46回目 育ってきた者達のおかげで自分も派手に動ける
そうして運営する旅団で新人達は着実に育っている。
三ヶ月の間に4人が戦力として使えるようになった。
ここから奥に行くにはまだまだだが。
それでも、今の場所でなら十分にやっていける。
とはいえ、それもまだ序の口。
以前よりは攻撃が当たりやすくなったといった程度だ。
それぞれの流派の特徴と言える攻撃方法は出せるようになったが。
それもまださほど効果的ではない。
今少し精進が必要ではある。
それでも、諸橋流の広範囲攻撃。
相羽流の必中とも言える一太刀。
それは旅団戦力を確かに強化してくれている。
まだおぼつかない所もあるが、前線を構築し始めていた。
だからこそ、ソウジロウは遠慮無く敵に突っ込んでいく事が出来る。
敵の中に入っていっての攪乱。
それは基本的に飛刃流が得意とするものだ。
しかし、飛刃流の使い手は今はいない。
最初にソウジロウがたたき出している。
その為、その役目はソウジロウがやっている。
その早さは、さすがに飛刃流には及ばない。
突進力や突撃力。
敵への切り込み突入。
そういった戦い方で飛刃流の右に出る者はない。
だが、ソウジロウはそれとは違った形で敵の中に分け入っていく。
飛刃流は突進。
速度で敵の中に入っていく。
また、その勢いで相手に斬りつける。
対して神伝流のソウジロウは、相手の隙間に入っていく。
それは敵を突き破る破壊力はない。
だが、敵の中にするりと入る浸透力を見せていく。
それもまた神伝流の歩法による。
敵の攻撃を避ける動きは、敵の隙間に入る事も可能とする。
そうして敵の横をすり抜けながら斬りつけ、敵を倒していく。
その為、歩みが止まることは無い。
飛刃流は、どうしても相手を正面にとらえがちだ。
その為、攻撃の直前に足を止める必要も出てくる。
それはほんの一瞬の事ではある。
だが、動きが止まる瞬間が発生する。
対して神伝流の動きは、相手のいないところを伝っていく。
速さはそれほどではないが、止まる事は無い。
流れるように動き、敵を倒していく。
結果、意外なほど素速く動く事になっていく。
それでも飛刃流ほど縦横無尽に駆け巡る事は出来ない。
単純な機動力なら、飛刃流がはるかに上だ。
だが、乱戦の中においては、神伝流の方が速く動く事が出来る。
そして、諸橋流ほどではないが、広範囲を制圧していく。




