エピソード1 スライム
ここは魔王城
異世界に転生した魔王は今、何をやっているのかというと………
『よろしくお願いします』
スライムが魔王と対面しているような形で座って?いた。
「それじゃ、お前は何に悩んでいるのだ?」
『僕たちスライムは………人間たちにとっては経験値であり、女の人間たちにとっては卑猥な存在なんでしょうか?』
「何?」
魔王はスライムの言葉を聞いて、思わず聞き返す。
スライムは悲壮な雰囲気を醸し出して更に続ける。
『僕たちスライムは、冒険者たちにとっては経験値稼ぎであり、女冒険者にとっては汚らわしい存在なんでしょうか……?
僕たちはただスライムだけってだけで嫌われないといけないんですか?』
「う、うむ……」
思ったよりもスライムの人生がかかった話だったあああああああ!!!?
確かにエ○ゲとかじゃ、スライムでピー的なことや、服をとかしたりしてかなり嫌われている感じはあるな……
それにゲームでもスライムは経験値がいいからかなり倒していた分かなり罪悪感が……!!
魔王はかなり心が痛んだが、すぐに魔王としての威厳を出しながらアドバイスをした。
「貴様は嫌われ者ではない。
寧ろ、我々魔王軍の魔物としてふさわしい存在だ。」
『魔王様……』
スライムは信じられないような顔(?)をして自分を見つけてくる。
魔王はそんなスライムに言った。
「貴様のような存在がいるからこそ、我々が暗躍できやすくなっているのだ。
だが、もし、貴様が今の己を受け入れられないのなら、我が認めよう。」
『魔王様……!!』
スライムが感動したように魔王を見つめて(?)くる。
そして、魔王は懐から何かを取り出す。
それをスライムに渡す
『魔王様これは……?』
「貴様が本当に己を変えたいと願うのなら、これを飲め…
これは我が魔王のみが持つことが許される
《魔進化の水》だ」
魔進化の水。
それは飲んだ対象の体を自身の思い通りに進化させることができる最高峰の水なのだ。
スライムは感動のあまり何も言えないような感じだったが、恐る恐る手(?)を伸ばしていく。
『このようなものをいただいていいのでしょうか……?』
「構わない……お前のようなものにこそ、このアイテムを使うべきなのだ。」
『魔王様……!!
このスライム…我が一生を魔王様に捧げましょう!!』
このスライム……なんか武士っぽいな……
しかもなんかカッコいい……
スライムはそのままどこかに行ってしまって、魔王は椅子にそのまま座ったままだったという……
余談だが、スライムはあの後、魔進化の水を飲み、《ウェポンスライム》という独自のスライムに進化して、勇者たちを倒していったそうな……
魔進化の水……恐ろしいアイテムだな……