも、その想いだけは否定したくない。僕は精神科の先生だからね……想いだけは……否定したくないし、否定できない……
やっぱり、人の形をしているかしていないかの違いで、その他のものは全部一緒なんだな……
「……!!」
「これを貴様に授けよう」
俺はそう言って懐から、りんごのような果物を出した。
「これは……?」
「夢想の果実
お前の真の意味で願いを叶えたいと思うのなら、それを食べろ
それは貴様の願いの糧によってその力を増す。
真に貴様がその願いを叶えたいのなら、俺に証明させてみせろ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
はい!!ありがとうございます!!我らが偉大なる魔王閣下!!」
そう言って勢いよく出ていくゴブリンに魔王は小さく呟く
「フッ……若いな……」
若い男の恋はいいものだな………
俺にはすでに失われてしまった感情だ。
そう思いながら執務に戻って行った。
そして………
「魔王様……相談……
この方なら、私の話を聞いてくれるかもしれませんわね……
魔王・エヴォル・ダークネス様……」
最後の人は誰なんでしょうね〜(すっとぼけ)