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愛を知らない神様  作者: ビター
神様の街編
6/113

襲撃

 

  「出来ました」


  カイさんに頼んでいた魔導師や霊媒師についての情報が分かった。

  やはり僕の考えた通りだった。


  「霊媒師は3年前に急増している···それに霊媒師は皆記憶喪失状態で発見されている、魔導師最初の人間は死んでいるが生きていたなら101歳···やはりな」


  昔の話になる。デモ.ゴルゴンと言う最強の神が居た。

  その神は人間を誕生させた張本人であり神や天使を人間にする能力を持っていた。

  神や天使から人間になった者は妖や神の姿が見えたらしい···つまり霊媒師の正体は神や天使から人間にされた者。

  魔導師はその霊媒師から生まれた特殊な人間。

  デモは人間世界を変異させてしまったと言う事になる。


  「死んでも僕に関わってくるか」


  僕は学園に行くと魔導師と霊媒師の正体をアーサーに教えた。

  アーサーはそれを聞いて嬉しそうに、


  「え!じゃあ俺は神や天使、または悪魔の子って事!?」

  「正確には元神や天使だった人間の子、つまり神や天使に近い人間って事」

  「複雑···だな」


  また1つ魔導師の秘密が分かった。

  なんだかパズルを完成させている気分で楽しい。

 

  「そうえばアーサー、今日は···」

  「ん?今日は?···あ、ああー!」


  今日はアリスが僕とアーサーにお弁当を作ってきてくれる日。

  久しぶりのお弁当だ。前お弁当を作って貰ったのは···3年前だから少し嬉しい気がする。


  「はい」

  「「おおー!」」


  お弁当には見た事あるけどあまり食べた事ない食べ物ばかりだ。

  エビのフライ、それに卵焼き、それにお肉に野菜、あとよく分からない。


  「この芋みたいなの美味しい!」

  「アーサーはリッチだからしっかり野菜も食べないとダメだよ?」


  いや、親かよ。それにしても栄養のバランスを考えられた素晴らしいお弁当だ。


  「ジャック···ぷッ、お前口にいろいろ付いてるぞ」


  アーサーが笑いながら僕を見てくる。どうやら口元に食べ物が付いてたらしい。


  「···ご飯はたまにしか食べないから、食べ慣れてないんだよ」

  「たまにしか食べないって···それ大丈夫なの?家が貧しいとか?」


  ヤバっ。アリスは神って事知らないから今の発言はアウトだったな。

 

  「いや、貧しくはないけど···ねッ?」

  「何がねッ?なの?」

  「·····」


  なんか···すみません。


  「「「ごちそうさまでした」」」


  その日の授業が終わり部活の時間が来る。

  だけど今日も七つの大罪は現れなかった。そろそろ来ていいはずだが···来ないならばこっちから動く必要がある。

  そう思っていたがその日の夜の出来事でその必要は無くなった。


  「ほわ〜!疲れた疲れた」


  23時30分。アーサーは自分の家で眠る。

  しっかりと自分の部屋のベッドで眠りにつく。


  「ラスト、部屋の空気を使って窓の鍵を開けろ」


  2人の男がアーサーの部屋の窓からアーサーを覗いている。

  カーテンで部屋の中があまり見えないが1人の男が魔法で窓の鍵を開ける。

  そして2人の男は静かにアーサーの部屋に入り込む。


  「ナイフで殺る」

  「楽に死なせてあげな」


  2人の男がアーサーの腹をナイフで突き刺そうとした途端、アーサーは2人を蹴りあげてベッドから降りる。


  「起きていたの?」

  「広い部屋だ···ここなら大丈夫だ」


  2人の男はそう言いながら魔法を放とうとする。

  だがアーサーは部屋に隠していた拳銃を取り出し2人に発砲する。


  「あっぶな!まじでクレイジーボーイだねこの子」

 

  だが銃弾は空中で止まる。何かの魔法だろうが何をしたかアーサーには分からなかった。


  「グリード、銃音聞いて誰か来るよ」

  「その前に殺る」


  2人は挟み込むようにアーサーに向かって行く。


  「天気魔法!ウェザー.ウィング!」


  アーサーが魔法を放つと2人は強烈な風に吹き飛ばされる。


  「あれが噂の天気魔法。天気を再現する事で5大属性全てを使えるぶっ壊れ魔法···グリード俺勝てないよ」


  見た目が若い方の男が仲間に向かって落ち込むように言う。


  「ラスト!君なら勝てる!年下に負けて良いのか?」

  「確かにいい大人が中坊に負けたら恥だよな」


  2人はそう言いながら再びアーサーに襲いかかる。


  「同じだ!ウェザー.ウィング!」

  「エアバリア!」


  アーサーは風を放つが2人はまるで風を受けてないかのようにアーサーに突っ込んでくる。


  「見えないが魔法のだな?ウェザー.クラウン!」


  アーサーは体に雲のような物を纏いながら2人を攻撃しようとする。

 

  「ラスト避けろ!」


  だが雲は1人の男がアーサーに触れることにより爆破と共に消える。


  「取れた?」

  「ダメだ!雲だけだ!」

  「なら任せて!」


  すると若い方の男が魔法を放つように見えた。

  気付くとアーサーは動けなくなっていた。


  「体が!?」

  「良くやったラスト!帰ったらご褒美やる!」


  そしてもう1人の男がアーサーの顔を触りに来る。

  だがその男は何者かに蹴り飛ばされる。


  「ジャック!」


  そう蹴ったのは僕だよ。神様は街の危険を察して来る訳じゃないけど···お決まりだろ?


  「前の白髪!」

  「ヤバイ」


  2人の男は僕を見て後ずさりする。

  僕はアーサーに近づいて動けない原因を探る。


  「空気だね、風船みたいになっている」


  アーサーを動けなくしてたのは空気だった。

  情報が正しいならば22歳のオシャレボーイ。つまり若い方の男、名前は確か···ラスト。


  「あっちがラストであっちがグリード、名を呼んでいたから間違いない」


  僕はアーサーを拘束する空気を風船を割るように指で突き刺すと空気が抜けて拘束が解けた。

  アーサーが言うにはこの2人はラストとグリード。

  確か、空気と爆破の魔法を使う。


  「どうしようグリード!」

  「安心しなさい、リーダーから連絡が入った。植物使いを捕らえたと」


  グリードがそう言うとアーサーは表情を変える。

  植物使い、アリスの事だろう。つまりアリスが捕まった···そっちが狙いだったか。


  「一緒に来てもらおう、女の子を返して欲しかったら」

 

  グリードはそう言いながらラストと共に近づいて来る。


  「今からアジトに飛ぶ、良いかい?」

  「早くしろ」


  グリードの質問にアーサーが答える。

  すると一瞬で場所が変わりお城の中のような場所に連れてかれる。

  神や天使の魔法に移動魔法と言う条件付きでいろんな場所に行く魔法があるがその類だろう。


  「アーサー!ジャック!」


  少し遠くにはアリスが居た。黒いモヤのような魔法で拘束されている。

  見た感じ闇魔法···つまり拘束しているのは闇魔法を使うエンヴィーと言う魔導師だろう。

  部屋の中央奥には椅子に座った男、その隣には女、中央の長机の近くに座っている男、2階から僕とアーサーを見ている若い男、部屋の住みで座る僕と同い年くらいの少年が居る。

  明らかに七つの大罪のメンバーだ。


  「さすがリーダー!仕事はやーい!」


  ラストがそう言いながらグリードと共に僕とアーサーから離れる。


  「俺はラース、お前ら2人にはある選択をしてもらう」


  中央奥に椅子に座った男がラース。七つの大罪のリーダーだな?

 

  「このナイフ···」


  ラースはナイフをアーサーに向けて投げようとするがナイフはグリードの靴に刺さってしまう。


  「ああー!これ買ったばかりですよ?リーダー!!」

  「す、すまん」

 

  グリードは少し怒りながら落ち込むラースに向けてナイフを投げ返す。

  ラースはナイフをキャッチしようとするが手に刺さってしまう。


  「あ、え···天気の魔導師、このナイフを取れ」


  だがラースは何事も無かったようにナイフを手から抜き、アーサーの足元に投げる。


  「あ、リーダーすみません」

  「ドジの域を超えちゃダメだろ」


  グリードは謝り、ラストは完全に引いている。


  「リーダー、まず治療を」


  隣に居た女、つまり情報からしたらこの女性がラトニー。

  ラトニーはラースの手の血を止めて包帯を巻く。


  「天気の魔導師、そのナイフでそこの白髪を殺れ、出来ないなら女は死ぬ」


  ラースがラトニーに傷を手当てされながら言うとアーサーは震えながらラースの血がついたナイフを手に取る。


  「アーサーダメ!」

  「アーサー、頼む。殺れ」

 

  アリスがアーサーを止めようと叫ぶが僕は構わずアーサーに近寄りナイフを自分の腹に突き刺す。


  「頼んだ」

  「ジャック?」


  僕は血を流して床に倒れ込む。

  アーサーはそんな状況を目の前に呆然としている。


  「ジャック!」


  アリスは涙を流して叫ぶ。

ジャックの過去や物語が深く気になる方は僕の前作の「アマノとジャック」をぜひ見てください。


※ただし前作は書き方がかなり雑だったり分かりずらい書き方だったので読む場合は、流し読みくらいがちょうどいいかもしれません。

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