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愛を知らない神様  作者: ビター
復讐の開幕編
64/113

謎解き

 

  「2度目です、美叶に触れないで下さい」


  僕がそう言うと竜介は刀を刃を隠すように背後に向ける。


  「お互い怯えては始まりません、お互いに耳を傾けないと·····話が噛み合ってません」

  「「·······」」


  2人共黙り込む。

  だが少し間を空けて美叶が、


  「ラースが来た日·····何があったか話す、協会本部で話す·········その変わりこの子、ジャックも一緒じゃないと·······ヤダ」


  僕の肩に手を置いて震えながら言った。


  「仕方ない、少女に免じてそうしよう、そなた確かジャックと言ったな?時間はあるか?」

 

  竜介もため息をつきながら刀を鞘に収めた。

  ――ん?少女?


  「ジャック、それと僕は男です」

  「男?······それは失敬」


  微妙な顔をしながらも竜介は僕が着ている男子用の制服を見て顔を伏せる。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  魔道士協会本部。

  僕は美叶と竜介と共に魔道士協会本部まで来た。

  改めて思う――島の建物の中で1番大きい。


  「こちらです」


  協会の者が僕ら3人を隠し部屋のような場所に案内した。

  中に入って1番最初に目に付いたのは大きなモニター、しかも10台。

  中央には大きめのテーブルがある。


  「悪いんだがそこの女·····男の子には席を外してもらおうかな?学園の生徒にバレるのは困るんだ」


  部屋に居た1人が困った表情で僕の制服を2度見して言った。

  僕はムスッとしながらも部屋を出て行こうとする。


  「話が違う、ジャックと一緒と言ったはずだ」


  だが美叶が僕の手を掴み、協会の者を睨む。


  「いや〜、でも·····ねぇ?」

  「約束は守ってやれ、少年も一緒で良い·····情報なんぞいくらでもこちらで誤魔化せる」


  協会の者の1人が強く否定するように言った。

  見た感じこの中で1番偉い人だ。


  「座れ」

 

  僕と美叶はテーブルの前の椅子に腰を掛ける。

  テーブルを挟んで竜介と協会のお偉いさんも座る。


  「で?愛瑠は誰に殺られたんだ?」


  単刀直入にお偉いさんが問いかけた。


  「実際は死んでないけど······ラースが殺った、愛瑠はラースに負けた·····悪魔に·····」


  美叶は愛瑠の死を受け止めきれてないのだろう。

  協会の者が相手でも自分の妄想を含めて話している。


  「けど竜介が言うにはラースが愛瑠を倒すのは不可能らしいよ?それに関して何か知らないか?」


  お偉いさんが優しく問いかけを続けた。

  すると美叶は何かに気付いたように隣に居る愛瑠を糸で操り、愛瑠に何かを渡させた。


  「動いた?あ、な、何かなこれは?」


  お偉いさんは愛瑠の死体が動いた事に動揺するが竜介が耳元で(糸で操ってます)と囁いた事により納得したような表情になる。

  愛瑠がお偉いさんに渡したのはスマートフォンと大きな黒い羽根だ。

  スマートフォンは画面が割れている。

  黒い羽根も烏の羽根じゃない······だけど見た事ある羽根········何の羽根か思い出せない。


  「開いた·····中見ていいかな?」


  お偉いさんはスマートフォンを開き愛瑠に問いかける。

  愛瑠はコクリと頷く。


  「手掛かりになりそうなのは愛瑠が録画した動画、それとメモです」


  美叶がお偉いさんに言った。

  先程と違って落ち着いている。


  「メモ?」

  「見せて下さい」


  僕はお偉いさんが手に持っているスマートフォンを除くように見る。

  メモには『らすゆひわ悪魔』と書かれていた。


  「な、なんだコレ?」

  「あの、動画の方も見たいです」

  「そ、そうだな」


  メモが意味不明だったので先に動画の方を見る事にした。

  動画の音声は美叶に別れを告げる内容、だけど画面は所々奇妙な物が映っている。


  「この音声を聞いた感じ美叶は敵には思えん、竜介、君の勘違いじゃないか?美叶の鳴き声、愛瑠の告白、美叶がスパイの可能性はかなり低いんじゃないか?」


  お偉いさんは竜介に優しく言った。

  竜介は下を向いて恥ずかしそうに、


  「まぁ、けど愛瑠さんがラースに殺られたのが納得できない」


  それを聞いたお偉いさんはニコッと笑い、


  「そこじゃ、そのヒントがこのメモと羽根だと思うんじゃよ、竜介や我々が知ってる愛瑠は無駄な事をする奴じゃない、これは何かのメッセージだ」


  お偉いさんは再びスマートフォンのメモを開く。

  『らすゆひわ悪魔』の意味を考える。


  「あの、僕の考えでは愛瑠が急いで打ち込んだ内容だと思う」


  美叶がいち早く手を上げて言った。


  「つまり?」

  「僕は既に解いてた、らすはラース、ゆひわは指輪、悪魔はそのままの意味」

  「つまり?」

  「愛瑠が打ちたかったのは『ラース、指輪、悪魔』だと思います」

  「·····つまり、その3つの単語がヒントって事か?」

  「はい、ここからが謎解き」


  お偉いさんは関心したように美叶を見るがまたすぐに考え込む。


  「ラースはまだしも指輪と悪魔?指輪?おい!映像でラースが指輪を身に付けていたか確認してくれ!」


  お偉いさんはモニター前に居た男に言う。

  男はすぐにモニターをいじる。


  「ラースの指輪が脅威って事か?隠し銃とか?それとも········」


  竜介もお偉いさんと一緒に考え込む。


  「悪魔?そう言えばさっきの動画妙な物が!!黒い·····動画見せて下さい」


  竜介は何か気付いたようにスマートフォンの動画を見返す。

  何度も何度も見て満足したかのように笑う。


  「皆ここから良く見てくれ」


  竜介は僕と美叶とお偉いさんに動画を見せる。

  スマートフォンの画面には所々黒い人間のような動物のような生き物?が映る。

  僕には何が映っているのか一瞬で分かった。

 

  「ここ!この姿!」


  更に竜介は動画を止める。

  そこにはボヤけているが明らかに人間には見えない奇妙な生き物が映っていた。

  まさかとは思ったが·······確信に変わった。


  「悪魔······みたいだ」

  「ん?どれだ?」


  僕と美叶には黒い奇妙な生き物が見えている。

  だけどお偉いさんには見えていないようだ。


  「ここだよ!ほら!ボヤけてるけどしっかり居ます!」

  「悪いが見えん······もしや妖のように魔道士にしか見えないんじゃないのか?私はただの人間だ」

 

  お偉いさんの言った通り。

  恐らくこの黒い生き物は魔道士や霊媒師にしか見えない。


  「この人型の生き物?羽根がある·····それに尻尾のような物まで·······UMA?テレビとかで見る未確認生物みたい」

  「愛瑠さんはこの生き物を悪魔と表現したんじゃないか?本とかで見る悪魔そのものだし」


  美叶と竜介が推測する中、お偉いさんだけが気難しい顔をしている。

  姿が見えないから話についてけないのだ。


  「ラースの魔法か?磁力魔法以外にもう1つ?科学者の実験を受けたのか?」

 

  竜介は刀を強く握り締め考え込む。


  「確認終わりました!ラースは指輪を身に付けてます!左手の人差し指にしっかり指輪があります!」


  モニターの前でモニター映像をいじっていた男が言った。

  お偉いさんはすぐにモニターを見に行く。


  「確かに·····ハッキリは見えないがしっかりある」


  モニターの映像には寮の屋上に居るラースが映っている。

  左手には指輪らしき物がある。


  「指輪に何かあるのか?この化け物と指輪とラース·······指輪に悪魔······」

  「指輪に······悪魔······ソロモンの指輪?」

 

  竜介は頭を抱える。

  その目の前で美叶はスマートフォンを弄る。


  「何だそれ?ソロモンの指輪?」

 

  美叶の呟きに竜介が反応した。


  「単純に調べたら出てきた」


  美叶はそう言って竜介に自分のスマホを見せる。

  美叶はスマホで『指輪、悪魔』と調べていた。

  上から5番目に『ソロモンの指輪』と書かれた記事が乗ってある。


  「ソロモンの指輪?知ってるぞ、悪魔を召喚した指輪だろ?確かソロモン王が使っていたから·······それだ!!」


  お偉いさんも耳を傾け、1人で納得したように喜ぶ。


  「けど昔話だろ?」

  「ソロモンの指輪じゃなくてもそれに近い能力を持つ魔法の指輪何じゃない?魔道士や科学者に作られた指輪とか」


  皆表情を変えて黙り込む。

  だがすぐに竜介が、


  「え!謎ってこれじゃない!?これ以外に何がある?」

  「可能性は無限よ、これ以上にあるかもしれない、けどこれが最有力候補だわ」

 

  美叶はそう言って愛瑠を撫でる。

  竜介もお偉いさんもそんな美叶を見て少し困った表情をする。


  「このスマホと羽根はこちらで預かって良いかね?」

  「はい」

  「じゃあ、協力ありがとう、疑ってごめんね」

  「はい」


  お偉いさんの問いかけに美叶が無表情で答える。


  「ジャック、僕は君にまた会いたい······じゃあね」


  美叶はそう言って愛瑠と共に部屋を出た。

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