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愛を知らない神様  作者: ビター
天使対悪魔編
52/113

天使達

 

  日本、東京都。

  ホテルの部屋のベットの上で2人の男女が座り込んいた。

 

  「なるほどね、大変だったね」


  美叶は愛瑠に全てを話した。


  「会社全体が七つの大罪の賛同者ってのは珍しい話じゃないよ?ニュースや表向きは犯罪者として扱ってるが一般人にとって七つの大罪は要らない魔道士を排除してくれている」

  「そんな·····なんて生き物だ」

  「人間の本性そんなもの、本人達は気付いてない事が多いけど·····けど僕は天使、君を救う」


  美叶は愛瑠が差し伸べた手に掴み、愛瑠と共に立ち上がる。


  「愛瑠······天使様と呼んで良いですか?」

 

  突然、美叶が聞いた。


  「天使様····ぜひ呼んでくれ」


  ニコッと笑う愛瑠を見て美叶もほんの少しだけ微笑む。


  「じゃあ、仲間を紹介するからついてきてくれて」

  「·····仲間?」


  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  愛瑠と美叶はホテルを出て車で3時間走った。

  その間、美叶はぐったりと眠った。


  「着いたよ」

  「んん」


  着いた場所はどこにでもあるようなカフェ。

  だが営業の看板は無い。

  愛瑠が鍵を開けてカフェに入る。


  「僕だよ!愛瑠だよ!」


  愛瑠がそう上の階に向かって叫ぶとぞろぞろと3人の男が降りて来た。

  愛瑠や美叶が20代くらいの若さに対して男達は皆明らかに年上だ。


  「遅いぞ愛瑠!心配したぞ!」

  「その子どこで誑かした?」

  「とにかく寝たら?疲れたでしょ?」


  男達は皆いっせいに言った。

  見た感じ日本人では無い。

  全員外人だ。


  「分かった分かった、その前に良いニュース!」

  「「「?」」」


  愛瑠は美叶の背中を優しく押して前に立たせる。

  そしてニコッと笑い、


  「仲間増えました!皆優しくしてねー!」

  「わーいわーい!」

  「よろしく」

  「美女·····」


  愛瑠は続けるように美叶の方を向いて、

 

  「美叶、自己紹介」

  「美叶です·····」


  美叶がそう言うと男達は黙り込む。

  だがすぐに1人の男が、


  「愛瑠、こんな美人どうやって?····自首しなさい」


  愛瑠の肩を叩いてわざとらしく悲しい表情をする。


  「違うよ····彼女は家族を七つの大罪に殺されたんだ」

  「え?あ、すまん」


  男は肩から手を離し1歩下がった。

  だが美叶が真剣な顔をして、


  「同情も慰めも要りません····力になるので七つの大罪を倒させて下さい」


  男達は少し驚いた表情を浮かべた。

  そして1人の男が「ふふっ」と笑い、


  「良い!俺の名前はウリ!よろしくな!」


  ウリ、赤髪の元気な30前半の男。

 

  「俺も君気にった、俺ラファ」


  ラファ、青髪の大人しい30後半の男。


  「俺は·····ガブリ、よろしく」


  ガブリ、金髪の30後半か40前半の男。


  「····もしかしてあだ名?」

  「正解、僕が適当につけた」


  美叶の疑問に愛瑠が答える。

  すると男達は、


  「変な名前付けやがって!もっとマシなの無かったのか!」

  「無理無理、愛瑠は天使大好きっ子だから」


  愛瑠は一瞬困った表情をするがすぐにニコッと笑う。


  「ウリ、ラファ、ガブリ····ウリエル!ラファエル!ガブリエル!僕はエル!」

 

  かっこいいとは言えないポーズを決めながら言う愛瑠。


  「ははははは!久しぶりにバカ愛瑠を見た!」


  ラファとガブリが黙り込む中、ウリだけが笑う。

 

  「あの、天使様、七つの大罪に勝つ秘訣はあるんですか?」


  美叶が恐る恐る聞く。

  すると全員が美叶の方を見て、


  「「「あるよ」」」


  愛瑠以外口を揃えて言った。

 

  「僕の魔法は言わば七つの大罪を潰す為にある魔法····護衛さえあれば勝てる」


  愛瑠達は異常なまでの自信を持っていた。

 

  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

  「マジで訴えたとは····だけど美叶ちゃんが逃げたから美叶ちゃんの嘘にできた、良かった良かった」


  そんな事を呟きながら小太りのおじさんが歩いていた。

  美叶の社長だ。

 

  「今日はどこで飲もうか·····」


  既に日が落ちていた。

  日が落ちるどころか真っ暗だ。

  きっと美叶が会社を出てから24時間は経っただろう。


  「ん?」


  社長を真っ暗な人気の無い場所から見つめている者が居る。

  社長はそれに気付きその者に、


  「どうしたのかな?」

 

  だが暗闇に居る黒フードの男は反応を見せない。


  「風邪をひかないように気おつけなさい」


  社長は呆れた顔をして去ろうとするが頭に石をぶつけられた為足を止める。


  「今君が投げたのか?」

 

  社長が男の方を見て言う。

  男は無言のまま再び石を投げる。

  それもかなりの大きさ石だ。


  「痛っ····君!何がしたい!?」

 

  社長が少し怒鳴ると男は暗闇の中に去ろうとする。


  「待ちなさい!」


  社長は咄嗟に男を追いかけ男の手を掴んだ。


  「やっと来たね」


  男は初めて口を開いたかと思うと社長の手を掴み体を地に投げる。


  「がぁ!····痛たた、何をするんだ!!」

 

  社長はゆっくりと起き上がる。

  だが起き上がった先には男が社長の目の先でハサミを構えていた。

  顔はフードで良く見えないが若い男性だ。


  「なぁ!」

  「動いても良いけど危ないから····取り敢えず」


  男がそう言うと社長は身動きが取れなくなる。

  金縛りにあったように全く動けない。

 

  「動けん······まさか魔道士か!?」

  「人々はそう呼ぶけど····僕は天使だ」


  男は優しくご機嫌そうに言ったが口元は全然笑っていない。


  「本当に天使ならこんな事しない·····天使ならこんな事止めなさい」

 

  社長が震えた声でそう言うと男は不機嫌そうにした。


  「勘違いしてない?天使ってのは誰にでも優しい者では無い、苦悩する者のため戦う者だ」

 

  男はそう言って社長の指を持ち上げハサミを開いた。


  「な、何を!?」

  「美しさと優しさだけでは天使にはなれない、罪人には残酷さをもたらす」


  男は社長の人差し指をハサミで切り落とした。

 

  「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」


  悲鳴が上がる。

  だが不思議な事に街の人々は聞こえていない様子だ。


  「取り敢えず、指全部、次に手、足、耳、鼻······出っ張ってる所全部切り落とそうか?」


  男は次々と社長の指を切り落とす。

 

  「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


  たが社長の悲鳴を聞いた男は手を止めて、


  「声を上げるの?美叶は家族が殺された時、声を殺して必死に堪えたよ?」

  「美叶?·····美叶の知り合いか····すまなかった、すまなかった·····もうしない······お金だって払う·····だから止めてくれ····」


  社長は痛みを堪えながら言った。

 

  「何に謝ってるのかしっかり言って」

  「七つの大罪に·····美叶と美叶の家族の殺しを·····依頼しました·····すみませんでした」

  「君は人を殺した、分かるよね?」

  「分かります·····だから命だけは·····」


  男は満足したかのようにハサミを地に置く。

 

  「七つの大罪を崇めるなよ?後セクハラもアウトだからね?」


  男がそう言うと社長の切れた指は元通りになっていた。

  床や服に血が着いたままだが指は綺麗元通りだ。


  「お!あ!ありがとう····もう2度としないよ」

  「天使は基本優しい····」


  男はそう言って姿を消した。


  「はぁぁぁ····今のは·····夢、にしては······とにかく助かった」

 

  社長の体は身動きが取れるようになっていた。

  だが体が震えて立ち上がれない。


  「腰抜かした·····ははっ」

  「天使を名乗る人間·····面白いな」


  そう言って社長の目の前に1人の少年が突然現れた。

 

  「いつの間に····」

  「別に人殺しには興味無いが·····セクハラは見逃せないなぁ?」


  少年はそう言って社長の頭を掴む。

  社長は抵抗する事なく、ただ震えた。


  「やっぱり、痴漢も含めて結構やってるんだな、最低過ぎるぜ」

  「き、君はな、何だ?」


  社長は思わず少年に聞いた。


  「神様」

  「····天使の次は神····バカにしやがって!!」


  社長は少年に拳を振るう。

  だが少年はビクともしない。

  表情を一切変えずに社長を見下ろしている。


  「俺が1番嫌いなのは性欲に塗れた汚い男だ、俺の友達はお前のような奴に陵辱されて自殺した·····別に俺が可哀想だとか思った事は無いが·····気に入らない物は壊す主義でな?お前も壊させてもらう」


  少年は社長を見下ろしたままそう言った。


  「な、何を――」


  社長は最後まで言いきらないで眠ったように死んだ。


  「俺は優しい神様だ、死だけで済ませてやる」


  少年は片目を細め、不機嫌そうにした。

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