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愛を知らない神様  作者: ビター
復讐の開幕編
69/113

2人のやり方

 

  デパートの3階

  洋服屋の洋服が散らかっており、美叶がうつ伏せで倒れている。

  愛瑠はラトニーが美叶に向けて打った弾丸を見もせずに突っ立ている。

  弾丸が美叶に当たりそうになった瞬間、美叶は右に寝返りし、床に足をつけてラトニーを睨む。


  「生きてた?·····魔法属性が読めない、一体どんな方法で生きていたのか·····謎を解く必要がある」


  立ち上がる美叶を見ながらラトニーは冷静に後退りをする。


  「29歳のアメリカ人、ラースとは同じ家庭で育ったらしね?七つの大罪に尽くすのはラースが幼なじみだからか?同じ女として理解できないな、大切に想うなら悪事を止めさせるべきだ」


  美叶はそう言いながら白いワンピースを脱ぐ。

  更に麦わら帽子を取り、脱いだワンピースを折り畳む。

  指を曲げながら愛瑠を糸で引っ張り手元に寄せる。

  美叶が両手を大きく開き糸を引っ張ると愛瑠は白いマントが破れる。

  マント越しだが愛瑠はリュックを背負っていた。

  美叶はそのリュックに丁寧にワンピースと麦わら帽子を入れた。

  勿論ラトニーはその隙を見逃さない。

  ラトニーは4発連続で美叶に向けて弾丸を放った。


  「目には見えずらいんだよ」


  だが弾丸は美叶の目の前で止まる。

  大きな蜘蛛の巣のような糸の壁が弾丸を捕えていた。

  ラトニーは目を凝らしていた。

  だがラトニーが凝らして見ているのは糸に捕えられた弾丸でもその糸でも無い。


  「なるほど、1番最初に命中した弾丸はその糸の鎧のような物で······」


  ワンピースを脱いだ美叶は体全体に糸が巻かれていた。

  糸の鎧――弾丸が1つだけ糸の鎧にねじ込んでいる。

 

  「だけどこの状態は動きずらいし、集中力も居る」


  愛瑠は美叶の前をゆっくりと通り過ぎる。

  愛瑠が美叶の前を通り過ぎ去った瞬間、糸の鎧――糸が美叶の足元に落ちており美叶の服装も変わっていた。

  上は白く下は黒い袴――弓道の袴のような姿だ。

  美叶は袴から包帯を取り出し、手の平に軽く巻く。

  包帯を口で引っ張り、愛瑠の肩に手を置く。


  「悪いがこっから先はイジメだ、僕が君を虐める·····お前らが魔道士を虐めてきたように」


  愛瑠が上を向いて口を大きく開ける。

  明らかに口が裂けている······裂けた口からは徐々に何かが出てくる。

  美叶の指に繋がれた糸に引っ張られて出てきたのは日本刀だった。

  日本刀を手に持ち、鞘は袴の腰に差す。

  輝く刀を手に取り、愛瑠の裂けた口は元通りに糸で縫われた。


  「貴方は剣士なのね、私も武器を出すわ」


  ラトニーは手から転移空間を開き、両手で何かを取り出す。

  銃にしては大き過ぎる·····先端は菱形――発射型兵器、ロケットランチャーだ。

 

  「銃は剣よりも強し」

  「銃じゃないでしょ」


  ラトニーは肩にロケットランチャーを担ぎ、美叶に焦点を合わせる。

  そして引き金をを引き、ロケットランチャーの弾丸を放った。


  「さぁ、どうする?」


  ラトニーは転移空間に姿を消す。

  弾丸は美叶の目の前にあった糸の壁に当たり爆発した。

  糸や床は壊れて少し溶ける。

  煙で周りが見えない。


  「はぁはぁ······愛瑠が居なかったら死んでいた」


  美叶は崩れた床から2階に落っこちていた。

  愛瑠の皮膚は溶けて焼けているが美叶は怪我ひとつ無かった。

 

  「光で目がやられた·····痛い·····」


  だが目を痛めていた。

  自身の目を抑えながら、手で辺りを探る。

 

  「あ、愛瑠、ありがとう」


  愛瑠は美叶と手を繋ぎ、美叶をゆっくりと起き上がらせる。


  「煙も、足場が不安定·····奴は!?」


  美叶は微かに目を開き、ゆっくりと安定した床に向かう。

  周りを見渡しながら安定した床に糸をくっ付けて自分の体を引っ張る。


  「糸の魔法·····糸魔法、弱点が分かったわ」

 

  優しい声と共に美叶の目の前に転移空間が現れる。

  転移空間から出てきたラトニーは火炎放射器を手に持っている。


  「弾丸をも止める糸·····火はどう?」


  火炎放射器から火が放たれる。

  赤く、素早く、大きくい炎。


  「は!」


  美叶は目の前に糸の壁を創るが一瞬で燃えてしまう。

  慌てて天上に糸をくっ付けて上階に登ろうとするが熱で糸が燃えてちぎれる。


  「やば!」


  美叶は炎に包まれる。


  「······なるほど、死体を盾にね」


  炎が止むと、美叶の目の前には愛瑠が居た。

  愛瑠の服は燃え上がっていた。


  「愛瑠!」


  美叶は愛瑠を引っ張りマントを脱がせた。

  そして近くにあった店の布で愛瑠の体についた火を消し、裸になった愛瑠の体に布を羽織らせる。


  「待っててね、あの女は僕が葬る」

 

  美叶は愛瑠に引っ付いている糸を取り、天上に糸を引っ付ける。

  そして糸でラトニーとの距離を縮める。


  「盾は無い、終わりよ」


  ラトニーは再び火炎放射器を美叶に向ける。

  だが美叶は目を光らせ、刀をラトニーに投げた。

  刀はラトニーの胸に刺さる。


  「がぁ!」


  ラトニーは転移空間を開き逃げようとする。

  だが美叶は素早く糸を出して、


  「神の裁きからは逃れない!哀糸豪竹あいしごうちく!」


  ラトニーの体を縛る。

  右手と左手、お互い逆方向に糸を引っ張る。


  「がぁ!」


  ラトニーの体はブチブチと音を立てて潰れる。

  骨も肉も潰れた音だ。

  だがラトニーは無理矢理転移空間に体を入れ、転移空間を閉じる。

  転移空間が閉じた事により糸が切断される。


  「逃げられた?あの傷なら死ぬのは時間の問題、だが確実に殺したい、アーサーが言うにはラストは銃弾を3発食らって生きていた·····奴はこの手で殺す·····愛瑠!」


  美叶は愛瑠を糸で引っ張り、愛瑠と共にデパートの外に飛び降りる。


  「奴は仲間を置いて逃げる訳ない、奴が向かう先はだいたい分かる······後は賭けだ」

 

  美叶は糸で街中を飛び回り急ぐようにどこかに去る。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  ユグドラ学園玄関前。

  玄関のすぐ前にはミハエル先生とラストが倒れている。

  ミハエル先生に意識は無いがラストは意識がある。

 

  「傷だけ治しときますね」


  すぐ近くにはアーサーとグリードが居る。

  グリードはラストに触り、お腹の傷を治す。

  治すと言うより再生だ。


  「先生の再生魔法、最初の爆破の時に魔法を奪ったのか?一定時間ってのはどれくらいだ?」


  アーサーはグリードを見ながら背後にある剣を手に取る。

 

  「あ、ありがとう、痛いままだけど少しは楽になったよ」

 

  ラストはそう言って再び目を閉じる。


  「さてと·······先にこっちですね」


  グリードはそう言ってラストの近くで倒れるミハエル先生に触る。

 

  「止めろ!」


  だがアーサーの叫びでグリードは手を止め、アーサーの方を見る。


  「先生を殺したら俺は逃げるぞ?俺の雲ならお前から逃げれる、それが嫌なら先生を置いて俺と戦え、それとも俺に負けるのが·····怖いか?」


  アーサーは人が1人乗れるサイズの雲を創り、グリードを挑発する。

  それを見たグリードはミハエル先生から手を離し、


  「欲張り者、自分の命を優先にしないとは·······けどそういう心意気は結構好きです·····いいでしょう、タイマン張りましょう」


  グリードはアーサーに近づく。


  「先生が見えない場所まで行くぞ」


  アーサーは走り、グリードはアーサーについて行く。

  少し離れた場所まで来るとアーサーが足を止め、剣を構える。


  「ここでいい、さぁ殺してみろ!俺はお前生かす、そして捉えてやる、お前より凄いだろ?」

  「欲張りすぎです、自分が生きるか死ぬか、どちからにしなさい」


  グリードは両手からぱちぱち爆破音を鳴らす。

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