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愛を知らない神様  作者: ビター
天使対悪魔編
55/113

天使と悪魔の策略

 

  日本東京都。

  カフェのような場所では愛瑠や美叶がテーブルを囲んでお酒やワインが入ったグラスを手に持っている。


  「「「「カンパーイ!」」」」


  愛瑠、美叶、ウリ、ラファ、ガブリは楽しそうにグラス同士をぶつけて乾杯をする。


  「転移魔法のおかげで早く帰って来れたね」

  「愛瑠1人でこなせた内容だったな」


  ウリとラファが1口グラスの飲み物を飲んで言う。


  「いやいや、僕1人だったら殺られていた、それにメインはこれから····だろ?」

  「そうだな」


  美叶以外「ふふふ」と笑いながらお退けた様子でお酒やワインを飲み。

 

  「天使様······本当にユグドラシル内に居る生徒2人を殺すの·····ですか?」


  美叶が下を向いて言いづらそうに言った。

  グラスに入ったお酒を1口も飲まずに両手でグラスを持っている。


  「なわけ無いでしょ!彼らは守るべき存在!·······もしかして·····ずっと考え込んでたの?」


  愛瑠が軽く笑いながら言う。

  だが同時に心配そうに美叶を見ている。


  「は、はい·····すみません、疑って」


  美叶は口を小さく開けて嬉しそうにした。

 

  「全然!言わなかった僕が悪い、ごめんね」


  愛瑠がそう言うと美叶は首を横に振って、やっと1口お酒を口にした。


  「なら·····なぜあんな勝負を?」

  「問うと思ってたよ、実は彼ら7人の内3人はまだ魔法を略奪できてないんだ」

  「ラース以外に2人?」


  美叶の問いかけに愛瑠はコクリと頷く。


  「1人はプライド、奇妙な手を顔に付けた子供·····僕の予想では彼が1番賢く、強い、彼だけが平然としていた――」


  愛瑠が美叶に話をしていると楽しく飲んでいウリ、ラファ、ガブリも手を止めて耳を傾ける。

  皆愛瑠の話を興味深そうに聞いている。


  「もう1人はエンヴィー、彼には触ったけど奪えてなかった、僕の略奪は服や鎧の上から触っても効果があるが奴には無かった·····確実に謎があるね」

  「あの時に殺すことは出来なかった·····と言う訳ですか?」

  「出来ない·····戦う場所、相手の人数、謎の多さ、場所が敵のアジトである事、あらゆる要因が重なって倒せなかった――」


  愛瑠の話を聞いていた皆は少し心配そうな表情を浮かべる。

  改めて自分達が何をしようとしているのか実感した。


  「だが!ユグドラシル内に誘き寄せて、嘘と言う精神攻撃、そして圧倒的天使の力で倒す事はできる!きっと彼らは魔法が使える3人でユグドラシル内に潜入する·····魔道士を殺そうとした所を僕ら5人で叩く!彼らは僕がいつでも仲間を殺せると思っている·····それが嘘だと分かってても心のどこかで気にしてしまうはずだ」


  愛瑠はそう初めて怖い表情を見せた。

  本気で七つの大罪の恨んでいる·····それが伝わってくる目だ。


  「美叶·····頼みがある」

 

  だがすぐにニコッと笑って美叶を見た。


  「何でしょう?」

  「今日も君の歌を聞きたい」


  不思議そうにしていた美叶の表情はゆっくりと口角を上げ、微かにニコッと笑う。


  「勿論です」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  「あの日本人が入って来たのはラトニーの部屋からだった······ラトニーが言うには窓ガラスを割ったのに音が無かった······きっと略奪した魔法の1つ·····敵は5人·····勝てる見込みが無い」

 

  七つの大罪アジト。

  薄暗い部屋の中1人頭を抱えながら椅子に座り込むラース。

 

  「3つ目の願いを言う時が来たな」


  ラースの背後から煙のようにバアルが現れるラースの肩に手をかける。


  「引っ込んでろ、3つ目を叶えても死んでは意味が無い」

  「だよな」


  バアルは残念そうに闇の中に消えた。


  「転移魔法も無い、仲間も居ない、敵は強者、しかもまた日本人······悔しい·····だが3度目の敗北は許されない」


  また1人で頭を抱え始める。

  小さなテーブルにある缶ジュースを持ちながらムシャクシャしている。


  「ん?·····プライド?な、何だ?」


  ラースがふと部屋のドアを見るとドアの前に立ち尽くすプライドが居た。

  音も気配も無く部屋に入って来た。


  「知恵を貸そうか?勿論神としてではなく仲間として」


  静かに小さな声でそう言った。

  ラースはそれを聞き嬉しそうに目を見開き椅子から立ち上がりプライドの元に急いで駆け寄る。

  だが急ぎ過ぎて足が空回りしてプライドの目の前で転ける。


  「――頼む」


  ラースは転けたままプライドを見上げて真剣な表情で言った。

  プライドは見下ろしながらもラースの手を掴み立ち上がらせ、先程ラースが座っていた椅子まで宙を飛び移動する。


  「作戦を言う、メモが必要なら取れ」

  「分かった」


  プライドが椅子に座るとラースもペンと紙を持ち、テーブルを挟んで目の前の椅子に座る。


  「まず確認だが奴は天使を名乗る人間、天使では無い。それと奴の言動には嘘が2つある」


  プライドは12面体ある複雑で珍しい形のルービックキューブを高速で回す。

  面を揃え、キューブをバラバラに壊して、またくっ付けて、また揃えてを目には見えない速さで繰り返しながら話し始める。

  しかも10個のルービックキューブをお手玉のように手の上で回しながら床に落とさず。


  「······あ、その2つの嘘ってのは?」


  ラースは神業ルービックキューブ回しに目を奪われてぼーっとしていた。

  だがすぐに我を取り戻し質問をする。


  「1つは略奪で奪った魔道士をいつでも殺せる事、もう1つはアーサーやジャックを殺すって事」

  「根拠は?」

  「まずいつでも殺せるって方、いつでも殺せるなら勝負を仕掛ける必要が無い。あの場で殺し、残った俺とリーダーを5人で畳み掛ければ良いだけ·····つまりこの嘘は少しでも有利な立場を確保する為·····だから気にするな、俺は100%嘘を見破れる――」


  ラースは関心したかのように口を開けた。

 

  「そしてジャック達を殺さないって方、奴らは魔道士を殺すリーダーが嫌いな人間·····そんな人間が同じ事をするのは矛盾すぎる、きっとこっちがジャック達を狙った時に俺らを狙う気だ。狩りをする者には隙ができるからな」


  ラースは更に関心の表情を見せ、左手で口元に触れながら少し口角を上げる。


  「分かった····2つの嘘が分かった」

  「じゃあ作戦を言う、まず移動手段だが······自力で移動しろ、俺の移動魔法は使わない」

  「わ、分かった」

  「ユグドラシル内に入れば警報が鳴る、だから島付近に居るコイツらを解放させて堂々と入れ」


  プライドはルービックキューブを回しながら資料のような紙をテーブルに置いた。

  資料には何人もの顔写真が乗っている。


  「これは·····」

  「前回協会の奴らがやった事をやり返してやろうぜ?そのミッションはリーダーが自力でやれ」

  「分かった」

  「ユグドラシル内に潜入したら真っ直ぐ学園に向かえ、学園でアーサーの方を狙え、そしたら必ず奴らが現れる」

  「分かった」

  「ただし相手が何人でも俺は手を貸さない、貸すのは知恵だけと言った、リーダーなら全員殺れる·····それに切り札もあるだろ?」


  プライドはそう言ってチラッとラースの指に付いてる指輪を見る。

  だがラースはキョトンとした顔で首を傾げている。


  「分かった、やってみる、感謝する」

  「1つ、このゲームをプレイするにあたって約束して欲しい事がある」

  「ん?」


  プライドは10個のルービックキューブをマジシャンのように手の平の中に縮めて消す。


  「サブミッションはダメだ、やるなら確実にクリアするメインミッション。愛瑠とその仲間以外は殺すな、アーサーやジャックを殺さないでクリア·····じゃないと面白く無い」

  「分かった」

 

  プライドは会話の中で初めてラースと目を合わせた。

  そしてニヤニヤと笑いながら姿を消した。


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  「王が困っていた、だが1人で殺るとも言っていた、どうしたらいい!!俺はどうしたら!」

 

  その頃、同じ七つの大罪のアジトでエンヴィーが1人騒いでいた。

  部屋の中でジタバタとしている。


  「お前もゲームの駒として参加しろ」


  どこからともなく、プライドが現れた。

  逆立ちしていたエンヴィーの目の前に突然。


  「わぁ!勝手に入って来るな!ガキ!」


  エンヴィーは驚いて手を離して腰から床に落ちる。


  「ガキ?まぁいいや、それより手伝え」

 

  床に座り込むエンヴィーを見下ろしながらプライドが言う。


  「無神論者のガキに手は貸さぬ、俺が従うのは曾孫と王と神だけだ」

 

  ぷいっと怒りながらエンヴィーが言う。


  「――お前にその体を授けたのは誰だ?」

  「な、なぜ?······この体の事·····それに授かった物だと分かった?」


  エンヴィーは逸らしていた目を合わせる。


  「お前の神はクルーニャ·····だろ?」

  「お前、なぜ?あの方の名を?」

  「俺がクルーニャだから」


  プライドをニヤリと笑った。

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