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序話 希代の悪女メリッサ(4)

 帰り道、微妙な空気が流れたままの二人は、無言のまま別れた。

 自室に戻ってから、アリシアは後悔の念が襲ってきて、今日の自分の言動を恥じた。

なんの非もない親友に悪態をついたのだ。全て自分が悪い。

次、会ったら謝罪しなくてはいけない。

例えシェリルが許してくれなくても、誠心誠意そうしょう、と決心した。  

 ところが、

次の日もその次の日も……宮殿に出入りする貴族達の中に、シェリルがいなかった。

 一週間がたち、さすがにしびれを切らして自分から会いに行く事にしたアリシアは、ノースウェル伯の屋敷を訪問するので、馬車を用意して欲しいと侍女に頼んだ。

 だが、

「あの……ノースウェル伯のお屋敷へは、馬車は出せません」

「何故?」

「何故って、それは……あの」

何故か歯切れが悪い。

「もういいわ、厩役に直接頼むから、ここへ連れてきて!!」

数分後、侍女が連れて来たのは、厩役ではなく、女官長のベリーベッド伯夫人だった。

「ノースウェル伯のお屋敷に参ることはなりません」

と部屋に入ってくるなり、そう言った。

「何故?理由を言ってくれなくては納得出来なくてよ」

「数日前に、聖女ユーリス様が国王陛下に内々に謁見されたそうなのですが、御不許を買ってしまい、陛下は「二度とその顔を見せるな」と大変ご立腹したそうです」

「なんですって」

青天の霹靂だ。

「それは……どうして……何をそんなにお父様は怒ったの?」

「詳しくは私も存じ上げません」

「そう」

 しばらくアリシアは考え込んでいたが、ソファから立ち上がった。

 詳しい話なら当事者である父である国王に聞けばよいのだ。

 アリシアは自分の部屋から出ていった。向かうは政務室だ。

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