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よーし、出ていってやる ~使えないと言われ追放されたが、こちらからお断りだ、お前らなんざもう知らん、これからは能力は低くてももっと素直な連中と一緒に上手くやっていく、戻ってこいと言われても、もう遅い~  作者: よぎそーと
2章 再びここから始める迷宮探索、しかし遠回りになるのは悲しい

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19回目 戦闘準備、あるいは狩りの時間

 ソウジロウがやってきたのは、いくらか狭まった道である。

 それでも馬車型トラック2台が余裕をもってすれ違えるくらいの幅はある。

 そこに陣取ったソウジロウは、簡単な罠を設置していく。

 といっても、一般的な罠とは趣が異なる。



 罠とは隠して設置し、相手が嵌まるのを待つものだ。

 だが、迷宮ではそういった事がほぼ不可能になっている。

 迷宮内部の通路は凹凸がほとんどなく、物を隠すような場所がない。

 このため、何かを隠すという事が基本的に不可能になっている。



 それならば壁や床を削ったり掘ればよさそうなものだが。

 これもまたほぼ不可能ときている。

 壊そうと思っても破壊出来ないのだ。

 ツルハシやスコップ、トンカチなどなど。

 一般的な土木作業道具では全く歯が立たない。



 霊気術などを用いても結果は同じだった。

 貴重な火薬を使った爆破でも。

 人類が持ってる様々な手段を使っても、迷宮に傷を付ける事は出来なかった。

 それこそ、石畳やコンクリートのようになってる場所は言うに及ばず。

 むき出しの土のようになってる所もだ。



 おかげで、崩落の危険はないとみられてはいる。

 それはありがたいのだが。

 罠を設置するといった事は難しくなっている。

 何はともあれ隠すという事は不可能だ。



 なので、罠といっても隠して相手に奇襲するようなものではない。

 見えるように置いておくようなものになっている。

 どうしたって相手から見えてしまう。

 なので、見える事を利用したものを設置するようになっている。



 ソウジロウが達が用いるのは、鋭い杭をいくつも連ねたもの。

 長さは30センチくらいだろうか。

 蛇腹状に折りたたまれたそれを、ひろげながら通路に設置していく。

 重しも一緒においていき、それらが簡単に動かないようにしていく。

 これを等間隔に設置して終わりだ。



 当然ながらこれは簡単に見つける事が出来る。

 だが、見えてるから逆に警戒する。

 迂闊に近づけば悲惨な事になるのは分かってる。

 それを警戒して、動きが慎重になる。

 罠の狙いはここにある。



 どうせ隠せないなら、相手に見せて効果があるもの。

 相手を倒さなくてもいいから、動きを阻害するように。

 そうした意図の罠が迷宮内では使われている。

 これらが実際に迷宮内の化け物には効果があった。

 接近するまでの時間を稼ぎ、その間に飛び道具で相手を撃退出来る。



 特に化け物は、大量に出現する事が多い。

 一気に押し寄せられたら、その勢いに飲み込まれてしまう。

 それを阻むだけでも十分だ。

 生き残る可能性がそれだけ高まる。

 ついでに化け物が負傷をしてくれるなら、こんなにありがたい事は無い。



 そうして敵を迎え撃つ体制を作っていく。

 あとは敵を呼び込むだけ。

 その為の餌を用意していく。

 待っているだけでは、効率的な狩りは出来ない。

 準備をととのえたら、相手を誘い込む



 迷宮の奥からやってくる化け物は、様々なものに反応する。

 それは音だったり。

 光だったり。

 香りだったり。

 種類によってそれらを好むものがいる。

 その逆に、これらを嫌う種類もいる。

 本能的なこの動きを利用する事が出来る。



 化け物を接近させないようにして休憩したり。

 逆に特定の化け物を集めて、効率的に狩ったり。

 ソウジロウもそれを利用していく。

 化け物を集めて、一気に潰す為に。



 まずは、明かりを灯しておく。

 こうする事で、光によってくるものを集める。

 続いて、火をおこして香草を放り込む。

 炊きあがる香りが拡散されて化け物を呼ぶ。

 あとは結果が出るまで待機だ。



 そして20分後。

 目的の化け物がやってくる。

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