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40/46

40回目 その頃、彼らは 7

 ヨシフサだけが活躍してるわけではない。

 傍にいる者たちだっている。

 彼らはただ脇役になってるわけではない。

 それぞれの場所で主役をはっている。



 ヨシフサが通過させた化け物は、トシタカが処分していく。

 そのほとんどが傷を負ってるので、倒すのにさほど苦労はしない。

 相羽流の鋭い太刀ならば、ほぼ確実に絶命させることが出来る。

 比較的地味ではあるが、これでほぼ全ての敵が倒れていく。





<< 機能情報 >>



『抜刀術』

 鞘に収まった状態から瞬時に敵を切る手段。

 その応用で素早く攻撃を繰り出すことも可能。



 技術修正の分だけ攻撃命中が上昇。



<< 以上、機能情報 >>





 この段階で欲しいのは、確実に敵をたおす事。

 そのために、絶対に外さない命中が求められる。

 相羽流の剣技はそれを可能とする。

 だからこそ、最後の始末はトシタカがつけていく。



 そんなヨシフサとトシタカの間に新規加入者が入っていく。

 あえて漏らした敵であるが、出来るなら足止めはしておきたい。

 そのために、壁になる者が必要になる。

 それらが足止めしてる間に、トシタカが片付けていく。



 これはヨシフサたち独自の戦術というわけではない。

 探索者の間では基本的な戦い方になる。

 基本的な陣形と言ってもよい。

 ソウジロウのように、止めを刺す役の後ろにいるほうが例外なのだ。

 だからこそ、ヨシフサたちはソウジロウに前に出るように求めていた。



 ただ、ソウジロウはそれを受け入れることはなかった。

 頑として後方に位置していた。

 確かにそこにいれば、どうしても漏れる化け物も倒せるが。

 それはトシタカのような確実に攻撃を当てられる者がやればよい。



 ヨシフサたちからしてみれば、ソウジロウは基本を乱す問題児である。

 おかげで作戦は思うようにいかない。

 基本から外れてるから、立ち回りも考えねばならない。

 余計な手間をかけさせられてきた。



 ここに来て、ようやく一般的なやり方が出来るようになった。

 それがヨシフサ達にはありがたい。

 定番通りというのは、様々な試練を経て研ぎ澄まされたものである。

 面白みはないかもしれないが、無駄や無理もない。

 最も効率が良いのが基本であり定番なのだ。



 そうであるから、定番や基本になったとも言える。

 実戦で試され、修正や訂正をほどこされ。

 そうして生き残ってきたものである。

 仇やおろそかに出来るものではない。



(だから)

 だからこそ、完成形で戦うことが出来る。

 あるべき本来の姿で。

 能力を十全に使える状態で。

(これで、更に前に進む!)

 気合を入れてヨシフサは刀をふるっていった。

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