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愛を知らない神様  作者: ビター
エンヴィー編
76/113

情報整理

 

  ユグドラシル3度目の七つの大罪の襲撃。

  いや、ラースと愛瑠の戦いを含めたら4度目。

  島の住民で死者は居なかった。

  魔道士専用刑務所とデパートが破壊されたがミハエル先生の再生魔法で直ったらしい。

  幸運な事に脱走した囚人も居なかった。


  「ほんとだ······プライドがラトニーを殺してる·····どういう事だ?」


  魔道士協会本部。

  会議室で協会の者達が島の魔道士を含めた会議をしていた。

  中には美叶と愛瑠、それに竜介も居る。

  皆はスクリーンに映る映像を見ている。


  「だがラトニーを追い詰めたのは僕だ、プライドが殺らなくても死んでいた」


  美叶は年寄りの男に向かって少し不満そうに言った。

  年寄りの男は協会の会長だ。


  「それは分かっとるが·····島の魔道士達を縛り上げる事は止めてくれないかな?業務妨害じゃよ」

 

  会長の表情を見て、美叶は少し困った顔をした。

  だがすぐに、


  「違うんだよじいちゃん、この男達は僕をジロジロと見るんだ、女である者からしたら恐怖なんだ、セクハラだよね?」

  「·······そうなのか?」


  会長は魔道士達を見た。


  「違います!」

  「騙されないで下さい!」

 

  魔道士達は強く否定した。


  「だってさ」

  「おじいちゃん、正直どうでもいい、本題だ、ラトニーが死に、グリードを捕らえた、これは喜ぶべき、凄い事だ」


  美叶ははしゃいだ様子だったがいつもの美叶に戻る。

  虚ろな目で会長を真面目に見た。

  魔道士達は話を切り替えた美叶に苛立っている。

 

  「そうじゃの」

  「ラトニーが死んだ、つまり転移魔法が無い、奴らは足をもがれた、奴らが島に来るのは難しくなった·····とゆうか不可能だ」


  美叶は周りを無視するかのように会長だけを見ている。

  隣には死んだ目で下を向いた愛瑠が大人しく座っている。


  「それじゃ、今回は我々の勝ちだと言っても過言じゃない、良くやってくれた」


  会長は嬉しそうだ。


  「それより、謎や情報が多い、一つ一つ整理するべき」

  「じゃな、じゃあーまずはミハエル、頼む」


  会長がそう言うと皆の視線がミハエル先生に集まった。

 

  「私が戦ったのはラストとグリード、生徒でありS魔道士でもあるアーサーと共に戦いました。ラストの強さはアーサーくらいです、ですが能力の応用があったり、仲間が死んでも平気でいるなど精神的に人間離れしてたり、1体1なら負けてました――」


  協会の者はミハエル先生の言葉を録音しているようだ。

  大事な情報の為、美叶もしっかりと話を聞く。


  「厄介だったのはグリードです、私は不意をつかれ気絶し、アーサーが1人で戦ったらしいです。ですがボロ負けでした、手も足も出なく、魔法を1発当てるのが精一杯だったと······アーサー言わく本気を出せば島の魔道士全員に勝てると······それほど強かったらしいです」

  「待て待てミハエル!じゃあどうやって倒したんだ?」


  魔道士の1人が慌てて疑問を問いかけた。

  ミハエル先生は一瞬その魔道士を見て、


  「病気持ちだったらしい、戦闘中に突然膝を落とし過呼吸になったと······だが不思議な事にグリードを検査したら病気なんて無かった」

  「はい?ほんとかそれ?グリードは何がしたかったんだ?」

  「グリード本人に聞いた、彼は1人の欲の強い少年に病気を治してもらったと言っていた」


  皆考え込むように黙り込んだ。

  だがすぐに魔道士の1人が、


  「誰それ?少年って事は生徒だろ?」

  「それは教えてくれなかった」

  「そうかい」


  皆が再び黙り込むと会長が、


  「ありがとうミハエル、次は·····竜介」

  「はい」


  竜介は組んでいた足を下ろし、腰に差してる刀に手を置く。


  「俺は刑務所に行った、刑務所では囚人の1人と協力して負傷した看守と囚人を守りながらエンヴィーとスロウスと戦った、俺が驚いたのはエンヴィーやスロウスの強さよりも協力してくれた囚人の強さだ、確か······あ、い?い――」

  「イアンか?」

  「それ!イアン!」


  会長のフォローで名前を思い出した竜介は少しはしゃぐ。

 

  「イアンは俺の2倍は強かった、身体強化の魔法を使ってエンヴィーを相手にした、俺はスロウスを相手にした。だがもっと驚いたのはエンヴィーの体だ······イアンはエンヴィーの体をバラバラにぶっ壊れるまで殴った·····だが奴の体は再生するかのように治ったんだ!」

  「待て待て竜介!誰も分かってないぞ?1から説明してくれ」

 

  魔道士の1人が困ったように竜介を見た。

  竜介はキョトンとした周りの者を見て恥ずかしくなる。


  「えっと·····エンヴィーの体は機械でできていた、しかもその機械は機械らしからぬ妙な動きをする。鞭のようになったり、機械から複雑な形が生成されたり。イアンはその体をぶっ壊した、なのにバラバラになった機械は元に戻った、まるで粘土のような機械だ」

  「さっきよりは分かった、つまりエンヴィーは魔法以外に機械の体を持つと?」


  会長は問いかけた。


  「うん。それにもう1つ」

  「もう1つ?」


  竜介は少し大人しくなっていた。


  「イアンは星の数人を殺して来た殺し屋らしい、戦い慣れてるイアン······エンヴィーは更に戦い慣れしてた、才能とかじゃない····明らかに経験によっての動き、剣術を極めてる俺だから分かる、エンヴィーはまるで何年も生きて、何年も戦っていたような·····そんな気がする」

  「そうか·····分かった、ありがとうな」


  竜介は横目で周りを見ながら恥ずかしそうに深く座った。


  「最後にプライドの事だが······美叶、頼む」

  「はい」


  会長は美叶を見て言い、美叶は再び姿勢を正した。

  他の魔道士達は、


  「なんであの女が」

  「Sランク魔道士でも無いのに」

 

  不満があるようだ。

  美叶を贔屓する会長も美叶も気に入らないようだ。


  「皆ご存知、プライドは奇妙な見た目をしてます――」

 

  それでも美叶の話はしっかりと聞いている。


  「奴はラトニーの傷を癒す魔法を使ってた、他に力は見せなかったが·····奴はヤバい·····プライドに睨まれた時、蛇に睨まれた蛙の気持ちを理解した······他に言う事は無い」

  「·······」


  美叶の言葉の足りなさに一同は困ってしまう。

  だが会長は笑って、


  「分かった、ありがとう、魔道士の者は帰って良い、あとは協会の者で情報を整理する」


  ミハエル先生や他の魔道士達、美叶や愛瑠や竜介は席を立って会議室を出て行った。

  会議室を出てすぐに美叶はさりげなく竜介に近寄った。


  「君、竜介は悪い奴だと思っていたが、勘違いだった」

 

  竜介は美叶を横目で見て少し顔を赤くした。

 

  「なんですか、いきなり·····」

  「君に会って半年、謝っていなかったから、謝る機会があったから言った」

  「そうですか·····勘違いしてたのは俺です、愛瑠さんの恋人だったなんて知らなくて·····それに美叶さんもただの優しい人でした·····すみません」


  竜介は顔を赤くしたまま謝り返す。

  美叶は虚ろな目で竜介を見つめ嬉しそうにしている。


  「敬語も使えて偉い、君のような純情な男は好きだよ、僕も愛瑠も」


  美叶は竜介の頭を軽く撫で、愛瑠と共に前方に去ってた。


  「彼女が死体を人間と思い込む噂の魔道士か」


  ボーとしていた竜介の肩に手を置いてミハエル先生が言った。


  「え?あ、まぁ」

  「他の魔道士は今回の事もあって気に入っていないが、意外に普通の女性だな」

 

  ミハエル先生は竜介に歩きながら話しかけて来た。


  「まぁ、俺は美叶さんを見守る事しか出来ません、美叶さんを救えるの·····純情な白い天使くらいでしょう」

  「そうか、無意味にならないよう頑張れ、応援してる、日本1位の魔道士」

  「ありがとうございます」


  ミハエル先生は外にある車に入り、竜介から去っていた。

大変申し訳ないのですが今日から毎週日曜日投稿にします。


完全に自分事になってしまいますが、学校が辛く病み気味なんで笑

勉強にも力を入れたいので負担を減らす為に毎週日曜日にします。

代わりに4000文字から5000文字くらいに変えます。


週一でもよろしくお願いします。

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